わざわざバルセロナに来たのはサッカーが好きだからではない。むしろルールさえよく分からない。オフサイドって何?っていうレベル。
そう、サグラダ・ファミリアを観るためだ。補修と建設のバランスがとれず、一生完成しないとか言われていた気がするが、技術の発達のおかげで、2026年完成予定らしい。
スピードアップの大きな要因は、3Dプリンターのおかげと聞いたことがある。試作が容易になったおかげで、工数の大幅短縮が実現したそうな。


ちなみに日本のものづくりの現場でも同じことが言える。前職はメーカーだったが、工場向けの3Dプリンターも販売していた(僕は販売していない)。車より高いのにバンバン売れていたような記憶があるのは、工数削減に大きく貢献しているからだろう。
高過ぎるチケット代を払い、敷地内へ。ちなみに外からも丸見えなので、外だけでいい人はそれでいいと思う。むしろ敷地に入ると外観の全貌は視界に収まらない。




未完成の建造物で唯一の世界遺産らしい。1882年から作り始めて137年間建設中。ちなみに日本の新宿駅は現時点で134年間も工事中なので、割といい勝負をしている。
外観は直線を排除しまくったようなとろけたデザイン。塔がいくつか建っているが、これから作る塔はもっと多く、もっと高いらしい。
建設中ということは、今日僕が見ているサグラダ・ファミリアは、今日しか観られないのだ。サグラダ・ファミリア観に行ったことあるよー、と言う人がいても、それは僕が観たものとは別物。そう考えるとなんだか興奮してきた。
正直、キリスト教について知らなさ過ぎるので、彫刻などを観てもよく分からない。わあすごい、ヤバイ、に帰結する感想しかでない。
中に入ると、今まで見たことのないようなグラデーションのステンドグラスが内部を染めている。これは流石に美しい。











思ったよりも狭いので、もったいなくて引き返して再び外から眺める。30分ほど眺め、再び内部へ。

スラムダンクの作者の井上雄彦さんがデザインの一部を担当したらしい扉は、現在工事中で見ることができなかった。

裏手の門から出ると、一気にデザインが変わった。実はガウディは設計図を書いたわけではなく、スケッチを書いただけらしい。建設途中でガウディは事故死してしまい、その後は弟子たちが設計図を書いてせっせと作っていたがスペイン内戦で焼失してしまうという不幸に見舞われて再度設計し直したらしい。

そこでデザインの趣向が変わったので、表と裏(本当は右側と左側)でデザインが違うらしい。
いやあ、良いものを見た。死ぬまでに一度見てみたかったものの内の一つだったので満足した。

ガウディはバルセロナ市内に多くの建築物を遺しており、中にはマンションなんかもある。そしてまさかのまだ人が住んでいるらしい。それらを観て周り、ガウディが設計したらしい公園へも行ってみた。


ちなみに、僕は別にガウディについて詳しくもなんともないので、一応見ておこうかくらいのテンションだ。
公園に着くと、ゲートが閉ざされていた。結構な坂道を登ってきたのに、なんということだ。


ゾロゾロと観光客が立ち往生している。一人が、張り紙をGoogle翻訳で訳したようで、理由がわかった。
「風が強いから今日は閉めているらしい」
そうらしい。確かにやたらと強風だ。公園の中には崖っぽいところもあるので、念のための対応だろう。皮肉気味に「グッジョブ」という者がいた。
再び市内の観光へ。色々とオシャレな街だ。音楽堂やら大聖堂やら。



サンタ・エウラリア大聖堂に関しては、むしろサグラダファミリアの内部より趣があった。ちょっと笑ってしまったのは、普通教会では寄付をしてロウソクを供えるのだが、ここの教会のは、コインを入れるとロウソク型のランプに光が点くというものだった。







エコで安全で良いけどちょっとおもしろい。日本のお寺の線香がこういうシステムになったらクールジャパンすぎて逆に訪日外国人からのウケが良いかもしれない。
夕方に駅でチケットを購入。まだ先の日程のものだが、念のため。物価的に、先の日程を決めて動くことがヨーロッパの旅では求められる。
夕飯を食べ、再びサグラダファミリアへ。ライトアップされて美しい。







何か視線を感じるが無視して大量に写真を撮る。さあ帰ろうと思っていたら、案の定声をかけられた。
「写真撮ってください」
よく写真撮ってと声をかけられるが、噂によるとどうやら東洋人は信用されているらしい。カメラを盗んで持っていかないという意味で。
サグラダファミリアをバックに、カップルを撮影。
「スリー(thの発音が難しい)、トゥー(ツーと言いそうになるのを堪えて)、ワン(ゼロまで言うべきか悩みつつ)」パシャリ
チェックしてみて、何枚でも撮りなおすよ、と言いカメラを返すと、あまりの美しさに女性は声を上げ、男性は「パーフェクト」と満足気な様子。
「エンジョイ!」
何から目線なのか分からない言葉を二人にかけて、僕は宿へ戻った。

せんまさお

最新記事 by せんまさお (全て見る)
- 【世界一周#413】陽気な国だ - 2024年9月24日
- 【世界一周#412】逆走ハイウェイ - 2024年9月23日
- 【世界一周#411】アレナメヒコ - 2024年9月22日
コメントを残す