朝早い電車のチケットを取っていた。チェックアウトしたいが、スタッフは出勤前。キーのデポジット20元(320円程度)は諦め、キーは書き置きと共にゲートの警備員に預けておいた。
自転車で駅に行こうと思っていたが見つからない。どこでも乗り捨てオーケーなので、ないときにはない。キーの件で時間を使ってしまい、大急ぎで駅に向かい走る。
出発15分前に到着。とりあえず飲み物だけ買って乗車。先日買っていたパンとソーセージ、味玉を食べて寝る。
起きれば西安。昼寝って移動の時には便利なシステムだ。
宿を抑えていたので、そこに向かうが明らかな団地。住所を元に向かうが、間違えて一般家庭を訪問してしまった。嫌な顔して手で追い払われる。確かに逆の立場ならちょっと怖い。
番地と部屋番号を頼りにようやく宿に着いたが、鍵がかかっていて開かない。例のごとく電話をかけると、これから行くとのこと。中国の安宿って地味に難易度高い。
チェックインの際、明日は駅まで送ってやると言われた。バスで行くからいいですと言うと、「バス、ノー」とのこと。バスで来たんだからバスはある。よく分からんけどまあいいや。ご厚意に預かろう。とにかく早く街に出たい。
西安に来たのは兵馬俑が見たかったからだ。兵馬俑というのは秦の始皇帝のお墓に一緒に埋められた土で作った人形のことだ。なんか1974年に飢餓で苦しんでいた人が井戸を掘っていたら見つけたらしい。教科書で写真を見たことがある。始皇帝は土で作った人形だったが、それよりもっと前の偉い人のお墓には生きた人が一緒に埋められたらしい。墓場まで付いていきますって冗談じゃない。
バスを乗り継ぎ、2時間ほどして兵馬俑へ着く。ところが一向に入り口が見当たらない。兵馬俑見てきました感溢れる人々は歩いているけど入り口が全く分からない。
「入り口はどこですか?」
あっち、と指を指す出口のスタッフ。向かってみると、劇場しかない。
またこのパターンかと落ち込み、聞き込みを開始する。なんで入るのにこんな大変なんだ。
「10分あっちに歩いたらある」
なんで海外では分で伝えるんだ。距離で教えてよ。絶対人によって違うじゃん。
ようやく見つけた。ほぼ自力だ。駐車場の横にあった。路線バスは駐車場に入らなかったから分からなかったが、大半の人は観光バスか自家用車で来ているのですぐに分かるようになっているようだ。
大人気のスポットのようで、ひとがごった返している。たぶん8000体と言われる兵馬俑の数より余裕で人の方が多い。
120元(1920円程度)もする入場料を払う。とんでもない値段やでこれは。
人混みをかき分け、ようやく見えた、兵馬俑。おお、兵馬俑だ。僕は啜る音だけ聞こえてなかなか順番が来ない行列のできるラーメン屋さんでひと口目のスープを飲んだときのようなある種の達成感をおぼえていた。
(思ったより普通だな)
僕は行列のできるラーメン屋さんの味が実はそんなに好みではなかったときに、友達に旨いやろ?と聞かれて、「うん、おいしい」と答えたときのような、待った時間を無理矢理意味のあったことのようにするセルフマインドコントロールを行なっていた。
「すごい!」
とりあえず写真をパシャパシャ撮る。ちなみにこの日も非常に暑く、僕も周りの人も汗ビチャビチャでギュウギュウで地獄のような不快感の中の撮影だった。汗の交換会みたいなかんじだ。
兵馬俑は3箇所に分かれており、それぞれが特徴を持っていて、何か時代の背景分析に繋がるらしいが、そんなこと言われても何も分からなかった。まるで、分かる人には分かる系の味をウリにしている雰囲気だけのラーメン屋さんのように。
僕は宿に戻るとラーメン屋さんへ行った。最近気づいたのだが、蘭州ラーメンという種類のラーメンはどの店に行ってもうまい。今日も蘭州ラーメンをいただく。8元(128円程度)。
塩が効いた醤油ラーメンっぽい味で、何より日本のラーメンとよく似たかん水を使った麺なので親しみがある。
米の麺やらコンニャクの麺の店もよくあるが、全くおいしくない。その点、蘭州ラーメンは麺がおいしいし、日本人好みの塩味強めなので間違いないのだ。
宿に戻る。今日は久しぶりにシングルルーム。部屋にパソコンがある。当然中国のネット規制で、基本的には中国サイトしか見ることができないが、お気に入りの中に動画サイトを見つけた。
開いてみると、日本の映画やドラマ、アニメが全て吹き替えか字幕付きで公開されていた。確実にアウトなサイトだ。そりゃみんな詳しいわけだ。
せんまさお
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