上海といえば上海ハニー。浜辺社交ダンス。見つめっぱなし。たまんねぇ女神。
顔面レベル下の上の僕にとって、リアル上海ハニーは天上人である。
現実的に手に入れられそうな上海のハニーを求めて僕は上海の蜂蜜屋さんへ向かった。
店に近づくにつれて日本語の看板が増えてくる。おそらく上海駐在員の居住エリアの一つなんだろう。マッサージ、マッサージ、マッサージとマッサージ屋がいくつも並んでいるが、この中にリアルマッサージ店はいくつあるんだろう。
そんなマッサージ街の近くに蜂蜜屋さんはあった。その名も「蜂蜜屋」。タイガーマスクくらい分かりやすいネーミングだ。
店に入ると蜂蜜が並んでいる。
「中国蜂蜜の蜂蜜」
なんだ、怪しい日本語か。蜂蜜が被っているなぁ、と思っていると店主から声をかけられた。
「今は二種類しかないんです」
日本語だったのでびっくりした。しかも相当ネイティブ発音だ。日本人街で商売をしているとこんなにも日本語が上達するのかと感心。
それにしても顔もどこか日本人っぽい。中国人と日本人は同じような顔をしているが、厳密には少し違う顔立ちをしている。
恐る恐る僕は日本語で、日本人…じゃないですよね?と聞くと、「日本人です」と返ってきた。店主は日本人だった。
そこから少し店主と話をした。蜂蜜について、中国という国について、店主について。途中、店主がコーヒーを淹れてくれた。ご自身で焙煎されているそうで、久しぶりに本格的なコーヒーを飲んだことを差し引いても、とても美味しい。
日が暮れるまで話し相手をしてくださった。現地に住んでいないと分からないような興味深い話も教えてくださった。
中国は広い。僕は一向に中国から抜け出すことができない。移動距離で言えば大したもんだが、国で言えば同じ国内を移動しているだけだ。
しかし、シャングリラと上海などの都市、場合によっては香港、マカオが同じ国であるというのには違和感がある。建物から料理、人の雰囲気までが丸で異なっているのだ。
店主曰く、中国を一つの国として考えると理解することが難しいが、EUのような国の集まりとして考えると分かりやすいとのこと。漢字ユーザーという共通項で纏まっている集合体くらいに考えた方がいいそうな。
それなら腑に落ちる。漢字のみで纏められた多民族から成り立っているからこそ、民族間の問題が起きるのだろう。同じ国のようで実は複数の国から成り立っている中国という観点は今後の旅のヒントになるかもしれない。
僕は「中国蜂蜜の蜂蜜」を買うことにし、日本語間違ってますよもー、と突っ込もうとしてもう一度パッケージを見たところ、そこには「中国蜜蜂の蜂蜜」と書かれていた。ややこしいが、僕が見間違えていただけだった。店主は日本人だ。当然間違えることはないだろう。
ちなみにこの中国蜜蜂の蜂蜜は野生の蜂が集めてくる蜂蜜を採取したものらしく、飼育されている蜜蜂の蜂蜜よりも採れる量が少ない代わりに、味わいは濃いらしい。
店主と連絡先を交換し、僕は上海のハニーを片手に宿に戻った。上海ハニーの味は言うまでもなく上の上だった。
せんまさお
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