僕が旅する上で一番ストレスが溜まるのは、日本食をなかなか食べられないことです。
日本にいたら当たり前のように食べている日本食。時には妥協して食べたような牛丼、うどん。
そんな日本の料理たちを思い浮かべる度に頭が狂いそうなほどに食べたくなり苦しみます。
海外でも醤油は比較的簡単に手に入ります。時には海苔やワサビも売られています。
しかし、「出汁」だけはほとんど手に入れる機会がありません。
そして日本食を狂おしいほど恋しくさせ、日本食を日本食たらしめるものでもあります。
出汁のない味噌汁なんて「味噌お湯」ですし、出汁のない肉じゃがなんて「肉やジャガイモとかの醤油煮」です。
出汁のない茶碗蒸しは「しょっぱいプリン」ですし、出汁のない出汁巻き卵は単なる「卵焼き」です。
とにかく出汁が頭から離れず、出汁のためなら山であろうが谷であろうが地獄であろうが全力疾走で駆けつけられそうなくらい出汁が恋しいのです。
そして奇跡的に日本食料理屋にたどり着いたときには、脳みそから幸せ物質が溢れ出し、爆笑の渦に飲まれながら人間版自動運転モードで入店するのです。
料理が出てくるまでの時間は、料理の味をより上等にさせるので苦ではありません。むしろすぐに出てきて盛り下げないでほしいくらいです。
厨房から漂う出汁の香り。どんなアロマオイルにも叶わない、世界で最も固い食材KATSUO-BUSHIを削って煮出した奇跡の黄金スープ。
サーブされた料理をすかさず口に含んだ時の幸せな気持ちは言葉では言い表せません。もしそんな便利な言葉があるのならば、きっとこの瞬間のために作られたのでしょう。
「アメイジング」
そう呟いて店を後にするまで、いや、食後のゲップまで楽しませてくれる世界のおいしい日本食料理屋をご紹介します。
もくじ
- Japanese Kitchen 絆(ネパール・カトマンズ)(一時閉業中)
- 桃太郎 Japanese restaurant(ネパール・カトマンズ)
- 小川 traditional Japanese Restaurant(フィリピン・マニラ)
- Arig Anya * ramen & more(モンゴル・ウランバートル)
- 勝 katsu
- Japanese restaurant Marukoshi – Belgrade(セルビア・ベオグラード)
- 櫻田(アルメニア・エレバン)
- 山優 三辰(ベルギー・ブリュッセル)
- Ramen by Maru(スロベニア・リュブリャナ)
- Japanese restaurant Seto(イギリス・ロンドン)
- Chaya(フィリピン・バギオ)
- 気づいたこと
Japanese Kitchen 絆(ネパール・カトマンズ)(一時閉業中)
特別な情報は不要です。写真を見れば一目瞭然。うまくない訳がありません。カトマンズ滞在中はほぼ毎日のように行っていましたし、多い日には昼と夜の二度行っていました。
日本にある丼屋さんの9割5分の店よりもおいしい味です。つまり上位5%の味です。フードコートならではの安さも魅力です(かつ丼300円程度)。
しかし、現在営業していたテナントビルが改装されるそうで、立ち退く必要があり閉業したそうです。また別の場所で営業する意思はあるそうなので、もし復活したらこの味のためだけにネパールに行きたいくらい好きな味でした。





桃太郎 Japanese restaurant(ネパール・カトマンズ)
日本の居酒屋風な内装のお店です。
お店の見た目だけでなく、味も本格的です。特に鍋焼きうどんの味はたまりません。お出汁が効いたおつゆに、アツアツのうどん、海老天。冷えるカトマンズの夜にもってこいの一品でした。

小川 traditional Japanese Restaurant(フィリピン・マニラ)

いわゆる高級日本食料理屋です。貧乏な旅人には少しきついでしょう。ですが、日本人の金銭感覚からすれば、まああり得る価格帯です。
高級の秘密は味にあり。この味なら高くてもしょうがないな、と思える素晴らしい料理です。日本人の接待なんかにも使われているらしいいいお店です。
Arig Anya * ramen & more(モンゴル・ウランバートル)
モダンな店内にモダンな注文システム。
入り口で注文の伝票代わりの機械を受け取り、タブレットでメニューを選んで伝票代わりの機械をかざして注文完了。呼び出しの機械を受け取って、機械が震えたら料理を取りに行くシステム。会計は伝票代わりの機械をレジにかざすだけ。
そんなことは置いておいて、まさかモンゴルで本格的な日本風ラーメンが食べらるとは。よく見ると怪しいトッピングたちですが、味は申し分ありません。




勝 katsu
日本人がオーナーを務める本格的な日本食レストランです。
ここに来れば本物の日本食を食べることができます。価格帯は安いとは言えませんが、貧乏な旅人でもちょっと贅沢すれば食べられるくらいの金額です。食材が手に入りづらそうなアゼルバイジャンでこのクオリティの日本食が食べられるのは旅人からすれば嬉しいサプライズです。
「肉そば」の強烈な出汁の風味にやられました。からあげもオススメです。



Japanese restaurant Marukoshi – Belgrade(セルビア・ベオグラード)
日本の味そのままに、現地の方においしく食べていただけるよう工夫されたインテリアと盛り付けが印象的なお店です。
恐らく一人前ではない「かつ丼」を注文しました。洗面器くらいのサイズのおしゃれな器に盛られたカツは肉厚でジューシー。出汁がたまりません。気が付くと空になった器とパンパンに膨れた腹だけがそこにありました。
セルビアにおける正統な日本食文化普及の大切な担い手でしょう。

櫻田(アルメニア・エレバン)
SUSHI、SUKIYAKIだけではない隠れた日本食のエースたちが揃ったメニュー。居酒屋を思わせる落ち着く店内でゆっくりと本格的な料理を食べられます。
オーナーは日本人の櫻田さん。店が空いた時間に行ったので、街の情報を丁寧にいろいろ教えていただきました。あまりに美味しく、お店も落ち着くので、滞在中は毎日通っていました。
しっかりと味のついた鳥天がイチオシです。




山優 三辰(ベルギー・ブリュッセル)
ここはジャパニーズレストランというより日本食料理屋だと思わせるほど外とは別世界、いや、日本が広がっていました。違うのは値段がユーロ表記なところだけ。
貧乏な旅人がお気軽に行ける価格帯ではありませんが、とにかく料理は最高中の最高。日本人の駐在員や現地の方で賑わっていました。(僕は現地在住の親しい方にご馳走していただきました)
あまりに美味しそうな料理を前に、写真より先に箸が伸びてしまい、いっぱい食べたのに写真は〆のラーメンしか撮っていませんでした。
ヨーロッパで最もおいしい日本食を食べられるお店の一つ間違いなしでしょう。思い出したらよだれが出てきました。
持ち帰りもできるようで、僕は太巻きを持たせていただきました。(親しい方、お店の皆様、ごちそうさまでした)

Ramen by Maru(スロベニア・リュブリャナ)
一番意外性を突かれた日本食かもしれません。散歩をしていると住宅街のようなところに出てしまい、戻ろうとすると一軒のラーメン屋を見つけました。
珍しいと思って入ってみると、カウンター席のみのラーメン屋だったのですが、カウンターの上には見覚えのある「日本のラーメン屋」そのものがありました。割り箸、レンゲ、つまようじです。
とりあえず注文して再度驚き。ビジュアルがラーメンど真ん中そのものなのです。チャーシュー、卵、メンマ、なると、海苔、ネギ、わかめ。
味もラーメンそのもの。ラーメン風のラーメンだと思いつつも入ってみましたが、まさか本物のラーメンが食べられるとは。
ここはいったいどこなんだろうと分からなくなるくらい日本を感じさせてくれたスロベニアのラーメン屋さんでした。

Japanese restaurant Seto(イギリス・ロンドン)
友人と夕飯を食べるために行った日本食料理屋です。
価格帯は貧乏な旅人が気軽に行くには高いけれど、日本の居酒屋に行くことと比べれば十分納得できるくらいのかんじです。僕は友達にごちそうになってしまいました。(本当にマジでガチでありがとう)
食べた全ての料理がおいしかったのですが、特にラーメンと餃子が最高です。餃子はおかわりまでしてしまいました。
あと揚げ出し豆腐も最高ですし、「ニクイねえ」と思ったのは枝豆です。見ただけで涙が出そうになりました。



Chaya(フィリピン・バギオ)
バギオで語学留学中に何度か行ったお店です。バギオはフィリピン第三の都市とされていますが、結構田舎です。そんな場所でこれほど本格的な料理が、しかもリーズナブルな値段で食べられるだなんて。アメイジングです。
ある晩、すき焼きを注文して食べたのですが、あまりの旨さに笑いが止まらず、醤油っ辛い割り下まで飲み干してしまいました。
オーナーは日本人の方で、気さくに話しかけていただけます。市街地からは少し遠いですが、おかげで落ち着いた雰囲気のお店です。しかもタクシーも安いので遠いのは気になりません。



気づいたこと
「久しぶりに日本食を食べるぞ」と意気込んで食べる料理と言えば「かつ丼」とか「ラーメン」ばかりでした。
恐らく、日本以外の国でも受け入れられやすい味だからメニューに載っているんでしょうが、嬉しいマッチングです。丁度「かつ丼」とか「ラーメン」とかが食べたくなるのです。
そして日本ではあまり食べない「揚げ出し豆腐」も海外で食べると格段においしく感じます。豆腐も出汁も食べる機会がありませんから。
日本食は世界中で人気なようで、特にSUSHIレストランは大量に見ましたが、ほとんどのJapanese restaurantは日本人からしたらフェイクとしか感じません。その味の方が現地でウケがいいからなんでしょうが、それでは僕は満たされません。
今回紹介したのは本物の日本食の味(もしくは非常に高い再現度)のお店ばかりなので、これらの地に訪れて、日本食が食べたくて食べたくて我慢できなくなったら行ってみてください。アメイジングです。

せんまさお

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