早朝から荷物をまとめ、またもや今日もバスターミナルへ。サン・クリストバル・デ・ラス・カサスでゆっくりしすぎたことを少し後悔する。
向かうのはメキシコシティ。メキシコの首都だ。バスに乗ること5時間。ようやく首都まで辿り着いたが、2週間以上もかかってしまった。およそ2000km以上もバスに乗っていたらしい。バス旅にも身体が慣れてきて、5時間くらいならノーカウント感覚だ。
バスに預けていた荷物を受け取るが、なんだかスタッフが乱暴だった。
メキシコシティには地下鉄が通っていたので、それで宿へ向かう。
メキシコ版Suicaみたいなのがあるのだが、窓口で買い方を聞いたら不機嫌そうに、券売機で買えと言われた。
メキシコシティの人はなんだか荒々しい。地方都市の人のような穏やかさがない。メキシコ人の穏やかさが好きだったのに少し残念。
地下鉄は治安が悪いと聞いていたが、なるほど確かに一昔前の大阪市営地下鉄動物園前駅と丁度同じくらいの暗がり具合。夜遅くとかは乗らないようにしよう。
駅周辺といえば、どこの国でも治安が悪いものだが、メキシコシティでも同じようで、駅から宿に向かう間の道には浮浪者がワンサカ集まっていた。
宿に荷物を置いて、またもやさっき来たばかりの浮浪者が集まっている道を戻る。再び地下鉄に乗るためだ。
ちなみに地下鉄はどれだけ乗っても5ペソ(40円程度)。お得すぎる。
向かった先はグアダルーペ寺院。バチカン市国が認めた世界三大奇跡が起きた場所の一つだ。
グアダルーペ寺院には、その昔、聖母マリアが現れたことがあるらしい。それが奇跡らしい。
そのとき現れた聖母マリアは西欧で描かれるような栗色の髪と白い肌ではなく、黒髪に褐色の肌だったそうな。
そのような姿で信仰されているのは、先住民への布教の際に、ある程度既存の宗教との共存を認めたことを由来としているそうな。
その甲斐もあり、グアダルーペの聖母マリアはラテンアメリカで広く信仰されている対象らしい。
最近の研究ではイエス・キリストも実際には褐色の肌だったとされているそうなので、もしかしたら実際の聖母マリアもグアダルーペの聖母マリアの姿の方が近いのかもしれない。
ちなみに、そのグアダルーペの聖母マリアが現れたのを見た人が着ていたマントが展示してあった。聖母マリアを見たときに、マントに聖母マリアの絵が浮かび上がってきたそうで、今は額縁に入れて飾られてあった。
そして、渋滞を避けるためか、そのマントを見るためには動く歩道みたいなやつに乗って見る必要がある。せっかくなので2周して見た。
ちなみに、この教会は2代目で、初代は地盤沈下で斜めっているが隣に現存している。中に入ると平衡感覚が狂ってフラフラした。
教会の近くには、1ペソコインを押し潰して聖母マリアのコインにするマシーンが置かれていたので、試しに作ってみた。手数料は10ペソなので、トータルで11ペソ(80円程度)である。
コインを潰す仕組み的に、マシーンを動かすためには結構力がいるので、全身で力を込めてマシーンのハンドルを回していると、近くの家族がそれを見て微笑んでいた。僕もニヤニヤしておいた。珍しい場所を訪れたいい記念になった。
帰り道に大雨が降ってきた。そんな中、空腹すぎて、トウモロコシを辛く炒めたストリートフードを買った。
「唐辛子かける?」
僕は言った。
「ポキート」
たぶん「ちょっと」という意味のスペイン語だ。知らないけど。
おじさんは「ポキートね」と繰り返して、唐辛子パウダーをガシガシ振りかけていた。伝わってないのか?
宿に持ち帰って激辛コーン炒めを食べていたら、辛すぎて気分が悪くなってきた。コカ・コーラをがぶ飲み。うまい。
せんまさお
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