インドと言えばカリーですが、個人的にはそれ以上に「チャイ」の国でありました。
ちょっと一息チャイをいただくあの時間がグッと心に残っています。
今でもふとチャイが恋しくなり、自分でも作って飲んでいるくらいですが、本当はインドのように道端でグイッとひっかけたいものです。
今回はそんなインドのチャイについて調べてみました。
チャイとは

実はあちこちの国でお茶のことを「チャイ」と呼びます。インドにおけるチャイは砂糖を加えた甘いミルクティーです。
実は日本人がイメージするチャイは「マサラ・チャイ」というスパイスを加えたチャイです。
インドでは店ごとにも地域ごとにも、そして季節ごとにも加えるスパイスは異なります。スパイスが入っていない普通のチャイもありました。
チャイ文化
インドでは街を10分歩いている内にチャイ屋さんの1つ2つは簡単に見つけることができるでしょう。

鍋とコップがあれば始められる仕事なので、多くの方が路上で店を開いています。
道端でしゃがんで何かしているな、と思ったおじさんも、ポータブルコンロを使って実はチャイを売っていた、なんてこともありました。
駅のホームでも電車の中でも「チャイチャイチャイチャイ」とチャイを売り歩くチャイワーラー(チャイ屋さん)を見ることができます。
店によって若干の差はありましたが、10~16円(2018年12月当時)で一杯飲むことができました。チャイは非常に甘いので、通常サイズのティーカップの1/3程度の小さなカップで飲みます。
現在はガラスのカップか、使い捨てのプラスチックや紙のカップが使われています。伝統的には「クリ」と呼ばれる素焼きのカップで販売されており、これは飲み終わったら地面に叩きつけて割ってそのまま捨てます。自然に還すということでしょう。しかし、プラスチックの容器でも同じように地面に捨てるので、社会問題になっているそうです。
チャイは大まかに分けてインドの北で好まれて飲まれています。南ではインディアンコーヒーが主流です。でも南でも普通にあちこちで売っています。
チャイの作り方
チャイが飲まれるようになった経緯
作り方の前に、なぜインドでチャイが飲まれるようになったのか説明が必要です。
インドはかつてイギリスの植民地でした。植民地時代にはイギリスの指示で茶葉を生産していました。良質のものは全てイギリスに送られ、インドには商品にならないような茶葉のかけらのみが残されました。
そのダストティーと呼ばれる細かい茶葉からお茶を美味しく飲むために考えられたのがチャイなのです。そのため、現在でも露店では細かい粉のような茶葉から作っているようでした。
チャイ(マサラチャイ)の作り方
①少量の水で紅茶を数分間煮出す。スパイスを入れる場合はこの時一緒に入れる。
②大量の牛乳と砂糖を加え、更に煮出す。
③火を止めて1分ほど蒸らしてから茶漉しを通してカップに注ぐ
分量は 水2:牛乳8 のイメージです。煮出す時間によって水の量を調整してください。とにかく、細かいことを気にしなくても濃いミルクティーなので、どうあがいてもおいしいです。
マサラチャイには一般的にショウガ、カルダモン、シナモン、グローブなどを加えますが、僕はオールスパイスを砕いて入れたら「いいかんじの風味」になりました。
【お茶の話】Cの文化とTの文化
お茶は世界中で飲まれているコーヒーに並ぶ大ヒットドリンクです。インドではチャイですが、日本では茶です。
実は世界はCの世界とTの世界に分けることができます。
茶の言葉の起源は中国にあります。中国から陸路で伝播した国はCの国であり、海路で伝播した国はTの国です。
Cの国というのは、茶を表す言葉がCから始まる国です。Tの国は茶がTから始まる国です。
具体的に見ていきましょう。
Cの国(陸路伝播)
インド・・・チャイ(Chai)
ロシア・・・チャイ(Chai)
モンゴル・・・ツァイ(Chai)
イラン・・・(Cha)
トルコ・・・チャイ(Cay)
日本・・・チャ(Cha)
Tの国(海路伝播)
ドイツ・・・テー(Tee)
オランダ・・・テ(Thee)
フランス・・・テ(The’)
イタリア・・・テ(Te)
スペイン・・・テ(Te)
イギリス・・・ティー(Tea)
このようにCの国とTの国が存在し、海路で伝播したヨーロッパ諸国はTの国に属します。
しかし、
ポルトガル・・・チャ(Cha)
と、ポルトガルまで行くとCの国に戻ります。これは、かつて支配下にあったマカオからお茶を運んだからだと言われています。
おもしろい。
ストレス社会で戦うあなたに
インド旅はストレスが溜まります。エネルギッシュすぎる人、高い気温、混雑、スパイス、カリー、スパイス、スパイシーな料理などが原因です。
そんな時に、チャイを飲む時間を持つことで、心にゆとりを持つことができます。
現代日本はストレス社会と言われています。仕事のプレッシャー、不機嫌な上司、満員電車。それに耐えて働いているあなたは偉い!
そんなあなたはチャイを作って水筒に入れて会社に持って行ってはいかがでしょう。仕事から帰ってから飲んでもいいでしょう。
マサラチャイならスパイスが身体をあたためたり、香りがストレスを和らげてくれたりするそうです。
とりあえず一息つく時間が必要なのは確かです。その相棒としてチャイを選んでみてはいかがでしょうか。

せんまさお

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