夜明けと同時に車内が騒がしくなる。起き上がって外を見ると、電車が砂漠の中を走っているのが分かる。
地図を見て知ったが、これがあの有名なゴビ砂漠のようだ。砂漠からの見事な日の出。それで騒がしかったのか。

7時前には敦煌へ到着。ドゥンファンみたいな読み方のようだが、恐らく紀州のドンファンとの関係はない。
駅からバスで市内に向かう。どうやら駅は市内から相当離れているようだ。
当然のことながら早朝すぎてチェックインを拒否された。荷物だけ置いて再び駅の方まで戻る。というのも、駅の近くに目的地の莫高窟という世界遺産のチケット売り場があるからだ。
莫高窟とは、岩肌に無数の穴があり、その中に仏像が祀られているという仏教あるあるのクレイジーな遺跡だ。
戻る途中、乗っているバスの目の前の車と右折しようと減速したトラックが衝突した。バスは急ブレーキを踏み、何人か立っていた人が前に吹き飛んでいく。とりあえずみな無事だったようだが、車内は大騒ぎだ。
目の前の車は前がペシャンコに潰れ、トラックにめり込んでいる。
運転手は無事だったようで、双方とも車内から出てきた。潰れた車から何か液体が流れ出てきている。そしてなぜかエアバッグは出ていないようだ。中国車怖い。
バスはそれを避け、何事もなかったかのように進み始めた。
無事にチケットを買ったはいいが、まだ8時なのに11時発のシャトルバスのチケットしか買えなかった。ダメ元で今の時間のバスに乗れないかと乗り場に行ってみたところ、何も聞かれずに普通に乗れた。車内も空いているようだし問題ないだろう。
莫高窟に向かう道は砂漠の真ん中を突き抜けている。バスから窓の外を眺めたいが、日焼けを気にしてか、隣の女性がすぐにカーテンを閉めてしまった。

果てしなく長い列に並び、数十人単位でグループ化され、ゲートの中に通される。

洞窟内部は壁一面、仏画で埋め尽くされている。各時代に補修されて守られてきたのか、隋、唐、宋などの時代ごとに地面に貼られたタイルが展示されている。時代が新しくなるにつれて、飾りが簡略化され、素材も悪くなっているのか、保存状態も悪い。不思議だ。

壁の仏画は、顔が無残にも削り取られている。イスラム教徒に破壊されたらしい。いくつかの恐らく仏像が納められていたであろう場所は伽藍堂になっている。これは19世紀末の探検隊によって持ち去られたらしい。今はどこにあるのやら。
そのまま大渋滞の中、いくつかの洞窟を巡り、最後は博物館に寄って帰った。















宿にチェックインすると、そこにはやたら近未来的なカプセルベッドがあった。ガンダムっぽいけど、ガンダムを見たことがないので分からない。内部は青く光っている。


夜市に向かうが、強引な客引きと、干しぶどうだらけでそんなに惹かれるものではなかった。歩きすぎて靴の中の踵部分の布が破れてしまったので、当て布だけ買って帰った。一日平均2万歩ほど歩いているのでしょうがない。

やたら近未来的なベッドは夜になると一層その存在感を放っていた。



せんまさお

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