パアン散策、まずは洞窟に行ってみた。Yathae Pyan洞窟の中にはパゴダ(仏塔)があるらしい。
パゴダは正直もうお腹いっぱいだったが、洞窟は自然界の中で一番好きだ。余談だが、昔ラオスの洞窟で行ってはいけなさそうな奥まで行ってしまい、危うく出れなくなるところだったという経験がある。
一本道の洞窟なら良いが、中がドームのように無限に広がっている系の洞窟は明かりもなく、本当に方向感覚が無くなるので奥に行けば行くほど訳が分からなくなる。
今回は寺院ということで手が入っており、道が分かりやすく作られていた。
入り口から大量の仏像がお出迎え。話にあった洞窟内のパゴダも見れた。


洞窟をさらに進むと、誰が作ったのか大量の手積みパゴダがある。日本の寺とか神社にも誰かが小石を縦に積んでいるのを見たことがあるだろう。ああいうかんじ。

洞窟を抜けると周りを見渡せる丘に出た。すごい綺麗だが、今日はもっと高いところに登る予定なので足早に去る。

次も洞窟。こちらはKaw Gon洞窟。あんまり深くないけど、壁一面の小さな仏像が印象的。世界一多く作られたフィギュア仏像説がより濃厚になった。




ちなみにここで猿のウンコを踏んだ。裸足で。たぶん岡山県在住の人の中で猿のウンコを素足で踏んだことのある人の中では最年少にランクインした気がする。あと何かの糞が前髪をかすめたので嫌な気分になった。
ランチは山登りに備えて奮発してポークリブを頼んだら9割骨だった。とてもつらかった。結局追加でチャーハンを頼むはめになった。とてもつらい思いをした。

ランチの後はこの町のシンボルとも言えるらしいKyaut Ka Lattパゴダに来た。読めないのだ。”tt”って。

パゴダとはいえここは特別。巨大な奇岩にパゴダが乗っているのだ。そして一般人は途中までしか登れない。ボロボロの竹のはしごがかかっていたが、何かのプロ用だろう。

そしてまたもや洞窟にきた。Kaw Ka Thaung洞窟。読めないのだ。ここは洞窟というより山の窪みと言えるだろう。

一部小さな穴があったので入ってみたら奥に小さな仏像と虫眼鏡で拡大して展示している何かがあった。虫眼鏡が汚すぎて見えなかった。

茶番はここまでにして、めちゃくちゃ楽しみにしていた山登りだ。うっかりサンダルで来てしまったことが後に災いを引き起こすとはこの時はまだ知らない。

Zwe Ka Bin山。読めない。
エントランスにお坊さんがいた。外国人は必ず寄付3USDしないといけないらしい。それを寄付と呼ぶか入場料と呼ぶかはお坊さん次第。日本もそういうところ一緒だよね。日本は税金の関係かしら?
ここは頂上まで健脚なら3時間で登れるらしい。タイムアタックスタートだ。
100段ほど登ったころ、僕は全身で息をし、顔から滴る汗が目に入り苦しんでいた。
「なんでこんなことに…実家にいればご飯の支度も洗濯も家族がやってくれる…僕はYouTubeを見ていればよいだけなのに…」
湧き出るニート思考が僕を苦しめる。吐きそうだ。
水を半分も飲んでしまった。まだ登り始めて1分半くらいしか経っていない。苦痛で顔が歪む。
こう見えてもあべのハルカスを階段で登るレースで下位10%以内に食い下がった上でゴール後に嘔吐したほどの体力の持ち主。ハルカスが登れて山が登れないはずがない。
それは冗談(事実)だが、富士山なら6回か7回か忘れたけどそれくらい登頂したことがある。いずれクライマーズ・ハイが来ることを信じて僕は歩を進めた。
途中に家があった。外でかわいい人が洗濯物を干している。
(あそこまで行って休もう)
かわいい人のところまで行って僕は言った。
「ミンガラーバー」
そう、この日のためにと言ってもいい。覚えておいたミャンマー語のこんにちはだ。
汗だくでゼーハーいう僕を蔑んだ目で見る。
僕はここで休むことをやめ、もう少し先の広い場所で腰を下ろした。
水は残り1/4。耐えろ。
休むと疲れると聞いたことがある。僕は死ぬよりマシだと心を奮い立たせ再び登り始めた。
しばらくたった頃、辺りが煙たい。なんだろうとキョロキョロしていると、なんと山が燃えていた。誰が火をつけたのか分からないが、山が燃えているのだ。

道の脇まで火は及んでいる。つまり、道は煙に包まれている。ただでさえ息切れが激しい中、煙をいっぱいに吸い込み、ひたすらに苦しい。
死ぬ、死ぬ、と嘆きながらも、火で炙られながら僕は進んだ。
半分意識を飛ばしながらも進んでいると、ミャンマー人家族が登っていた。ミンガラーバーと言うと、笑顔でミンガラーバーと返してくれる。あのかわいい人は心が狭かったに違いない。
追い越して進んでいると、調子に乗って家族を置いてきた系の息子が二人いた。
「僕の家族を見ませんでしたか?」
たぶんジェスチャー的にこう言ってたが、ミャンマー語なので分からない。4人いたよと伝えたら納得した模様。
家族に大声で呼びかけている。もう見えないが、下の方から返事が聞こえる。やっぱり調子に乗って家族を置いてきた系の息子か。
クライマーズ・ハイに突入した僕は水を飲み干し一気に登りきった。頂上に着いた。
タイムは1時間15分15秒。誰だ3時間って言ったやつ。
疲れを吹き飛ばすような軽やかな風。靄ってはいるが、遠くまで見渡せる絶景。たまらん、たまらんなぁ。




近くにいたミャンマー人が一緒に写真を撮ろうと言ってきた。すでに確保されたドイツ人も一緒にいる。
僕は大学でドイツ語を選択していたので彼に披露した。
「Ich bin Studentin.」
彼は言った。
「Studentinは女性の学生だよ。男の学生はStudentだよ。」
間違えたのだ。更に僕は学生でもない。つまり僕は、山の頂上で突然会った人に「僕は女学生です」と謎の嘘をついた人になってしまったのだ。
実は28歳無職ですと話をしたら、向こうも28歳だった。お互い何してるんだろうねぇと山の上で落ち込んだ。
解散して少し後に彼が慌てて駆け寄ってきた。
「猿に水を奪われた。君もカメラとか気をつけた方がいい。」
猿が水を取るのは分かるがカメラは取らんだろうと思いながらもダンケシェーンと言っておいた。

※その後見つけた犯猿
頂上で水を売っているのを見つけたので買い足した。もちろん高いが命には代え難い。
水をカラビナにセットし、山を降り始めた。
猿がいる。僕は猿を避けるように階段を降りようとした。
猿が僕の前に反復横跳びで立ちはだかってきた。そして買ったばかりの水に手をかけた。
馬鹿め、カラビナにセットしているから猿ごときの力では取れぬ。
すると猿は牙を剥いて威嚇してきた。尖っている犬歯が怖い。一瞬びびったが、猿に人間が負けるわけがない。もし猿側がその気でしたらこちらも仕留めてやりますという気迫を醸し出した。
猿が一瞬怯む。僕の気迫が勝ったか、と思った瞬間、後ろから石が飛んできた。猿は逃げ出した。
そう、途中抜かしてきたミャンマー人家族の内、調子に乗って家族を置いてきた系の息子が石を投げて追い払ってくれたのだ。
更に彼は大声を出して辺りの猿を追い払う。
僕は言った。
「チェーズーバー」
ミャンマー語でありがとう。僕の気迫では勝てなかった強敵を一瞬で追い払った調子に乗って家族を置いてきた系の息子はニコッと微笑んだ。
疲れで震える足を巧みに使い山を降りる。タイムアタックスタートだ。
降りるのは足の負担が大きいが、息切れはそこまでしない。僕は燃える山もなんのそので、8割方降りてきた。
身体が熱いので腕に水をかけて冷やす。下りはそこまで水を飲まなかったので水バブルが起きていた。
しこたま水をかけた後、階段を降りようとしたその時、その水に滑り僕は階段を落下した。

※イメージ写真
たぶん5mくらい滑り落ち、腰と腿と腕を強打。腰だけは謎の心地よさがあったが、他はすごく痛い。骨が折れていないか確認して大丈夫そうだったので怪我の様子を見た。
左腕は擦りむけ、右肘は出血。腿は強打し、ズボンが破れた。腰は謎の心地よさがある。

水バブルなので水で泥を洗い流し、ドキドキが収まるまで階段に座っていた。
(サンダルでさえ来なければ…)
山にサンダルで行くなど、絶対にやってはいけない。3時間で登れる低山だと舐めて、気付いた時に履き替えに戻らなかったウンコだ僕は。
尻の下らへんに空いたズボンの穴から緑のパンツが見えている。恥ずかしいのでズボンをずらし、腿が見える位置に調整して帰った。
エントランスのお坊さんは何を思っただろうか。
下りのタイムは57分19秒。
こうして平和な夜が訪れようとしていた。宿の近くにある池に行った。夕陽が池を紅く染め、山に沈んでいく。

何があろうと、こうして一日は終わる。そして寝て起きたら明日が来る。ズボンの穴くらいで済んで良かった。
I enjoyed sightseeing in Paan today. I really like a cave. I visited 3 caves. The caves has a temple. I got tired to watch temples. After that, I visited to Kyaut Ka Latt pagoda that is most famous temple in Paan because it’s on the unique rock. I wanted to climb it, but we can’t climb it because of religious reasons. I took a lot of photos and went to next destination.
My final destination is Mt.Zwe Ka Bin. I heard that it takes over 3 hours to go to the top of mountain. I have no energy but I like climbing. I was tired after 1minutes from start but I finished climbing 1hour and 15minutes. I met a man who is from Germany. I studied German so I spoke German but I remember only this sentence “Ich bin Studentin”. He said “It means I’m woman student…”. We talk about ourselves. After that, The man was stolen his water by a monkey. He said “Be careful, A monkey will steal your camera.” Then, when I go back to my hotel, a monkey wanted to get my water!!! A man threw a stone to the monkey. I was saved.

せんまさお

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