【世界一周#139】大ちゃん

寒くて目が覚める。ガイドのパタさんがトーストと紅茶を持ってきてくれた。雨は上がったがまだ曇っている。

テントは安物なので浸透してこないまでも雨粒を弾いていない。テントをバンバン叩いて雨粒を落とす。

テントが乾くまでの間、野グソをする。気分がいい。ウンコを拭いたペーパーを燃やす。臭い。

雨は相変わらず降りそうだが晴れる見込みもないので11時前に出発。12時が過ぎた頃に雨が降り始めたので木陰で昼食。

コーンと豆とネギを炒めたものをご飯に乗せて食べる。紅茶を沸かして飲む。雨で冷えた身体が温まる。喉が渇いているので冷たい飲み物もガブガブ飲みたいが、そんなものはない。

雨の後だからかハエがエゲツなく多い。Aラさんの背中を見るとハエまみれになっている。10㎠あたり20匹はいる。超キモい。

再出発するが、雨が降ったり止んだりを繰り返している。途中で差し掛かったゲルに泊めさせてもらうことになった。

ミスチルの桜井さんに似たおじさんのゲルだ。馬を縛って荷物を下ろすと、おじさんがミルクティーをご馳走してくださった。お礼に買い込んできたお菓子をあげる。

落ち着いてゲルで今日も昼寝。YUKIをBGMに眠りに落ちる。歌詞の意味は分からないけどなんとなく切ない気持ちになる。

目が覚めてからは薪割りを手伝った。雨で気が湿っているので割りづらい。小さな頃、家にあった斧で伐採した木を木っ端微塵にして遊んでいると、ばあちゃんが言った。

「斧の刃を振り下ろした先に絶対に足を置いちゃあいかん。」

その言いつけを思い出し、僕は足をずらして斧を振るう。針葉樹だからだろうか、パカパカ割れておもしろい。

あらかた割り終えた頃に夕飯。ヤク肉のスープヌードル。ヤクはうまい。もちろん獣臭さはあるが、旨味が羊よりも強いように感じる。4杯も食べてしまった。またもやヨーグルトまで頂く。

自分たちのゲルに戻るとAラさんがライトを取り出した。ソーラーで充電できるライトらしい。電球色のライトがゲルの中で光って綺麗だ。

ミスチル桜井さん似のおじさんがゲルにやってきたので日本のタバコをあげる。果たして美味しいのだろうか。それとも外国のチョコレートを貰った時のなんか美味しくないけど変わったものを食べているぞ感を感じているのだろうか。

馬の様子を見に行くと、僕の馬がいない。遠くまで探しに行くと他の馬と一緒に草をボリボリ食べていた。それにしてもこの馬、歩くのは遅いが、チンチンがでかい。他の馬よりも少しでかいのだ。

僕はこの馬に大ちゃんという名前を付けることにした。大ちゃんの後ろでは空が晴れてきた。21時が近いが、まだ陽は沈みそうにない。

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せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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