明日、エチオピアを出てジョージアに飛ぶ。新型コロナウイルスに伴う東アジア人に対する風評被害から逃れるためだ。傷害未遂事件が複数発生していることは確かで、体感としては、首都圏よりも地方都市の方がそのリスクが高いように思う。恐らく教養の差が原因だと思う。
今日はエチオピアのお土産を買いに行くことにした。Church Hill Avenueという場所にお土産屋が集まっているという情報を元に、昨日と同じ電車で向かう。スリに遭わないように気を付けて。
Church Hill Avenueに着いた頃、僕は猛烈な尿意に襲われていた。慢性的な水分不足を心配して大量に水を飲んでいたせいだ。
耐えきれなくなり、カフェに入る。トイレありますか?と聞くと、店員さんは不安そうな顔でトイレの場所を教えてくれた。
その不安そうな顔から全てを察し、日本人だよ、コロナじゃないよ、と声をかけると、ほっとした顔になった。根拠があるわけではないが、過去の滞在先から考えても、感染のリスクは現地の人と同等程度だろう。そして日本でも感染が広がっていることなんて現地の人は知らない。
コーヒーを飲むとまたトイレに行きたくなるので、紅茶を注文した。紅茶はどうやら生姜が入っているようで、結構おいしいい。インドのチャイを思い出す。他の席の人は皆新聞を読んでいる。恐らく少しいいカフェだったようで、変に周りからの視線を感じることもない。騒々しい外とは違う穏やかな空気が流れていた。
特にこれといったエチオピア土産を考えていた訳でもないので、適当に店を見て回る。木彫りの動物の置物が目に留まり、色々な種類の動物モチーフのものを買った。
買い物も終わり、再びカフェに入った。今度はマキアートを注文。エチオピアコーヒーはストレートだと僕には濃いので、ミルク入りを試してみたかったのだ。
想像通り、濃いコーヒーにミルクは合う。砂糖をたっぷりと入れるととてもおいしい飲み物として楽しめる。
十分にゆっくりし、帰路についた。
その帰り道、青年二人組が通りすがりに挨拶してきた。何の気なしに返事して通り過ぎると、後ろからSーさんの怒号が聞こえてきた。びっくりして振り返ると、すれ違った青年の一人に対してSーさんが怒ったようだ。
青年たちは去り、Sーさんに何があったのか聞くと、一人が爪を立ててSーさんの腕を強く掴んできたらしい。それにしてもあっさりと去って行ったのが不思議だ。
電車は帰り道も混んでいた。買ったキリンの人形が壊れないように高い位置に持ち上げる。
降りるときは大きな声で降りることをアピールし、なんとか降りることができた。
Sーさんが不安そうな顔で鞄を確認している。日焼け止めクリームは鞄の中で圧迫され爆発していた。それだけならまだしも、スマホがなくなっていた。
記憶が曖昧ではあるが、今日はスマホをポケットに入れていたらしい。そして、電車に乗る直前、スマホがポケットにないことに気が付いたそうだ。そして鞄を確認してもない。
つまり、電車に乗る前にポケットから盗られた可能性が高いということだ。そして最後に行ったカフェでSーさんがスマホを使っていたことを覚えている。
チャンスがあったとすれば、道端で青年たちが突然Sーさんの腕を掴んできた時。一人が腕を掴んで気を逸らし、もう一人がスリをしたのではないか。
日が暮れそうなので、ひとまず宿に戻り、宿のオーナーに事情を説明した。恐らくその二人が怪しいだろうとのこと。今日はもう遅いので、明日、警察に行くことになった。
なんて国だ、エチオピア。
せんまさお
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