午前2時半、事前に手配していたトゥクトゥクに乗り、バスターミナルへ移動。夜間の移動は不安があった。
キルギスの旅を共にしたHロさんはエチオピアで午前2時ごろ、道端で突然首を絞められたらしい。そういうことがある国なのだ。
バスターミナルに到着したはいいものの、まだバスが来ていない。ここでバスを待つのは治安的に不安すぎる。
その気持ちが伝わったのか、トゥクトゥクのドライバーは、バスが到着するまでトゥクトゥクの中で待っていなさいと言ってくれた。非常にありがたい。
顔を見られると狙われるリスクがあるので、バックパックで顔を隠してバスを待つ。
3時少し前、予約していたGolden Busが到着した。会社名の通り金色のバスだ。
出発して約30分後、突然隣の女性が嘔吐した。一応ビニール袋の中に吐いてはいたが、匂いが立ち込めてくる。
一度や二度でなく、何回も嘔吐を繰り返している。その内、吐くものもなくなったのか、体がけいれんし始めた。酔い止めの薬を持ってはいたが、見ず知らずの、しかも外国人から薬をもらっても逆に不安な気がして、何もしてあげることができなかった。その内、二人となりの女性も嘔吐し、その前の席の女性も嘔吐した。
普段全く車酔いしない僕まで気分が悪くなってきた。イヤホンを着け、目を閉じて意識しないようにしたが、寝不足も相まって気分が悪いような気がしてきた。
なんとか寝付いたが、日が昇ったころに起きても、やはり隣の女性は嘔吐を繰り返していた。
トイレ休憩で停車する。しかしトイレはそこになく、乗客の男性は山へ、女性は茂みへ行き用を足す。いくら水を飲んでも尿は濃い。アフリカの恐ろしさだ。
席に戻ると、バスのスタッフのおじさんが木の枝を持って帰ってきた。呑気なもんだな、と思っていると、その枝から葉っぱを取り、車酔いしている人に渡していた。どうやらいい匂いがする葉っぱらしく、車酔いにいい効果があるようだ。誤解して申し訳ない。
アディスアベバに到着。先を行く旅人のHロキ君から聞いていたおすすめの安宿へ向かいたいが、結構離れているようなのでタクシーで行くことにした。かなり揉めた結果、250ブル(825円程度)の運賃は100ブル(330円程度)まで値下がりした。きっとこれでも高い。
韓国レストランがあることを知り、無性に韓国料理を食べたくなった。Sーさんと何を食べようか、と話していたら日が暮れた。治安に不安があるので行くことを諦めた。残念。
近くのレストランに入り、よくわからないメニューを注文する。全く何か分からないまま待っていると電気が消えた。ハッピーバースデーサプライズでもなさそうなので、これは停電だ。
スタッフがロウソクに火を灯し、淡々と料理を続ける。
料理が完成したころ、電気が復活した。
出てきたのはナッツっぽい味のペーストに野菜とソースが乗ったものを温めたやつとパン。見た目も味もナイス。
腹いっぱいで宿に戻り、シャワーを浴びようとしたが、停電でお湯が出ない。スマホのライトで照らし、水シャワーを浴びた。アディスアベバの標高は2,355m。世界で3番目に標高の高い都市だ。アフリカと言えども夜になると冷え込む。
震えながら3日ぶりのシャワーを浴びた。
せんまさお
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