恐る恐る街へ出ると、ようやく人々のテンションは平静通りに戻っていた。ウザ絡みもされない。
城壁跡やモスクなど、いくつか街を観光し、何かお土産的なものがないかとバザールへ向かう。
もう祭は終わったもんだと思っていたけど、まだ旗を振りながら行進している。
通れないので迂回するが、バザールは迷路のように入り組んでおり、もうどこに自分がいるのか分からない。
いい匂いがしてきた。匂いの方向へ向かうと、ミンチ肉とみじん切りのタマネギ、トマト、ホルモンを炒めている店があった。
小腹が空いていたので持ち帰りで注文。薄いナンに包んでくれた。50,000リアル(50円程度)。
イランも終盤だが、イランのお金と数字について説明したい。
イランの通貨はリアルだが、トマンという単位もある。
1トマン=10リアルであり、街では大抵がトマンで表記されている。しかしお札はリアル表記なので、頭の中で一回えーっとと計算するのだが、桁が大きいからたまになんだっけとなる。
そこで思いついた。トマンは万なのだ。例えば150,000リアルは15,000トマンだが、英語だとフィフティーンサウザンドトマンなので、サウザンドトマン=万と考えれば15万リアルでリアルに変換できる。桁1つ違うだけだから別に何にも難しくないんだけどね。
そしてイランの数字はペルシャ数字だ。物の値段も車のナンバープレートもペルシャ数字だ。これを覚えないことには買い物するときに困る。
そこで覚えることにしたのだが、30秒で覚えられた。いかが僕流の覚え方だ。
《ペルシャ数字の覚え方》
0:۰ 0の真ん中を塗り潰したら●になる。
1:۱ 1に似ている。
2:۲ 2を右に90度回転させた形
3:۳ 3を右に90度回転させた形が隠されている。
4:۴ 2.3っぽいけど何か違うやつ。漢数字みたいに4から急に難易度が上がる法則通り。
5:۵ ファイブリブリのお尻の形。
6:۶ 6と9は似てる法則で9ではないから6。
7:۷ 7もVも縁起が良い。ビクトリー。
8:۸ 7の上下逆さま。7の次は8。
9:۹ 9に似ている。
車が通るたびにナンバープレートを読んでいたら完璧に頭に定着した。
覚えていると、全く読めないペルシャ語の中から数字だけは読めるようになるので、バスチケットの中から時間や座席番号なんかが読めるようになる。絶対に最初に覚えておいた方がいい。
バザールで手頃な小さいカーペットというかランチョンマットより小さい絨毯を買った。上に花瓶でも置いたら丁度良さそう。
「サムライ、ハロー、バイバイ」
店員さんにバイバイし、今日もチンチャンチョン狩りをしながら宿へ戻る。荷物をまとめ、バスターミナルへ向かった。次に向かう国はアルメニアだ。
「イランはいい国」と旅人が言う意味が分かったが、よくない面も見えたのは無駄に滞在していたおかげだ。少し急ぎ足の旅だが、やっぱりゆっくり過ごさないことには見えないこともある。
悪い面の話ばかり後半はしていたから、なんとなく後味悪く思えたかもしれないが、それでもなんかいい国だったなというイメージが残っている。それはイスファハーンで良い出会いがあったからなのか、それとも日本びいきな人々のおかげなのか。
残り少ないリアルをガムに変え、バスを待つこと1時間。バスがやってきた。夜行バス、嫌だなぁ。いくら快適なバスとはいえ、本当に苦手だ。頭がデカイからか、車で寝ると首が自分では動かせないくらいめちゃくちゃ痛くなる。
今日のバスは飛行機みたいに座席に画面が付いている。僕は自分のスマホであいのりを見るから別に必要ないけどなんか得した気分。
夜9時頃に途中休憩。夕飯の時間のようで、鍵を閉めるからみんな降りろとのこと。僕はお腹が空いていなかったので食べないが、とりあえず降りた。
すると何かドライバーが乗客と揉めている。暇だったので見に行ってみると、中国人グループが寒いからと下車拒否をしていて鍵が閉めれないらしい。ノーと連呼している。
友達を連れて降りてくれと言われるが別に知り合いではない。たぶん同じグループだと思っているんだろう。ドライバーはかわいそうだけど僕にできることはない。
出たはいいが、暇なのでタバコを吸っているとアルメニア人のおじさんが話しかけてきた。
「アルメニアは酒と女。ヒッヒッヒ。」
そうなのだ、アルメニアはキリスト教の国でお酒オッケーで、あとなんか美女が多い国らしい。酒は飲めないから関係ないけど、そうか美女が多いっていうのは噂通りなんだ。
30分ほど外で過ごし、再び出発。国境まで寝ることにする。外もそうだがバスの中も相当に冷え込んできていた。
せんまさお
最新記事 by せんまさお (全て見る)
- 【世界一周#402】今日は2つ星ホテルです - 2024年9月13日
- 【世界一周#401】海賊に狙われた街 - 2024年9月12日
- 【世界一周#401】海賊に狙われた街 - 2024年9月12日
コメントを残す