蘭州に来たのは別に蘭州ラーメンが食べたかったからではなくて、次に行く街は成都から直接向かうには遠すぎたからだ。
次の街へは夜行電車なので時間がまだある。なんとなく地図を眺めていると黄河があった。黄河ってこんなところにあったんだ。
とりあえず行ってみると、確かに河が黄色い。というか茶色なのかな。とにかく濁りに濁っている。
ついでに黄河にかけた橋の第一号があった。その先の山の頂上には仏塔が建っている。なんとなく登るが結構辛い。なんで旅って山ばっかり登るんだろう。
頂上から街を眺めていると、黄河に沿ってモスクがいくつか見えた。シルクロード感があるなぁ。徐々に文化のグラデーションに突入してきているようだ。
もしかすると博物館にはシルクロードで運ばれてきたようなものが残っているかも、と、またもやレンタサイクルで向かう。同年代はちょっといい車なんかを乗り回していることを考えるとちょっと恥ずかしい。
博物館に向かう前に蘭州ラーメンの老店と言われる老舗を見つけた。「清真」と看板に書いてある。中国語でイスラムと意味だが、なるほど、蘭州ラーメンは牛肉麺だ。つまりハラルフード(イスラム教の人が食べられる食事みたいなやつ)だ。
食券を7元(112円程度)で買う。長蛇すぎる列に並ぶが、ラーメンなので回転は速い。あっという間に列は進んだが、ちょうど僕の2人前で麺を茹でる窯の水の入れ替え。逆に旨いラーメンが食べられるのだからいくらでも待てる。
厨房でイスラム教徒の格好をしたおじさんが麺をビヨビヨ伸ばしている。かっこいい。
伸ばした麺を沸騰したお湯に投げ入れる。1分も経たない内に引き揚げ、大根やネギが入ったスープにぶち込む。最後にラー油みたいなのをたっぷりかけて完成。
そして自分でテーブルまで持っていく。なんか丸亀製麺を思い出す。
ズルズル。うまい。ラー油はそんなに辛くない。煮込みまくってトロトロの大根がたまらん。昼間は暑いのでラーメンの熱で更に汗をかく。さすが老店、今までで一番うまい。
店を出てペットボトルの水をがぶ飲みする。ここまでがワンセット。
たまたま地下鉄の駅が近くにあったので乗る。博物館の近くまで路線が通っているようだ。こんな地方都市にまで地下鉄があることに驚く。
館内にはシルクロードの説明からかつての交易品まで多数展示されている。更にこの辺りで見つかった恐竜とかの化石まである。お得だ。
シルクロード、なんかロマンあるなぁ。辿れば何か起きる気がする。
宿に戻るとさっさと荷物をかつぎ、夜行列車に乗り込んだ。三段ベッドの中段の予定が、謎のおじさんに頼まれて全く別の車両の下段と変わる。遅くまでやいやい喧しいのでできるだけ上段の方がよかったが、まあいいや。
車掌さんの切符チェックが始まる。なんか中国語で話しかけられるが、分からないことを伝えると、「日本人ですか?」と日本語で聞かれた。はい、と伝えると去って行った。
何で聞いてきたんだろう。ウイグル自治区のある西側に向かえば向かうほど、当局からの監視が厳しくなると聞いているので少し怖い。
次の街は砂漠の中にあるらしい。窓から外を覗くが、だんだんと暗くなり、何も見えなくなってしまった。まだまだシルクロードを辿って進む。
せんまさお
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