日本から45時間にも及ぶフライトを終え、ようやくキューバへ入国できた。
「TAKASHI ONO」と書かれた紙を持った大男が僕を空港で待ってくれていた。
到着した時間が遅かったので、宿に迎えを依頼していたのだが、無事に来てくれていてホッとした。
キューバは変わった国だと旅人からよく聞いていたが、入国でも一悶着あった。
キューバへの入国に際して、最近まではツーリストカードというビザと入国税の間のような謎料金を払わなければ入国できなかったのだが、6月くらいから、E-Visaが開始されており、僕はそれを取得していた。
しかし、大使館から送られて来たのはメールのみ。それらしいPDFは添付されていなかったので、心配になってメールしてみたら「心配なさらないでください」という返事が来た。
とても心配しながら入国審査を受けたら、やはり「これはビザじゃない、キューバのビザを出して」と言われた。
そんなこともあろうかと、大使館とのやりとりのメールも印刷していたので、それも見せたら入国できた。今更入国拒否されたら、たまったもんじゃない。
関西国際空港→ソウル→北京→マドリード→ハバナ(キューバ)という鬼ルートでやってきた。これが激安のチケットで、相場の半分くらいで来れた。
入国して、大男について駐車場へ行く。「ここで待ってて」的なことを言われたので、そこで待っていた。すると、ザ・クラシックカーに乗った大男が、窮屈そうに運転席に座って戻って来た。

「さあ、乗れ」的なことを言われたので、「車めっちゃかっこいいね」と言うと、ちょっと照れた顔をして「早く乗れ」的なことを言われた。
そうなのだ、スペイン語で話されるので、なんかよく分からないのだ。まあ多分合ってるだろう。
クラシックカーの中はオイルの香りが漂っていた。歴史を感じるレトロな内装だが、ところどころアップグレードされており、USBで音楽だって聴ける。大男はラテンな感じの音楽を流し始めた。私は舐められてはいけないと思い音楽に乗って見せたが、大男はそれを無視した。

窓の外を見ると、クラシックカーがたくさん走っている。噂通り、車の輸入が規制されていた(また現在も再び規制されている?)ため、昔の車を直しながら乗っているらしい。
すると、一台のプリウスが我々のクラシックカーを抜かして行った。ふざけるな!
と憤っていると、道の脇には馬車が走っている。かわいい。
その横を電動バイクがすり抜けていく。
クラシックカー、プリウス、馬車、電動バイクが同じ道路を走る唯一の国ではないだろうか。
よく見ると、中国でよく走っている謎の小さい車みたいなやつもいる。まさに私も中国国際航空(エアーチャイナ)で来たが、中国人もたくさんキューバに住んでいるらしい。国家間のつながりも活発なようだ。
街灯のない暗いハイウェイを抜け、市街地のホテルに着いた。街は暗闇。街灯がとにかく少ない。
ホテルにチェックインして部屋に移動する。泊まる建物は別らしい。さっきのクラシックカーの大男にお金を支払い、握手してお別れ。
部屋まで案内してくれるのは、違う大男。さっきの大男の1.2倍くらい大きい。たぶん2m10cmくらいある。
大男2に連れられ、部屋に入る。2日ぶりのシャワーはたまらない。頭皮が喜んでいる。

こうして、約4年ぶりに世界一周を再開した。再開の3週間くらい前から緊張して、ロクに寝られなかったが、始まってみたら案外なんてことない。中南米編のスタート!

せんまさお

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