しまった二度寝した。チェックアウトまで時間がない。とりあえず歯を磨き、荷物をバックパックへ詰め込んだ。
行き先が決まっていない。とりあえず中国に行こうと歩き出した。バスに乗りたいが、マカオの通貨のパタカがない。香港ドルでも乗れるかもしれないが、せっかくなので中国まで歩いてみることにした。
歩き始めて1時間。中国との国境までやってきた。お土産で増えたこともあり、荷物は20kg近いので結構きつい。
マカオの出国はスムーズにいった。相変わらずスタンプはなく、審査官がパスポートを機械にかざすだけだ。僕の顔すら見ているのか定かではない。
中国側のイミグレーションは結構混んでいる。並んでいると、入国カードを取り忘れた欧米人がどこにあるか聞いてきた。かわいそうに、また並び直しだ。
カウンターは、中国人、マカオ人、その他外国人の列に分かれている。外国人の列にもなんとなく中国人っぽい人が並んでいる気がする。というのも、この顔を持ち、この列に並ぶべきなのは、香港人、台湾人、韓国人、モンゴル人、ブータン人、ネパール人、日本人くらいな気がする。
そして、なんとなく中国語っぽいものを話している人が混ざっているような気がするので、香港人と台湾人くらいしか可能性はなさそうだが、こんなにいるか疑っていた。
彼らが持つ何らかの帳面(パスポートのような形をしているが、パスポートではなさそう)を覗き見してみると、やっぱり中国人のようだ。なんで外国人の列に並んでいるんだろう。勘弁してくれよ。審査官もこっちじゃなくてあっちみたいなポーズをしている。
ようやく僕の番になったが、過去のようにすんなり通してくれない。僕の顔をジロジロと見て、過去の渡航先を確認するようにパスポートをペラペラとめくっている。
心配になってきた。あんまり中国を出入りしていると怪しまれるみたいな話を聞いたことがある。怪しまれたところで怪しくはないので問題ないのだが、ややこしい事になるのは勘弁してほしい。
審査官がもう一人やってきた。
なんかヤバイぞと思っていたら、
「左手の指4本を並べて置いてください」
指紋スキャンの機械が機械のくせして人間に日本語で指示してきた。大人しく指を置く。指紋がスキャンされる。日本の公的機関ですら僕の指紋情報は持っていない。
審査官が指でカメラを見ろと指示してくる。顔までスキャンされる。シャッターが切られた瞬間、僕は左下を向いていたが、問題なかったようだ。
審査官は今までに見たことがないほど慎重にスタンプを押す。恐らくだが、新人の審査官だったんだろう。そしてなんらかの疑問があって上司を呼んだんだろう。僕は何一つ質問すら受けておらず、指紋や写真など、手続きとしては中国入国時の一般的なもののみだったからそうなんだろう。きっとそうなんだろう。
宿は国境から歩いて15分くらいのところに確保した。珠海という街だ。かつて真珠が採れた海だから珠海というらしい。今は深セン同様に経済特区に指定されているらしい。漁村だっただろう面影はなく、いわゆる都会のようだ。調べてみると、マカオ資本で発展しているらしい。
人民元を持っていなかったので、支払いを待ってもらい、両替屋に行く。国境付近の地下商店街(アンダーグラウンドマーケット)には恐ろしいほど両替所が並んでいる。どこもレートが変わらず、サービスで水を配っているようだ。なんかもっと良いところはないかと銀行系の両替屋に行ったら少し良いレートだった。

おかげさまで香港ドルが増えていたので、レートを妥協すると結構損するので時間をかけて探したのだ。
人民元を手に入れると一目散で昼飯を食べに行った。朝ごはんを食べていなかったのに加えて、重い荷物を担いでマカオから中国まで歩いてきたのだ。そして宿に着いた頃には時間は午後3時。3時間も20kg担いで歩いていたので空腹でしょうがない。
地下商店街(アンダーグラウンドマーケット)でしこたま昼飯を食べたら、どっと疲れが出た。まだ午後3時半だが、しんどくてしょうがないので宿に帰ってお金を払うとすぐに寝てしまった。ひどい生活だ。
目が覚めると午後7時。しまった寝すぎた。先日、イヤホンがぶっ壊れていたので探しに行った。深センも近いので、安物かつ最先端のイヤホンが手に入ると想定していた。僕はドミトリーで寝るときは睡眠導入兼耳栓としてイヤホンをして寝るので、この巨大な頭と硬い枕に圧迫されて割れてしまったのだ。
案の定、激安Bluetoothイヤホン(かっこいいやつ)を手に入れ、パンを買って帰った。エッグタルトも売っていたので買ったが、マカオの1/3の値段で買える。ちなみに今日の宿は昨日泊まっていたマカオの宿の1/6の値段だ。少し遠いが、歩いて移動できる距離でこの差が生まれるのは衝撃的だ。そしてやっぱり一気に英語が通じなくなった。
明日は珠海から東へ移動したかったのだが、驚くほど電車の予約が取れず、どうやら移動できそうにない。珠海は立ち寄る程度の気持ちだったが、これも縁なので、ゆっくりしても良いかもしれない。
I walked from Macau to China. It took about 3 hours by walk. I was really tired and hungry. After eating lunch, I took a nap. It’s ok because now is spring.

せんまさお

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