ネギ、生姜を油で炒め、油に風味が移ったところで醤油と砂糖で味付け。少し水を加えてのばす。残っていた唐揚げに絡めて、訳のわからん美味しいやつの完成。のりたまふりかけご飯と一緒にお昼ご飯にする。
僕が宿泊しているのはスリーマという街。小さい国ながらも、首都は当然あり、それは入江の反対側にある。歩けば1時間半くらいかかるので、入江を渡る船に乗ろうと考えていた。
首都バレッタ行きの船が出る港に来た。しかし、待てど暮らせど船は来ない。周りの人も待っていたが、しばらくすると去っていった。
何かおかしいなと思ってよく見てみると、小さな看板が出ていた。
《波が高いので一時運休しています》
確かに昨日の夜からやたらと風が強い。宿の屋上は立っていられないほど強い風が吹いていた。
波が高いんじゃしょうがない。機会ではなかったということで別の場所に行こうと心を切り替えた。
入江のど真ん中にマノエル島という小さな島があり、そこへなら橋を渡って行くことができる。
30分ほど歩き、橋を渡ると、ダックビレッジというボロボロの小屋があった。アヒルの小屋らしいが、入江に住むアヒルやその辺の鳩の住処になっているらしい。誰が作ったんだろう。
マノエル城が島の奥にあるようなのでそのまま進んでみた。どうやらマノエル島は船置き場やら工場やらとして使われているようだ。住居やお店なんてものは見当たらない。
マノエル城に着いたので、入ろうとするとスタッフらしき人に呼び止められた。現在工事中で入れないらしい。せっかく来たのに残念。
もう今日は何もするなということだ。それなら、せめて新しいスーパーマーケット開拓でもしようかと思い、目星をつけていた大きなスーパーへ行ってみた。
どうやら留学生御用達のようで、何組かの日本人を見かけた。日本の食材も売っている。
出前一丁、鶏肉、オレンジ、チョコ、マッシュルーム、タコの缶詰、さつま芋?、白菜、ナスを買って帰った。
風が強いので身体がとても冷えた。今夜は鍋。
とにかく野菜と鶏肉を鍋にぶち込んで、こんな時のために持ってきていた鍋キューブで味をつければ完成。うまいぜ!
たらふく食べてシャワーを浴び、イヤホンをつけてアニメを見ながら机で手紙を書いていた。
やたらとサイレンが鳴るアニメだな、と思っていたが、ふと画面を見ると、あまりシーンとサイレンが合っていない気がして違和感がした。イヤホンを外すと宿からサイレンが鳴っていた。
火事かな、と思って、とりあえず携帯とパスポート、財布を持って部屋を出た。
一階まで駆け下りると、スタッフが困り顔で立っている。どうやら誤作動で火災報知器が鳴ったらしい。
部屋はサイレンが煩いので、フロント前の少しは静かなところで日記を書いていたらサイレンは止まった。
しかし、宿で火事が起きたら、安宿なんてベッドもぎゅうぎゅうなところが多いし、建物も古いし、逃げ場も無さそうだし、そもそも火災報知器なんてなさそうだから怖いな。
部屋に戻り、オレンジを剥いた。この間、道端でオレンジを食べているおじさんから爽やかな香りが漂ってきて、どうしても食べたくなっていたのだ。
美味しかった、と寝る準備をして、布団に潜った。あくびをして、涙が溢れてきたので手で拭うと、オレンジの香りがした。
せんまさお
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