「世界一周」に定義はない?
世界一周の旅をする上でまず最初に考えることは、そもそも「世界」とは何かということです。
「世界」を辞書で引いてみると、「地球上のすべての地域・国家」と出てきます。国という単位で考えるなら、日本政府が承認している国だけで195か国(日本を除く)、未承認国を含めれば200か国を超えることになります。
それでは、「世界一周」を達成するためには200程の国の全て訪れる必要があるのでしょうか。
そして、仮に飛行機のトランジットの都合で、一歩でも入国すれば、それは訪れたことになるのでしょうか。
一方で、数か国に寄港するだけのクルーズ船に乗って地球を一周した場合、それは世界一周とは言えないのでしょうか。
飛行機のトランジットを繰り返し、どの国にも入国せずに地球を一周した場合、それを世界一周と言えるのでしょうか。
「世界一周旅行」の航空券を販売する旅行会社では、「世界一周」を「太平洋と大西洋を各々一回のみ渡って出発地に戻ること」と定義しているようです。そう考えれば、理屈上では一か国も訪れる必要はなさそうです。
ここで一歩引いて、一般的なイメージについて考えてみます。「世界一周」の一なんとなくのイメージは、陸路・海路を移動し、地球を一周することかなと思います。
しかし殆どの世界一周には、各国の情勢や、時間的・金銭的な都合で空路をその手段として用います。そしてそのルートはバラバラで、東西南北へ行ったり来たりということもザラにあります。つまり世界一周の手段やルートというものに決まりはないように思います。
また、期間もバラバラで、数時間しか滞在しない国があったり、逆に数か月もの間滞在することもあります。時には一時帰国を挟むことすらあります。すなわち、その国に滞在する期間によって訪れたとするか否かは判断できるものではありません。旅する期間によっても判断はできません。
つまり、一般的には、訪れた国に重きがあるのではなく、「地球をぐるっと一回りしている」かどうかが、「世界一周」のイメージにおいては重要なファクターになっています。
しかし、世界一周旅行者の中には、地球を一回りしていない人も大勢います。それは一体どういうことなのでしょうか。
旅人にとっての世界一周とは
まずはじめに、旅人は旅をする人であり、旅行をする人とは異なることを明言しておきます。これは恐らく旅人にしか実感がないことだと思います。
一つ分かりやすい例を挙げます。旅人は旅をしている最中に、ふと旅行をしたくなる瞬間があります。旅人ではない人が旅行をしたくなるのと同じ感覚です。
これは旅人が明確に旅と旅行の違いを実感している瞬間だと言えます。
旅人は基本的には一人での行動が多く、それは自分の気分の赴くままに行動したいからなのです。もしかすると、旅行をする人の中にも、一人旅行をする人がいるかもしれませんが、その理由が自分の気分の赴くままに行動したいから、というものに近しいのであれば、その人は旅人なのかもしれません。
自分の気分の赴くままに行動し、今行きたい場所へ行く。それが旅人である一つの要件なのだと思います。
その上で、旅人にとっての世界一周について考えます。旅人だからといって、今から200か国の名前と場所を書き出せと言われて書ける人なんて殆どいません。
ではなぜ旅人が聞いたこともないような国を訪れることができるかというと、それは行き着いただけなのです。
きっかけは人から聞いて、というケースが多いように思いますが、場合によっては行きたい場所へ行くために通らなければならなかった、という場合もあります。訪れて初めてその国の存在を知ることも多々あります。
そうこうして移動し続けた結果、地球を一回りしていた、というようなものだと思います。
もちろん、初めから地球をぐるりと回るぞ、という目標を持って旅をスタートする人もいると思います。しかし、旅の本質に触れれば触れるほど、予定している期間や予算の都合などから、その目標のために苦しむ瞬間に直面するのではないかと思います。
結局のところ、旅人にとっての世界一周とは、あっちに行ってみたいな、こっちへ行ってみたいな、にある程度満足するまでの旅する日々なのではないかと思います。少なくとも、全ての国や地域を訪れることでもなければ、地球をぐるりと一周していなければならないというようなものでもなさそうです。
そもそも旅自体が自己満足なのですから、世界一周したかどうかなんて他人にとやかく言われようが、旅人からすれば関係のないことなのです。
旅のルート
ここで僕の世界一周のルートを紹介します。残念ながら新型コロナウイルスの流行により中断状態ではありますが、今のところ訪れた街にピンを立ててみました。
期間は384日間、44か国、少なくとも144の街を訪れました。出会った人の数は数えきれません。
訪れた国ごとに滞在期間をまとめてみました。こう見ると短いものですね。
【国一覧】
※国名をクリックすると各国の記事に飛べます。()内は滞在期間。
1.インド(2018.11.14-2018.12.24)
2.ミャンマー(2019.1.26-2019.2.11)
3.バングラデシュ(2019.2.11-2019.2.20)
4.ネパール(2019.2.20-2019.3.8)
5.中国(2019.3.8-2019.3.22)(2019.3.27)(2019.4.2-2019.4.16)(2019.5.31-2019.6.10)(2019.6.30-2019.7.16)
6.香港(2019.3.22-2019.3.30)
7.マカオ(2019.3.25)(2019.3.30-2019.4.2)(2019.4.4)
8.モンゴル(2019.6.10-2019.6.30)
9.カザフスタン(2019.7.16-2019.7.19)(2019.8.17-2019.8.18)
10.キルギス(2019.7.19-8.1)
11.タジキスタン(2019.8.1-2019.8.8)
12.ウズベキスタン※カラカルパクスタン共和国含む(2019.8.8-2019.8.17)
13.アゼルバイジャン(2019.8.18-2019.8.27)
14.イラン(2019.8.27-2019.9.12)
15.アルメニア(2019.9.12-2019.9.16)
16.ジョージア(2019.9.16-2019.10.5)
17.トルコ(2019.10.5-2019.10.21)
18.ギリシャ(2019.10.21-2019.11.3)
19.アルバニア(2019.11.3-2019.11.6)
20.北マケドニア(2019.11.6-2019.11.8)
21.コソボ(2019.11.8-2019.11.10)
22.モンテネグロ(2019.11.10-2019.11.12)
23.クロアチア(2019.11.12-2019.11.14)
24.ボスニア・ヘルツェゴビナ(2019.11.14-2019.11.17)
25.セルビア(2019.11.17-2019.11.19)
26.ハンガリー(2019.11.19-2019.11.21)
27.スロベニア(2019.11.21-2013.11.23)
28.オーストリア(2019.11.23-2019.11.25)
29.スロバキア(2019.11.25-2019.11.26)
30.ポーランド(2019.11.26-2019.11.29)
31.チェコ(2019.11.29-2019.12.1)
32.ドイツ(2019.12.1-2019.12.5)
33.オランダ(2019.12.5-2019.12.7)
34.ベルギー(2019.12.7-2019.12.9)
35.イギリス(2019.12.9-2019.12.12)
36.スペイン(2019.12.12-2019.12.20)(2020.1.17-2020.1.18)
37.ポルトガル(2019.12.20-2019.12.24)
38.モロッコ(2020.1.18-2020.1.28)
39.イタリア(2020.1.28-2020.2.3)
40.バチカン市国(2020.1.31)
41.マルタ(2020.2.3-2020.2.10)
42.エジプト(2020.2.10-2020.2.26)
43.スーダン(2020.2.26-2020.3.4)
44.エチオピア(2020.3.4-2020.3.10)
実は世界一周していた?
世界一周のルートにピンを立てていたとき、ふと思いつきで、ついでに世界一周より前の旅で訪れたことがあるところにもピンを立ててみました。(青いピン)
そして驚きの事実に気が付きました。
今まで辿ってきたルートは、まるで地球を一回りしたかのような線を描いていたのです。
初めて海外を訪れたのが19歳の時でしたから、現在29歳になるまでの10年間をかけて一般的なイメージの世界一周”っぽい”ルートを旅していたのです。
もしかしたら一般的な世界一周は終えてしまったのかもしれませんが、まだまだ「あっちに行ってみたいな、こっちへ行ってみたいな」が残っていることだけは確かです。次はいつ出発できるんでしょうか。もう30歳を迎えそうなのに。
せんまさお
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