友達からよく「国境ってどうやって越えるの?」と聞かれます。
普通の旅行であれば、飛行機で目的地の国へひとっ飛びして帰るだけですが、長期の旅では複数の国を訪れることがほとんどなので、陸路で国境をまたぐことが度々あります。
なんとなく、「ここまではA国、ここからはB国」のような印があって、それを越えるのかな?みたいなイメージはあるかと思いますが、じゃあ国境には壁があるの?手荷物検査は?パスポートはどうするの?といった疑問が残る方もいるかと思います。
今回は、陸路での国境越えの実態をご紹介します。
もくじ
国境とは
国境は「自然的国境」、「人為的国境」に分かれます。言葉の通り、自然的国境は山脈や河などを国境としています。人為的国境は人が「ここを境にする」と何も印がないところへ定めた国境です。主に、民族や道路、緯度経度などで区切ったもののイメージです。
日本は島国なので、自然的国境の海の上に国境があります。そのため、日本で国境を意識することは基本的にはないと思いますが、陸続きの国がある国では、視界に入る山が隣の国に属しているというようなことがあります。
国と国を行き来する場合は、国境検問所を通る必要がありますが、国境の全ての場所に柵や壁といったものがある訳ではなく、基本的には国をまたぐ道路の周囲にのみ設置されています。もちろん、国境検問所を避ければ自由に行き来(密入出国)できてしまう訳ですが、そうさせないために、国境警察(軍)が見張っているというようなイメージです。
陸路国境越えと空路の違い
日本から出国する場合は、殆どの人が飛行機で目的地の国の空港まで空路で移動します。そのため、空港で出向手続きをし、空港で入国手続きをします。しかし、実際の国境は空港からはるか遠くに存在します。
陸路で国境を越える場合は、まさに国と国の境に行き、出入国を行います。そのため、より国境を意識する瞬間があります。
徒歩の場合
近くの街から国境へ向かう
国境に街がある場合を除き、殆どは道路の途中に国境検問所があります。そのため、国境検問所まで行くバスかタクシーに乗り国境へ向かいます。
国境付近には簡易な商店や両替屋がある場合があります。両替屋がなくても、国境付近にある商店ではお願いすると両替してくれたり、国境付近にたむろしている両替商が両替に応じてくれる場合があります。両替商の場合は、基本的に向こうから声をかけてきます。国境を越える前と後でレートが異なるので、どちらが良いレートか事前に確認しておくと良いでしょう。
出国手続き
国境検問所に歩いて入ります。
①まず荷物検査がありますが、ない場合もあります。出国時の荷物チェックは省かれるケースが多いように感じました。
②税金の申告がある場合は税関に申告します。免税店で買ったものがある場合は手続きを行います。申告する者がない場合はスルーします。
出国審査
出国審査を受けます。パスポートと、必要がある場合は出国カードを添えて提出します。その他、国によっては宿泊証明書等が必要な場合がありますので、事前に用意しておきましょう。パスポートが返却されたら、押印を確認します。たまに忘れられることがあります。忘れられていると入国できません。
国境越え
いよいよ国境越えです。国境が明確に線で印されている場合もありますが、基本的にはただ道があるだけです。河を国境とする自然的国境の場合は、河に架かる橋を渡ります。場合によっては未舗装の道があるだけのところすらあります。
免税店がある場合は、このエリアにあります。すでに出国手続きをしているので、このエリアにいる間は、どこの国にもいないことになります。一度このエリアで野菜を作っている人を見かけましたが、どのようにここに入りどのような権利があって農業を営んでいるのか不明です。少なくともここで野菜を買えば免税なんでしょう。
入国審査
国境を越えると、ついに入国です。まずは入国審査を受けます。パスポートと、必要に応じてビザや入国カードを提出します。空港での入国に比べて入国審査は比較的厳しく、入国の目的や滞在予定期間などを聞かれることが多かったイメージです。パスポートが返却されたら、押印を確認します。たまに忘れられることがあります。忘れられていると密入国扱いになります。
入国手続き
①税金の申告がある場合は申告を行います。基本的に税関に関係するものはタバコかお酒くらいだと思いますので、事前に免税範囲を確認しておきましょう。
②荷物検査がありますが、ない場合もあります。抜き打ちで検査をする国が多かったイメージです。僕は変なものを持ち込まないので問題はありませんが、持っている薬について質問を受けたことが何度かありました。説明すれば済む話ですが、「ボラギノール」について聞かれた時は「お尻の薬」と曖昧に答えていました。処方薬を持って行く場合は、医師に英文説明書を発行してもらっておいた方がいいらしいです。
国境から近くの街へ向かう
国境検問所から出ると、そこに街がある場合は安心なのですが、もし街がなくただの道路であれば、タクシーやバスで近くの街まで移動する必要があります。事前に両替していない場合は、国境付近の両替屋か商店、両替商に両替してもらう必要があります。
相場が分からない状態なので、ぼったくられる可能性が高い場所でもあります。そして近くの街がどこなのか分からないことがあります。とりあえず何人か客引きに話を聞く方がいいです。そして、ぼったくられているという前提で値引きを交渉するべきです。20ドルから最終的に3ドルにまで値下がりしたこともあります。
電車の場合
電車の場合、国境に最も近い駅で出国手続きをする場合がありますが、国境に国境検問所を設けて停車させて入出国審査を行う場合もあります。もしくは、国境付近の線路上に電車を停車させて、審査官が乗り込んで審査を行う場合もあります。直行列車の場合は、空港のように乗車駅で出国審査を行い、降車駅で入国審査を行うこともあります。
電車内で審査を行う場合は、ポータブル端末のパスポート読み取り機を持ってきて処理したり、荷物検査用のX線スキャナを持ち込めないため、開封して確認したりします。
バスの場合
都市と都市を結ぶ国際バスの場合、バスで国境まで行き、出国審査を受けた後に再度乗車、入国審査を受けて再度乗車して目的地に向かいます。電車同様にバスの中で審査を行うこともあります。
また、車両の越境手続に時間がかかることから、出国側と入国側で別のバスに乗ることもあります。その場合、国境での降車時に、乗車するバスの特徴やらナンバーやらを教えてもらいます。
シェンゲン協定実施国間
シェンゲン協定実施国間の国境では出入国にかかる手続き全般が省略されています。入国審査も出国審査もないので、パスポートに印すら押されません。国境を素通りするので、バスで移動していると、寝ている間に国境を越えています。荷物チェックも税関のチェックもありません。
治安
実は国境付近は治安が悪いです。全てとは言いませんが、密入国したテロリストが潜んでいたり、紛争地であったりと、危険な場合があります。外務省の危険情報を確認し、危険である場合は空路で越えた方がいいです。無駄にリスクを冒す必要はありません。安全第一です。
実はそんなに違わない
空路と陸路で雰囲気に違いこそありますが、手続きは一緒です。「空港より甘い荷物チェック」と「空港より厳しい審査」があるだけです。初めて歩いて国境を越えた時は感動したことを覚えています。その国境がどこだったか忘れてしまいましたが、ご丁寧に国境に線が引いてありました。
僕の好きな「あいのり」という旅する恋愛観察バラエティー番組には、ジャンプして国境を越えるシーンがあり、小さい頃から見ていた自分としては、「ついに!」の瞬間でした。
陸路の国境検問所は、空港よりもローカルな雰囲気があり、審査が終われば審査官もフレンドリーに接してくれます。「welcome!」なんて歓迎された日には、早速その国が好きになります。
さあ、国境へ行ってみましょう!
せんまさお
最新記事 by せんまさお (全て見る)
- 【世界一周#402】今日は2つ星ホテルです - 2024年9月13日
- 【世界一周#401】海賊に狙われた街 - 2024年9月12日
- 【世界一周#401】海賊に狙われた街 - 2024年9月12日
コメントを残す