まず初めに、この記事では詳細な情報は話しません。
犯罪の内容はもちろん、出会った国も話しません。
これは犯罪者を保護するためでなく、単に僕が犯人を裁く立場にないからです。
出会い
とある国の宿に到着し、チェックインしようとしたのですが、スタッフが不在だったため、戻ってくるのをフロントの前で待っていました。
すると一人の方が声をかけてくださり、その方の部屋に一旦荷物を置かせて頂けるということになりました。その方を以下Aさんとします。
荷物を安全に保管できるのなら、スタッフが戻ってくるまで外出できるので、ありがたい申し出でした。
人柄
Aさんは外国人ですが、日本語が上手で、あっという間に打ち解けました。他にも複数の国の言語を操り、宿中の多国籍な宿泊者たちと楽しそうにコミュニケーションをとっていました。
どうやら才能豊かな方のようで、言語は6つ話すことができ、仕事は5つもしているそうです。年輩の方でしたが、毎日近くの公園でトレーニングをしているようで、見た目は若くさわやかでした。
街で僕を見掛けると遠くからでも笑顔で声をかけてくれ、いろいろと街の気をつけなければならないことを注意してくれました。
これらのことから、僕はAさんの人柄が好きになり、「いい人と出会ったな」と思っていました。
逃亡犯だと知ったきっかけ
数日間同じ宿で過ごし、Aさんに別れを告げて次の国へ向かいました。それから数日後、同じ宿で出会っていた別の方とたまたま再会しました。
再会を喜び話していると、その方が「そういえば知ってましたか?」と話し始めました。
その方がAさんから直接聞いた話だそうです。
Aさんは日本でとある犯罪を犯し、海外へ逃亡している犯人だったのです。日本の警察はAさんが犯人であることを特定していますが、とある事情で日本への引渡しがされていない状態だそうです。
事件の詳細は話せませんが、日本人としては不愉快な犯罪でした。
それから
しかしながら、僕とAさんは連絡先を交換していたため、時々Aさんから連絡も来ていました。そして僕が直接Aさんと接した限りでは、そのような犯罪を犯した人のようには思えませんでした。
事実を知っても信じられないというのが正直な感想なのですが、その事件について検索すると、バッチリとAさんの写真が出てきますから正確な情報なのは確かです。
旅をしているといろんな人と出会いますが、日本からの逃亡犯に出会ったのは初めてだったので、正直かなり驚きました。
安宿は魔境です。少なくとも不法滞在者にはよく会いますし、違法な薬物を使用している人もいます。そういった人とは関わらないように過ごしているのですが、見た目が普通でも裏ではどうか分かりません。
Aさんは現在、その国にいる限りは捕まらない特殊な状況にあります。しかし、Aさんのことをインターネットで検索してみると、Aさんが今後更にとある犯罪を計画しているという国際報道も出ているようです。実際に話したAさんと、犯罪予告を出しているAさんのギャップに苦しみます。
まあ、そんなこともあるという話でした。
せんまさお
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