昨日宿で会った方から勧めて頂いた「白水台」へ日帰りで行ってきた。行きも帰りもバスは一日一本ずつしかないらしいので、遅れないように早めに宿を出た。
白水台は石灰を含んだ水が山から湧き出して、棚田状の大地が形成されている景勝地らしい。自分も写真で見たことがあり、是非とも行ってみたかった場所だ。
香格里拉のバスターミナルでチケットを買って待つ。早く来すぎたので肉まんを7つ食べた。朝から豪快である。
バスの座席前方には白水台の写真が雑に貼ってある。あんまり綺麗じゃない。座席はスヌーピー柄のカバーがつけてある。雰囲気ぶち壊しだ。
山道を進む。標高が高いからか、気はまばらにしか生えていない。その代わりに草原が広がっており、小さな川もいくつか流れている。
ヤクにとってはそれこそ桃源郷(シャングリラ)なのかもしれない。鋭い角を生やした毛むくじゃらのヤクがムシャムシャと草を食べている。
もしヤクに襲われたら僕なんか串刺しにされてすぐに死ぬ。ネパールで知った四足歩行の動物は横腹が弱点という記憶が頭をよぎったが、ヤクの場合は横に回り込んでも首を横に振られたら、やはり串刺しにされてすぐに死ぬ。
毛むくじゃらのヤギもいる。ヤギはなぜか急斜面にへばりついている。特に草も生えていないような岩肌なので意味がわからない。ヤギくらいなら横腹を攻めることができそうだ。
道は舗装されているが、バスは断崖絶壁の道を進んでいく。窓から外を覗くと、タイヤは崖までリンゴ3つ分くらいしかないような場所を走っている。崖の下に落ちている車はないか探してみたがさすがに落ちてはいなかった。(ネパールでは落ちているバスを見た)
そうこうしている内に白水台に着いた。帰りのバスまで2時間程度しかない。大阪は梅田で最速なんじゃないかと自分では思っていた歩行スピードで白水台へ向かう。
入り口じゃなかったようで、警備員に止められた。正しい入り口を見つけ、梅田最速スピードで入る。チケットを先に買う必要があるらしくまた止められた。
チケットを買い、梅田最速スピードで歩くが、白水台は道路から階段で登っていく必要があり、しんどさから岡山平均スピードくらいになる。標高は香格里拉より低いとはいえ、それでも2,380mもある。富士山の吉田ルートでいうところの五合目だ。息が切れてしょうがない。身体もものすごくしんどい。
しかしすでに真っ白な棚田状の大地は見えており、早く見たい気持ちに引っ張られてあっという間に登った。水に含まれる石灰が長い時間をかけて作った美しい棚田状の大地が広がっている。
そこに溜まった水は、青く染まっているように見える。自然界の青は空と海だけじゃなかった。棚田状の大地を穏やかに流れ落ちる水は、滝や川とは違う、柔らかくて優しい水のように感じる。
辺りでは少数民族の方々がバーベキューをしている。踊ったり歌ったりしながら煙を囲んでいる。
急いだ割には白水台はあまり広くなかったのでゆっくりと階段を降りた。急ぎすぎたのでまだバスが来るまで30分ある。小腹が空いたので、屋台で焼き鳥とフランクフルトとフライドチキンとポテトを食べた。昼も豪快である。
トイレを済ませてバスが来るらしい道端で待つ。それにしても暑い。袖をまくっていたのだが、たった1時間半でクッキリと日焼けの跡がついた。
バスは時間通りに来ない。まあそんなもんだろうと思っていたが、あまりに暑いので影に入ったり出たりしながらバスが来ないか見ていた。
バス停があるなら助かるのだが、なんせ「この辺り」にバスが来るらしいので、ウロウロしながら待っていた。
バスが来るはずの時間を30分程過ぎたころ、手頃な岩を見つけたので岩に座って待つ。岩は木陰になっており、道路も見渡せる位置にあったので助かった。
バスが来るはずの時間を1時間程過ぎた頃、黄色のバスはやって来た。香格里拉行きか確認して乗り込んだが、スヌーピー柄の座席だったので確信が持てた。
帰り道は同じ道だったので、また崖を見たりヤクを見たりしている内に気がつけば香格里拉へ戻ってきた。
香格里拉で一つやり残したことがある。確か中学生の時のことだったと思うが、先生がチベットへ行ったらしく、学校へ「マニ車」というチベット仏教の仏具を持ってきていた。
マニ車は持ち手のついた円筒形の仏具で、中に経文が入っている。円筒部分は回転させることができ、回転させた数だけお経を唱えるのと同じ功徳があるとされている。
「なんて便利なんだ」
と、特に仏教に熱心というわけでもなかったが当時の僕は興味が湧いたのだ。そしていつの日か必ずマニ車を手に入れようと決心したのだ。
せっかく買うならチベットで、と思っていたが、香格里拉もチベットの一部と考えて、街で探してみた。プラスチック製のものならすぐに見つかったが、僕が欲しいのはハンドメイドのマニ車だ。
ようやくハンドメイドのマニ車を見つけたので買った。僕は「なんか便利だから」という理由で初め興味を持っていたが、先日マニ車が欲しいと宿で話していたところ、なぜそんなチートグッズがあるのか中国人が教えてくれた。
今はどうか分からないが、かつてチベットには文字が読めない人も少なくなかったそうで、当然お経も読むことができなかったらしい。そこで作られたのがマニ車とのこと。あとチベット仏教の寺院でよく見るカラフルな旗も同じで、旗にはお経が書いてある。その旗が風ではためく度にお経を唱えるのと同じ功徳があるそうな。
ただの便利グッズではなく、ちゃんと経緯があって生み出されたものだったらしい。興味を持っていてよかった。知らないままになるところだった。
マニ車を買った足でそのまま香格里拉县独克宗古城へ行った。すでに辺りは暗くなっており、城はライトアップされている。
城内、というか今は寺になっているので境内には金色の超巨大マニ車があった。3人の男が回そうとしているが、到底力が足りないようだ。
掛け声を合わせて力一杯回そうとしているのを見て、周りの人も加勢し始めた。僕も加わって10人以上集まってようやく超巨大マニ車は動き始めた。
日の沈んだばかりの深い青の空の中、黄金のマニ車が嬉しそうに輝いている。どんどん加速するマニ車に歓声が上がる。そう、ここは桃源郷だ。
I visited to Baishuitai today. It was made by natural limewater. It was so beautiful. After leaving, I bought Mani wheel that is one of buddhism tool in Tibet. I really enjoyed traveling in Shangri-la!!!
せんまさお
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