【世界一周#207】シェキハーン宮殿とサンドイッチと猫とお猿さん

朝起きてコーヒーと昨日買った甘々のチュロスを食べる。スーパーで量り売りされており、10cmくらいの長さだったので3本買おうとトレーに乗せると、謎のおじさんにもう2本勝手に追加された。計量係のおじさんだった…

中庭で食べていると日陰なのに暑い。どうも宿を出る気になれず、ベッドでゴロゴロしていると、朝から観光に出かけていたらしい日本人が帰ってきた。

しばらく話し、彼はこれからジョージアに向かう、とバスターミナルへ。一緒にターミナルで昼飯を食べることに。

彼がチケットを買った後、近くで店を探す。一人のおじさんが客引きしていたので付いていく。

「俺は小さい頃、空手を習っていたんだ」

アゼルバイジャンは親日国らしい。大統領が日本を訪れた際に、日本のテクノロジーやおもてなしの心に感銘を受け、日本を友好の最優先国に決めたからだそうだ。

そのため、子供は小さい頃から空手や柔道を習ったり、大学も日本語教育に力を入れたりするようになったそうだ。

ちなみに、日本に留学していたという学生にバクーで声をかけられたことがある。アゼルバイジャン人が日本に留学に来ていたとは知らなかった。

おじさんのオススメされるがまま注文したのは、クレープみたいな生地に肉が挟まっているものと、バラのジュース。

クレープみたいな方は大して美味しくないけど、不味くもない無難な味。強いて言うなら小麦粉の味がする。バラのジュースはトイレの芳香剤を飲んでいるような気持ちになる。トータル4マナト(272円程度)。

日本人をバスまで見送り、僕はようやく街の散策。

この街はシルクロードの途中の街として栄え、キャラバン隊の宿が今もなお残っている。更に宿として未だに営業中らしい。見学できるらしいので、少しお邪魔させてもらった。

昔から残っているとはいえ、補修されているので綺麗な作りをしている。僕と同じように見学に来た観光客もチラホラどころかガッツリと居る。

歴史のある宿、泊まってみたいけど少し高いので見るだけにしておく。

シェキのかつての王様が住んでいたというシェキハーン宮殿へ向かう。キツイ坂道を登っていく。道路脇には雰囲気のある土産物屋が並んでいるが、ふと気がついた。どれもこれも中国で見たことあるやつだ。

伊達に長く中国の観光地を巡っていただけではない。お土産物屋も冷やかしでよく見ていたのだが、メイドインチャイナはここアゼルバイジャンでも大活躍しているようだ。

というか、世界各国のお土産を中国で作り、それの横流しか何か分からないが、中国でもそれを買うことができる。つまり、中国に行けば世界各国のお土産を買うことができる疑惑が生まれた。特にアクセサリーなんかは確実に中国で世界各地のデザインのものを買うことができる。

シェキハーン宮殿に着いた。チケット売り場で学生かどうか聞かれる。東アジア人は童顔なので老け顔の僕でさえ学生に見てもらえる。少し嬉しいが、結局学生証明書がないので割引は効かない。

チケットを見せて宮殿内部に入ろうとするが、スタッフに止められる。あと10分待ってと言われたので、人数が多いから入場制限かなと思い外をブラブラ。5分後、様子を見に戻ってみると、入っていいと言う。10分じゃないじゃん。

中に入ると原因がわかった。高齢の欧米人男性が気絶している。暑さのせいでそうなったのだろう、仲間に扇がれている。残念なことに愛用のハンディ扇風機を宿においてきてしまった。何もできることがないので、僕は観光することにした。

ステンドグラスが美しい宮殿だが、宮殿というには少し貧相にも思える。そして何の気なしにステンドグラスをデコピンしてみたが、これは恐らくガラスではなくアクリル板にカラーフィルムを貼っているだけだ。

一応世界遺産らしいが、歴史を考慮して選ばれたんだろう。このモノだけではとてもそうは見えない。モノだけなら日本の田舎の寺の方が素晴らしい。

しかも内部の写真NGなので入念に記憶に焼き付けるように眺めた。

気絶している男性はスタッフに運ばれようとしていた。無事であることを願う。

シェキハーンの家が近くにあるらしく、そこへも向かった。住宅街の中にあるようで、路地を進む。地域住民が物珍しげにジロジロ見てくる。中央アジア諸国と違い、声をかけられないので不快といえば不快だ。

シェキハーンの家に着いた。入場料を払い、外観の写真を撮っていると、「何してるの、あのスタッフに着いて行って」と急かされる。

写真を撮ってる、と伝えると、ああなるほどね、と分かってもらえたが、カメラを構えているのに、写真を撮っている以外に何をしていると思ったんだろう。

内部はこれまた簡素な作りだ。相変わらずステンドグラスがあるが、きっとフェイクだろう。床はなぜかフローリングに張り替えられている。

3分もかからずに見終わった。なんだかアッサリした観光地だ。まあそりゃそうか、ただの家だし。

帰り道、パンとチーズ、ソーセージを買って帰った。外食が高いしおいしくないので、サンドイッチを作るためだ。

アリだらけのキッチンで料理。ソーセージとチーズを焼いてパンに挟む。マヨネーズとケチャップをかけて完成だ。きっと目玉焼きとオニギリの次に簡単な料理な気がする。

僕は料理が好きだが、切るのが好きなだけなので、味付けは非常に下手くそだ。サンドイッチくらいが無難にうまい。

中庭で食べていると猫が来た。僕の餌を狙ってニャーニャー鳴いている。あざとい。しかしかわいい。

夜も更けたので寝ようとするが、大騒ぎグループがいる。中庭で上裸で酒を煽っている。フォーみたいな無意味な叫び声と、走り回る音が宿中に響き渡る。

スタッフに注意されたのか、隣の部屋の中に移動したが、今度はドスドス、フォーとうるさい。恐らく二段ベッドから飛び降りて遊んでいるんだろう、ドスンドスンうるさい。

深夜2時。スタッフに再度注意される声が聞こえる。一瞬静かになったが、騒音は4時ごろまで続いた。まるでお猿さんだ。

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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