「5時には出発する。」
そう言っていたトビーは8:30現在、まだゲルで寝ている。
朝食はトーストとりんごの焼き菓子、ミルクティー。ヤクバターとジャムを半分ずつ塗って食べる。パサパサのトーストにも慣れてきた。なんせ持つと崩れるんだからバターを塗るのにも苦労する。
「明日は10時に出発する。」
そう聞いていたので糞真面目な僕は9:45までには準備を完了していた。
今日もヤクの乳絞りと子ヤク捕獲を終えていたのでそれなりにもう疲れている。
ガイドのおっちゃん、パタさんが来たのは11時。
「荷物が多い」(意訳)
言葉が通じないので分からないが、確実に僕たちの荷物が多いと言っている。Aラさんとぶつくさ言いながら荷物を大急ぎで選別する。僕の荷物はAラさんのカバンに詰め、僕のバックパックはヤクの乳絞りをしているおばちゃんに預けることになった。そしてこのおばちゃんの旦那がパタさん、つまりガイドであることが分かった。
荷物を詰め終わるとパタさんの妻、チャトラさんがヨーグルトでも食べて行きなさいと茶碗いっぱいのヤクヨーグルトをくれた。ようやく人間関係が少しだけ分かった。
ヨーグルトを食べ終わった頃にはもうすぐ12時。馬に乗り出発する。
しかし僕の馬は遅い。他の馬から遅れては小走りの繰り返し。この小走りが結構堪える。歩いているときはリズムを合わせれば身体へのダメージは殆どないが、小走りは初心者の僕がどう足掻いたところで身体がシェイクされるのだ。軽く立ち上がることで振動を抑えることができるが膝が結構疲れる。
僕の馬はとにかく遅いのでチョウチョウ言って進むように指示するが歩くと遅いので結局遅れをとる。見兼ねたガイドのパタさんが、とりあえず僕の馬の縄を持って進むことに。
しばらく進んでいると突然何かが風に乗って飛んできた。馬たちがビックリして一斉に暴れ始める。僕は鐙から足が外れてしまった。突然のことで焦ったが、馬はとにかく敏感というか神経質なようだ。
14時過ぎに川沿いで昼食。パタさんがゲルから持ってきた羊肉のフライドヌードル。そして飲み物はまさかとは思っていたが、川の水を使ったコーヒー。なんとなくペットボトルの水を持ってくるのかと思っていたが、荷物を乗せる馬に、3人分の水を乗せているとも思えなかったので納得。沸騰させてあるから寄生虫も大丈夫だろう。
食べ終わるとパタさんは寝てしまった。僕も眠たかったので川沿いで昼寝。寝ていると大量のハエがたかってくるので音が気になる。
しばらく寝て再出発。午後はロープで引っ張ってもらうのをやめ、なんとか着いて行く。お尻と内腿が痛い。
平坦な草原に出たところでパタさんが加速し始めた。それに合わせて僕の馬も加速する。そしてついにあのパカラッパカラッというリズムで走り始めた。まるで宙を飛んでいるかのように軽々としている。少し疲れるがお尻も膝も痛くない。これは大層気分が良い。
ポロポロと雨が降ってきたところで本日の宿泊場所に着いた。今日もゲルに泊まるらしい。
夕食後にゲルの中でサッカーボールを見つけたのでAラさんと外で遊んでいると、近くのゲルに住んでいる子供達がやってきた。まだ5歳くらいだろうか。最初のゲルもそうだったが、ちゃんと子供がいることに驚く。一緒にボールを蹴って遊んでいると、お母さんが子供達のところにやってきて怒りながら連れて行った。
服が汚れるからか、もう遅いからか分からないが子供達は怒られながら帰っていったので僕たちも寝ることにした。
せんまさお
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