【世界一周#323】世界の果て

サンティアゴ・デ・コンポステーラのバスターミナルへ向かう。寝坊して、乗ろうとしていたバスは諦めたが、1時間後にバスがあることは知っていた。

今日は今週唯一の晴れらしい。大げさなほど運命チックなものを感じる。バスの窓から木漏れ日が差し込み、心が弾む。

3時間後に到着したのは、「世界の果て」を意味するフィステーラという名前の街。かつて地球が平面だと信じられていた時代に、ここが世界の果てだと考えられていた。

お昼過ぎなのにとても静か。海鳥の声が街に響き渡る。

遅いお昼ご飯を食べ、街を散歩。ただ晴れていることがこんなに気持ちいいなんて。

最近都会ばかり行っていたので、久しぶりの田舎町は静かで、ゆっくりとした時間を送れる。

フィニステレ岬という世界の果ての先っぽに向かう。

街から40分ほど歩き、岬の灯台が見えてきた。さらにその先の崖へ。

ヨーロッパに入ってからずっとこの場所のことを考えていた。もしかしたら感動して泣くかもな、とか思っていたけど、涙は流れず、ただただ世界の果ての荒々しさに飲み込まれて座り込んでいた。

大西洋の重く冷たい波が岩肌を何度も叩く。岩は波を砕き、泡のように打ち消してしまう。

強い風が身体に吹き付ける。岩の隙間に隠れ、世界の果ての果てを想像する。心が震える。

日が傾いてきたが、雲に隠れてしまった。太陽でさえもこの先では燃え続けられないのか。

かつての巡礼者が残したホタテガイの殻が、崖に突き刺した流木に紐で括り付けられている。ホタテガイは巡礼者であることの証であり、巡礼のシンボルでもある。

本来、サンティアゴ・デ・コンポステーラで終わるはずの巡礼。もっと向こうを目指した巡礼者の旅もここで本当に終わり。

巡礼を終え、ここに辿り着いた者は生まれ変わるらしい。今までの辛かった道のりは終わり、辿り着いたここから、新しい人生が始まる。

僕にとっての世界の果てに着いた時、何を思うんだろう。旅の先に何が待っているんだろう。

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。