朝っぱらから温泉だ。朝食のトーストを食べたところでガイドのパタさんが温泉でも入ってきなさいと促してくれた。
テント泊は身体が冷えるので嬉しい限りだ。歩いて2分で温泉なんて、うちのテント最高の立地じゃない?
湯から上がると雨が降る前に移動開始。大ちゃん(馬)の後ろ姿も見慣れてきた。耳がかわいいんや。割と器用に動くようで、歩いている最中も右に左にピョコピョコ方向を変えて何かを聞いているようだ。
付け根はホースのように筒になっているけど、先っちょに向かって途中から斜めに切れているようになっている。タピオカドリンク用のストローの先っちょをイメージしたら分かりやすい。
馬によっても耳の動かし方が違うようで、Aラさんの愛馬(松風)は走るたびに耳がプリンプリン揺れている。大ちゃん(馬)は基本的には垂直に立てたままだ。
耳を触ってみると人間の耳と似たような触感で弾力がある。あんまり触ると暴れそうなので機を見計らってこっそり触るのがコツだ。
そんなこんなでガイドのパタさんのゲルに戻ってきた。ここで1日休憩してから、次の目的地、旧首都のカラコルムという街への馬旅が再び始まる予定だ。
昼食の羊肉フライドヌードルを食べ終わると僕はいつも通り昼寝をする。起きるとAラさんがヘトヘトでゲルに戻ってきた。
「子供と遊ぶの変わって」
そう言って眠たそうにベッドに横になった。ゲルの外に出てみると女の子がいる。前にも遊んだ女の子だ。ペンを持っているらしいので、僕のメモ帳を使ってお絵描きすることに。
先に得意のドラえもんを描くと、ピンときていない顔。僕が本気を出せば今にも飛び出してきそうな細木数子を描くことができるが、事態が悪化しそうなのでやめた。
何か描き出したのでじっと見守る。どんな絵を描いても褒めよう。そう思い眺めていると、みるみる抽象画が出来上がってきた。丸を描くのが上手いと褒めておいた。
外に出て追いかけっこが始まる。子供の体力は無限なんだろうか。仮に僕がポケモンならとっくにひんしだ。
女の子も疲れたようでゲルに戻っていく。付いて来いと手招きするのでノコノコ付いていった。日本だと捕まる。
女の子はヨーグルトをパクパク食べ始めた。僕もゲルに戻ろうかと思っていると、角砂糖をくれた。優しい子や。
一緒に僕らのゲルに戻る。Aラさんが昼寝から目覚めた。かなり離れたところにショップがあると聞き、暇なので歩いていくことにした。
女の子も付いてきてしまっている。もう暗くなりかけているし、遠くだから付いてこられちゃ困る。
パパとママが待ってるよ、帰りなよ、と何度も促すがずっと付いてくる。もうしょうがないのでアイスでもあれば買ってあげよう。
しばらく歩いていると、パタさんが日産のエクストレイルに乗ってやってきた。車を持っていたことに驚くし、なんなら良い車乗ってる。
ショップまで乗せて行ってくれるらしい。それなら女の子のことも安心だ。
ショップでコーラとビスケット、タバコを買いパタさんの車でゲルに戻る。
女の子ともバイバイしてゲルで寛いでいると、パタさんがキムチラーメンを持ってやってきた。パタさんの実家なのにインスタント麺なんだ。いつも出番のタイミングが悪いキムチラーメン。
暖炉でラーメンを作って食べ終えると、以前中国人のトビーに連れて行ってもらった少し離れたゲルレストランへ。
やっと分かったのが、このゲルのオーナーはパタさんの息子だということだ。今夜はオーナーも交えてコーヒーを頂く。ちなみに前回もそうだったが、散々寛いだのに無料にしてくれた。
代わりに、荷物運びを手伝った。トラックで運んできた家具やゲルの材料を僕とAラさん、パタさん、その息子のゲルレストランオーナーの4人で運ぶ。
すでに暗闇なのでライトを口に咥えて運ぶ。暖炉にタンスに煙突に羊毛。30分ほどで終えた。なんか分からないけどこれから何か始まりそうでワクワクした。
明日は日程に余裕があるということで丸一日休みということになった。また滝へ行こう。
せんまさお
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