絶好調の目覚め。よく寝て体調は完全回復。原因がやっぱりよく分からない。が、恐らく食あたりで逆算すると朝食があたった気がする。
今日も油ぎったパンケーキが朝食。念のためほんの少しだけ食べる。
今日も雨が降りそうなので9時には出発。道中、残雪を発見。馬ごと滑ると危ないので降りて縄を引っ張る。
Aラさんが残雪の割れ目に半分落ちる。靴が滑りやすいので大変そう。
僕も慎重に進む。他の馬は割とスイスイ進むのに大ちゃん(馬)はビビって割れ目を超えられない。片足を出しては引っ込めて踏ん切りがつかないらしい。
心を鬼にして縄を引っ張る。大ちゃん(馬)は一歩下がったかと思うと、大げさなジャンプをして割れ目を超えてきた。なんだこいつ。
昨日3時間かかると言われていた目的地まで1時間10分で到着。
なんと温泉が湧いているらしい。ガイドのパタさんと温泉を見に行く。木で囲いをしてある温泉がいくつかある。
源泉がいくつかあり、この源泉は飲むと胃に良いとか、心臓に良いとか色々あるらしい。温泉の効能なんて日本だけが言ってるのかと思ってた。
温泉の下流で服を洗い、温泉に入る。ぬるいしヌルヌルの藻や虫が浮いているが、とても気持ちいい。温泉なんていつぶりだろう。肩まで浸かって目を瞑る。
前に日本に住む韓国人が言っていたのだが、韓国人はキムチを噛んでシャキッとした食感を味わった時、日本人で言うところの風呂に浸かってフゥーと息を吐く時と同じような感覚になるらしい。
つまり日本人にとっての風呂はマリオにとってのキノコのようなものなのだ。
連日の乗馬で内腿が内出血している。膝は激しく痛んで耐え難い。お尻の痛みの影は薄れているが確実に痛い。それらを温泉が癒してくれるような気がしてじっくり浸かった。
ここでも下流なら石鹸を使っていいとの事だったので、天然由来成分の石鹸を借りて身体を洗った。身体から石鹸の香りがするだけで文明を感じる。
温泉から上がると昼食。ヤクのモツ入りスープヌードル。Aラさんはモツが苦手らしいので貰う。ヤクは食べ慣れてないのでクセを感じるがそれでも美味しい。
この時点でまだ12時半。何にもやることなんてない。パタさんがモンゴル民謡かなんかを歌い始めた。パタさんの歌は乗馬中も何度か聴いていたが、なかなか渋い。
お前らもなんか歌えと言われる。まさかここでZEEBRAを歌うわけにもいかないのでどうしようか話し合った結果、君が代を歌うことになった。
草原と温泉に響き渡る僕とAラさんの君が代。これが精一杯の日本風の歌なのだ。音痴すぎて逆にハモる現象が起きる。パタさんは絶妙な顔をしていた。
雨が降ってきたのでテントにこもる。今までにないくらい暇だ。僕ら以外誰もいない。もちろん携帯はオフライン。寝たり本を読んだりして夜まで過ごした。
雨が止んだので夕飯。ヤクの缶詰を使ったチャーハン。今までのヤク飯の中でダントツに美味しい。缶詰を器にして頂く。
夕日をみんなで眺める。パタさんも渋い顔して眺めている。旅に出ると夕日を見る機会が増える。日本の都会だとビルに隠れてそもそも見れないけどね。
木のベンチ(脚が片方ない)があったのでAラさんと話し込む。
「自由とは自分の意思を貫き通す能力を持っている状態」
そう語るAラさんは現在カメラマンやらなんやらとしてフリーランスで働いている。この定義に超共感した。元々、自動車工場で働いたりしていたらしいが、やりたい事をやることにしてから現在のような仕事の仕方をしているらしい。
無職の自分がこれから書くような意味ありげなことをどれだけ言っても信憑性がない。というのも、仕事をしっかりしてる人の言葉は説得力がある。なんとか否定したいところだが、少なくとも日本では自由の結果を所得で測られるところがある。
僕だって少なくとも自分自身をそういう目で見てしまっている。そもそも勤労と納税は国民の義務だし、結局人並みにお金を稼いでいない自由人は卑下されてしまう。念のため補足するが、お金を稼いでいれば何でもいいという意味ではない。
世間の目を変えることは難しい。僕はこれからも自由でありたいが、世間からだっていい目で見られながら生きていきたいという欲くらいある。
旅の終わりは見えないけど、日本に戻ってからも自由で、そして胸を張って生きていけるようにする。そしてそうなる未来はもう見えている気になっている。たぶんガチで頭が悪いのかもしれない。
せんまさお
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