【世界一周#269】憧れのヌーディストビーチ

昨日と同じ時間に起きた。どうやら目が覚める気温が自分の中で決まっているようだ。テントの中はあっという間に暑くなる。

朝飯は乾パン。これは本当においしくない。チョコレートクリームをつけて、コーヒーで流し込む。

今日も朝から海に入る。遊ぶというより、身体を洗っている。海水は思ったよりベタつかないのが不思議だ。水が綺麗だからだろうか。

あっという間にお昼が来る。なんでだろうか。そんなに遅く起きている訳でもないのに。

都会と田舎では流れる時間の感覚が違う。できることの範囲が違うから、田舎だと一日一つ二つの用事を済ませられればそれで満足するので、流れる時間が早いと思っている。

それの発展系で、やることが全くないから、ただ過ごすだけで満足して一瞬で時間が過ぎていっているんだろう。

昼飯は玉ねぎパスタにだしの素と醤油、マヨネーズを加えた和風パスタもどき。これはうまい。

お腹が落ち着くまで木陰で休み、隣のビーチまで散歩することにした。

隣のビーチまでは歩いて1時間くらいらしい。まあやることもないのでゆっくり歩いて向かう。

カラカラと乾いた音がする。それも何重にも響いている。

なんの音だろうと周りを見ると、松ぼっくりが風で揺れてぶつかり合って鳴っているようだ。日本の松と異なり、枝が随分と柔らかいので、風で枝がゆらゆらと大きく揺れている。おもしろいなあ。

道路はビーチから大きな道まで繋がっており、大回りして再び海岸沿いまで伸びている。ビーチよりも高い場所を道路が通っているので、上から自分がテントを張っている場所が見える。ビーチも一望できる。本当に海がきれい。

ビーチは一部にしかなく、基本的には海岸は岩場になっているようだ。海を眺めながら歩いていると、車が隣に止まった。

「どこに行くの?乗っていきなよ」

二人組のクルクル天パの男達がボロボロの車に乗っている。これはラッキーと乗せてもらう。

「ボロい車でごめんね」

塗装は剥げ、インテリアの樹脂は溶けてツルツルになっている。でもこの島で使うには十分だろう。気にしようにも人がいない。

この島に住んでいるの?と聞くと、「今トライしてるとこなんだ」とウインクをかましてくる。

あっという間に隣のビーチに着いた。車は速いぜ。このビーチにはミニショップがあるらしく、クルクル天パの男二人はそこに用があったらしい。

お礼を言って僕はビーチへ向かった。なんてことだ、10mくらいの幅しかない。

そのビーチに矢印の看板が立っていたので、どこに向かうのか知らないけど行ってみることにした。

すると突然全裸の男とすれ違った。ヌーディストが多いと聞いていたが、こんなに突然すれ違うとは。

全裸とか当たり前だよね、というフリをして挨拶しておいた。

矢印を辿っていたつもりが、途中で見失ってしまった。

まあ迷ったら引き返せばいいや、と茂みを歩いていると、突然全裸の女性が寝っころがっていた。

僕は焦って茂みに隠れた。いや、こんなところで全裸で寝っ転がっている方が悪いんだから何も隠れる必要なんてない。

僕はチラチラと横目で眺めながら通り過ぎた。

しばらく歩くと、さらに隣のビーチにたどり着いた。

すると全裸の人が沢山いた。で、でたー!!!ヌーディストビーチってやつやー!!!

なんだかドギマギするので、僕は海パンで海に入る。チラチラと遠目に眺めるが、全く恥じる様子なく全裸だ。

こりゃまいった。僕はドギマギが収まらず、大きな流木の下に陣取って寝転んだ。

砂が気持ちいい。柔らかい砂なので、身体に合わせて形が変わる。

寝転んだまま砂を握る。握った砂は手からこぼれ落ちていき、殆ど手の中から無くなってしまう。それが面白くて何度も繰り返す。

こぼれ落ちる砂を身体にかける。なんだか気持ちいい。自分の身体がここにあるという具体的な輪郭が分かるような感覚。29年間生きてきたが、砂が当たってようやく分かった気がした。

気持ち良くなって寝てしまった。起きたら目の前で全裸の女性が犬と遊んでいるのが見えた。どうやら女性は足が悪いらしく、介助犬と一緒らしい。ここまで砂地が続いたので、このビーチまで来るのも大変だっただろう。

日が暮れると街灯がないので、早めにテントへ戻る。今度は道路ではなく、海岸沿いの岩場を通る。

また全裸の夫婦が岩場にいた。もうたぶんこれどこで全裸になっても大丈夫なかんじだな。

戻っている途中で気がついた。来るときは道路を辿ってぐるっと迂回してきたけど、テントが見える高台から道路を無視して岩場を一直線にビーチに戻れば30分は短くなる。試してみると楽に戻れた。そうか、道路は車のための道だったんだ。

夜はコンビーフ炊き込みご飯。臭い飯が炊き上がった。

新しく買った電池を入れたはずの懐中電灯がもう切れた。とんだ安物をつかまされたもんだ!(安いのをくれと注文して買った)

念のために買っておいたキャンドルの出番が早速やってきた。

This is いわゆる candle night.

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。