乾パンを機械的にコーヒーで流し込む。それで十分なエネルギーになる。なんせ動かないからな。
海で身体を洗うけど、石鹸とかは使えないのでだんだん髪の毛がベタついてくる。身体は思ったよりサラサラのままなんだけど、髪の毛はいくら濯いでもベッタリのまま。これは気持ち悪い。
海に入っていると、毎日のように魚が寄ってくる。グレーに青の斑点が入ったような魚で、身体に体当たりしてくるから気持ち悪い。噛む系の魚じゃないよな
昼飯はジョージアで手に入れたAJINOMOTOのラーメンとコンビーフ焼肉。ラーメンは思ったより日本風ではなかった。あとフライ麺だから胃にもたれる。
水を買いに港へ。明日でガヴドス島を後にする予定なので少しだけ。というのも、なんかよく分からないけど、10/30が今年最終の定期船のような掲示が港にしてあったからだ。
念のためにその一本前の明日10/28の便で帰ることにしていた。長く同じ場所に居るのもいいけど、それは自分の性分に合わないし。
今日は有川浩さんの「阪急電車」を読んだ。図書館戦争と同じ作者とは思えない。映画を見た事があったけど、この柔らかい雰囲気が好きだな。何より、日本のしかも住んでいた関西が舞台なので、日本へ帰りたいなという思いがほぼ初めてくらいに湧いた。日本食が恋しいから帰りたいというのは良くあるけど、この本で日本での生活が恋しくなった。
なんか暇が増えたから余計にだけど、ぼーっとしていて考えるのは未来のことと、友達や家族のことばかり。日本に帰ったらあの人にあれをしたいなとか、あの人にこれをプレゼントしたら喜ぶかなとか、あの人僕がいなくても大丈夫かなとか。早く色んな人に会いたい。旅人とも再会したい。
夜は乾パン乗せスープパスタ。乾パンの本領発揮。スープに浸ければうまい。つまりクルトンみたいなかんじ。お前こんな才能あったんや、みたいな友達の意外な一面を見たかんじ。えっ、空手やってたんや、みたいな。
最後の夜、今まで行ったことのなかった夜の海へ行ってみた。波の音はずっと聞こえていたけど、海岸まで来たのは初めて。
昼間と変わらないはずなのに、波の音が恐ろしく感じる。青かったはずの海は深い黒に変わっていた。
近くにいるだけで飲み込まれてしまいそうな恐ろしさ。何か潜んでいるかのような恐ろしさ。その強い波のエネルギーに圧倒されてすぐに後にした。
最後の夜と言っても特別何かが起きる訳でもない。ただ寒さを凌ぐためにテントに篭り、波の音を聞きながら、未来について考えるだけだった。
キャンドルの明かりが消えたら寝よう。寝袋がザラザラしている。
せんまさお
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