朝から雨が降っている。朝食はトースト、パンケーキ、サラダ、ハム、黄身なしのたまご。なんか文明を感じる。

ウランバートルに戻るバス乗り場まではゲルのオーナーが車で乗せて行ってくれた。昨日大ちゃん(馬)で来た道を少し戻る。当たり前だけど速い。
バスに乗る前におやつを買っておきたかったが売店が見当たらないので大人しく出発を待った。
カラコルムからの道は綺麗で揺れることはない。スヤスヤ寝ているとバスは昼食のために食堂に寄った。
ビーフステーキを頼んだ。出てきたのはハンバーグだった。ニワトリの顔みたいに盛り付けていてかわいい。

おやつを買いに売店へ行く。買い物を済ませて店を出ようとしたらモンゴル人のおじさんに声をかけられた。
少し話しているとビールを奢ってくれた。ありがたいけど僕はお酒が飲めない。
前に住んでいたマンションで僕の部屋の下を通る水道管が破裂したことがある。修理のために部屋に入る必要があるとかで、立会いをした時にお詫びにということでビールを2ケース貰った。ビールは無難な選択じゃないぞ。
ちなみに調べてみたら、お酒を飲めない人の割合は黄色人種が一番高いらしい。というか黄色人種にのみ飲めない人が存在する。黒人、白人関しては100%飲めるそうだ。
キリンのWebページによると、日本人の56%はいわゆるお酒に強く、40%は弱く、4%は全く飲めないらしい。僕はビールはグラス一杯で酔う。ほろよい1本で酔う。2本で寝る。3本であの世行きだ。
だから黒人や白人にお酒が飲めないと言うと、「なんで?」と聞かれる。遺伝の問題とか言っても通じないのでアレルギーとかばあちゃんの言いつけでとか適当なことを言うしかない。
Aラさんも飲めないのでそっとビニール袋へしまった。
バスに乗っているとさっきのおじさんがやってきた。Aラさんが一本開けてとりあえず乾杯する。僕はタイミングを逃して雰囲気で乾杯のフリ。おじさんはご機嫌ですぐに去っていったので事なきを得た。Aラさんはそっと缶を置いた。
馬旅のスタート地点よりもカラコルムはウランバートル寄りだったのでバスはすぐに着いた。その間にスナック2袋とチョコウエハース1袋を空けていた。イメージとしては砂漠に降る雨のように、お菓子に飢えていた胃に吸い込まれていった。
白タクに乗ってバスターミナルから宿に戻る。1kmで1,000トゥグルグ(40円程度)なので安いもんだ。ちなみにバスなら500トゥグルグ(20円程度)でどこまでも行ける。
宿に戻ると見慣れたスタッフがいた(まだ2泊しかしてないけど)。荷物を置き、外に出て一服する。
一息つくと郵便局へ向かう。手紙でも書こうかとハガキと切手を買う。ハガキも切手もそれぞれ1,100トゥグルグ(44円程度)。毎度毎度意味不明な値段設定だ。
「ウランバートルに戻ったら何食べます?」
最近Aラさんとよく話していた話題。ウランバートルはかなり発展しているので飲食店のバリエーションも多い。
焼肉かラーメンが食べたいなと話していたので、宿の近くのラーメン屋へ。この店は日本風のラーメンが食べられる上に割と安いので既に二人で何度か来ていた。
僕は醤油ラーメンを注文しようとしたが、売り切れらしく、ピリ辛ラーメンを注文。
程なくしてピリ辛ラーメンが完成。うますぎる。

宿に戻りリビングで手紙を書いていると漢字のTシャツを着たフランス人がやってきた。
少しシャイそうな彼は柔らかな性格で話しやすい。日本に3回も来たことがあるらしい。前回は淡路島に来たそうだ。
どこかオススメあるかと聞くので三重県を推しておいた。個人的に旅するなら一番楽しい県だと思っている。
そこへさっき部屋で話した中国人がやってきた。
「どこから来たの?イタリア?ああ、フランス人!フランス人ならロマンティックだね!」
中国ノリだ。フランス人の彼は「まあ、ちょっとは…ふふ」と優しくノッてあげる。
「僕は日本の映画を見たんだ。男と女がファイトしてるやつ!ベッドの上で!」
それは映画じゃない。みんな噴き出してしまい、その笑い声はドミトリーにまで響き渡ったという。

おもしろい夜だ。僕は草原から帰ってきた。

せんまさお

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