気合いを入れてついに宿を出ることにした。Nガノさんも一緒に次の街へ行くことになったのが背中を押してくれた。
「あなたの健康を祈り、あなたを生んだ両親に感謝します」
僕のホテル予約サイトの評価を読んだスタッフのメディナが言う。大げさすぎるが、決して偽らない彼女のことだから本当に嬉しいんだろう。
最後に写真を撮り、別れを告げ、宿を出た。地下鉄の最寄り駅までは結構離れているのでタクシーを使う。
駅に到着し、車を降りたその時、突然車がゆっくり進み始めた。シフトレバーをパーキングに入れ損ねていたのだ。ドライバーもトランクの荷物を降ろすために車を降りている。ノロノロと進んだ車は、信号待ちの車へそのまま突っ込んでいった。
呆然とする。僕はペーパードライバーなのだが、なぜペーパードライバーかというと、事故で人を轢きそうな気がして怖くて運転できないのだ。
たまに、突然車が動き出し、ブレーキが効かずに突っ込む夢を見る。それが目の前で起きたのだ。益々ドライバーへの道が遠ざかった気がした。
とにかく、ノロノロ突っ込んだものだから怪我人はおらず安心した。
僕とNガノさんは地下鉄でバスターミナルへ向かい、ハンバーガーを食べながらバスを探した。
想像通りバスではなくマルシュルートカだった。最後部座席に座り出発を待った。
ようやく移動する先はボルジョミ。ボンジョビに似ている。
1時間半少々で到着。僅か7ラリ(252円程度)でやって来た。
この街は水で有名な街らしい。ボルジョミという名前のミネラルウォーターが売られているが、そのボルジョミミネラルウォーターこそが、このジョージア最大の輸出品らしい。そしてセントラルパークでは湧き水が汲めるらしい。
果てしなく坂の上の宿にチェックイン。まさかの別荘チックなキッチン付きの個室だ。二人で割れば結構安い。
買い出しのために街へ出る。せっかく部屋にキッチンがあることだし、鍋でもしますか、ということでマーケットで野菜を買うことにしたが、白菜やエノキなんて売っていないから、キャベツとマッシュルーム、ナス、タマネギを購入。スーパーで豚肉のブロックを買った。


豚肉ブロックを買うとき、店員さんに、この豚肉のブロックの半分だけ欲しい、と伝えると、いきなり巨大な斧を持ち出して、真っ二つに切ってしまった。大胆。
部屋に戻り鍋を作る。イランで買っただしの素とアルメニアで買ったキッコーマンの醤油が大活躍。

完成してみると鍋の見た目とは程遠い洋風な料理ができた。

しかし食べてみると味はしっかり和。最後はキルギスで買った米で雑炊を作り満腹。
やっぱり日本食が一番。

せんまさお

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