【世界一周#285】一つの街

一昨日来たばかりのコソボへ向けて出発。1時間も経たず国境。

今度はバスを降りて出国審査。なんで入国審査はバスの中でいいのに出国だけ審査場へ?

僕の他にもう一人日本以外のどこかの東アジア人顔の人が乗っていたが、出国審査で止められて不機嫌になっていた。僕のパスポートはロクに中身を見ずにICチップをスキャンしただけ。日本のパスポートは本当にエゲツなく信用度が高い。

ぶっちゃけ、例えば本来であれば出国用の航空券がなければ飛行機で入国できない国も少なくはないが、その辺は多くの国で融通してくれている。というか日本パスポートでの入国スピードは早い方だと思う。多くの国で審査官が見てないから。良いか悪いかは置いておいて、助かるのは助かる。ちなみにビザがおりるスピードも早いらしい(他の国の人と話していて分かった)。

別にやましいこともないけど面倒はないに越したことはない。

※20歳の頃アメリカの入国審査で質問責めにあって当時英語が全く分からず今でもトラウマになっている。日本語スタッフが来てくれた。確か質問は「あなたの職業は?」だった。911テロ以降アメリカの入国審査は厳しい(今考えれば質問内容は全く厳しくない)。未だに入国審査は緊張するので無感情無表情で臨むようにしている。

ちなみに逆に日本の空港で受ける帰国時の日本人に対する税関審査は最も厳しく、怪しい見た目の人ほど厳しくされる。汚い格好は格好の餌食で僕は汚いので50%以上の確率で荷物全部開けられる。前回は薬物と爆発物の検査まで別でやられた。見た目が汚い日本人は時間の損。

プリシュティナに着くや否や宿に荷物を置き、再びバスターミナルへ。ミトロヴィツァという街へ日帰りで向かう。

なぜかバスの座席が微妙に湿っていたようで、気がついた時にはパンツまでじっとり湿ってしまった。気持ち悪い。もしや誰かのおしっこかと思い匂いを嗅いでみるが無臭。水かな?すぐに座席を移動した。

ミトロヴィツァは川を境に二つの民族が分かれて住んでいる。北はセルビア人、南はアルバニア人(コソボ)。その間にかかる橋へ向かう。

箸の両端は物々しい警備。各国から派遣されてきたコソボ治安維持部隊が軍服で警戒に当たっている。アメリカ国旗をつけた兵士までいた。アメリカだなあって思ったのが、東アジア系の顔の人だったってところ。ほんと多民族国家だなあ。

車道がある橋なのに、車の通行はバリケードで止められている。しかし歩行者は自由に渡れるし、チラホラと行き来する人も見える。かつては激しい争いがあった土地らしいが、今はある程度の安定を見せている。というかもっと大きな力で押さえつけているだけなのかも。

セルビア人居住区側は通貨単位もディナールに変わった。コソボの通貨はユーロなので、徹底してセルビア色を出している。

セルビア人居住区側に観光スポットがあるので、そっちをウロウロする。山の中腹に教会があるので行ってみた。ああ、教会だ。

山の上に変なオブジェが見えたので行ってみた。山道を進む。遠くから大量の犬の鳴き声が聞こえてきて怖い。こんな山道で囲まれたら僕なんて骨しか残らない。とりあえず石を持って進む。

ようやくオブジェの元へたどり着いた。デカイぜ。どこか鳥居を連想させるような形をしている。その前に石碑のようなものがあった。このオブジェは慰霊碑か何かだろうか。よく分からない。

しかしここからの景色は素晴らしい。街が一望できる。この街が実は二つに分かれているなんてここからじゃ分からない。

街の方へ戻っていると二人のおじいさんから声をかけられた。少し話して、一緒にお茶することに。

「ジャーナリスト?」

いや観光客です、と答えるとああ観光客か、と笑っていた。ジャーナリストだと思ってお茶に誘ったとしたらなかなか目立ちたがり屋だ。そして観光客があんまり来ないのかも。

二人は聞くと、トルコ出身80歳、アルバニア出身78歳のおじいさんらしい。アルバニア出身のおじいさんは昔ドイツに住んで弁護士をしていて少し英語が話せるらしい。

ネクタイ締めてやたらキチッとした格好をしていると思ったらキチッとした職業の人だった。

「コソボはリッチな国だ。リッチというのは金があるという話じゃない。鉱物が豊富なんだ。」

紙に次々と元素記号を書いていく。見ても銀くらいしか覚えてない。後から調べてみたら、確かに豊富らしいが、最近では掘削の設備投資がほとんど行われていないらしく、貿易赤字が続いているらしい。それどころじゃなかったってことなんだろう。

二人とのんびり話していたが、帰りのバスの時間が近づいてきたので解散に。まさかのご馳走して頂いた。優しい。

二人と一緒に橋を渡ってアルバニア人居住区へ。

「昔はセルビア人居住区側に住んでいたんだ」

今はアルバニア人居住区に住んでいるらしい。詳しい話は聞かないことにした。なんか聞いてほしそうでもあったけど、聞いても反応に困ると思ったからだ。

それでも、橋を渡ってセルビア人居住区にあるなじみの喫茶店に通っているというのには、少しホッとした。

今でも対立は続いているが、若い人の間では気にしない人も少なくないらしい。どうかそのまま対立感情が消えていってほしいが、コソボ独立がセルビアから認められない限り、それも難しいのかもしれない。

コソボ独立を否定するのも実際のところもう難しいだろう。巨人EUやアメリカが認めてしまったんだから、国際世論もそっちに傾いている。コソボ独立を認めている国の数も過半数に達している。今後が気になるが、再び争いが起きないことを願い、おじいさん達が平和に暮らせることを祈っています。

バスターミナルは歩いていると、若者3人組がこっちを見てコソコソ話している。なんだこの野郎と思い文句を言いに行くと、僕が中国人か日本人が予想して遊んでいたらしい。

なんだこの野郎を我慢して日本人だと答えると、一人がやったーとガッツポーズをしていた。

「俺は日本人だと思ってたんだ!」

二人は気まずそうにしている。まあいいや。

バスターミナルへ行くと言ったら、方向が一緒だから一緒に行こうということになった。

「コソボの女はどうだ?」

「コソボの女と話したか?」

「コソボの女と付き合いたいか?」

なんだこいつら思春期かよ。バスターミナルで別れ、すぐにバスがやってきたので飛び乗った。

完全に暗くなった頃、プリシュティナへ戻ってきた。そういえば昼飯を食べるのを忘れていた。腹ペコだ。

実は北マケドニアのスコピエのスーパーで辛ラーメンを発見していたのでそれを食べる。うますぎる。辛ラーメンは救い。辛ラーメンは心の拠り所。辛ラーメンは奇跡。

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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