ペナン島を離れ、マレー鉄道の駅がある街、バタワースへ。
バタワースへ向かうフェリーの中、「無印良品」と書かれた紙袋を持った、あからさまな日本人を発見。
フェリーから眺めるペナン島
お互い声かけようかどうしようかな雰囲気の中、なんやかんやで駅のホームで合流。
一歳年上
これがうわさのマレー鉄道
マレー鉄道も席が近く、終始おしゃべり。
その内、ついにタイとの国境に到着。一度電車を降り、入国審査を受ける。
再び走り出し、日が沈むころ、夜行列
超狭いベッドで就寝。
寝返りをうつと1.5mの高さから落ちる
寝るまでの間、関西国際空港で買っていた「夢をかなえるゾウ」を読んでいた。遡ること8日前マラッカに到着してからの2日間、僕は悩んでいた。
日本でやっていたことを全て辞めた上でやってきたこの旅。
全てを辞めた自分には何があるんだろう。何ができるんだろう。とずっと考えていた。何もかもを失った気持ちになっていた時に、例の猫を操るおばさんの事件があり、落ち込んでいた。
夢をかなえるゾウにはこのような事が書いてあった。(要約)
新しいことを始めるときは、何かやめなければならない。何もやめずに新しいことを始めるから溢れて続かない。
今の自分なら分かる。
大学4年生になり、昔の自分にとってはチャレンジだったことも、今では慣れて日常になってしまった日々の活動の中で、前へ進めていない実感から、いつももがき苦しんでいた。
どうしても自分の枠から抜け出せないもどかしさと、どうすれば抜け出せるのかわからない中、日々の予定はいつも詰まってしまっていて、考える余裕も新しいことを始める時間もなかった。
旅に出て、その全てがなくなった喪失感で逆にどうすれば良いか分からず苦しんでいたけど、気が付けば毎日新しいことに出会えて、新しい人に出会って、いつの間にか自分の日常は枠を超えていた。
新しいことを始めるときは何か辞めることから始めるというのは、自分を変えるという意味でも重要なことだと思う。
電車の壁を這うゴキブリを眺めながら、狭いベッドで僕は充実感に満たされた。

せんまさお

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