【世界一周#32】死を待つ人の家

5:45集合。マザーハウスと呼ばれる施設でミサが始まった。僕はクリスチャンではないので見ているだけだったが、空気を読んでみんなに合わせて立ったり座ったり膝立ちしたり祈ったりしていた。

7:00朝食。食パン、バナナ、チャイが配られた。ボランティアに参加する人は朝食の配給を受けられる。肉体労働もあるので頂いておくことにした。

8:30施設到着。マザーハウスからはボランティアリーダーが率いて公共バスで移動した。僕が行ったのは「死を待つ人の家」Nirmal Hriday又の名をKalighat。元々はヒンドゥー教寺院の敷地だったが、マザーテレサが行政に掛け合い無料で使える敷地を探していたところ提案を受けた場所だ。マザーテレサはクリスチャンなので当然反発があったが、「私を殺してもいいけどその代わりに施設は任せるわよ」と言って引かなかったという伝説がある。なんならヒンドゥー教徒が警察に通報して追い出そうとしたときも、警察がマザーテレサの活動を見て引き返したという伝説もある。そしてマザーテレサが設立した最初の施設でもある。

手の施しようがないほど身体が弱っている方や、不治の病の方、重度の感染症の方、高齢の方などが入所している。

どれだけどんよりした空気なんだろうと心配しながら受付を済ませ、中に入ってみると、いきなりプラスチックのコインが飛んできた。どうやらおじいさんが集まってコインを賭けてゲームをしているようだ。拾って返すと、ものすごくニコニコの笑顔で受け取ってくれた。

とても健康とは言えないけど、それぞれ思い思いに過ごしているようだ。日本の介護施設とは雰囲気が違うのは、インド人の気質も関係しているのかもしれない。

施設の周囲は所謂スラムのようになっているのだが、施設の中は清潔そのもの。感染症の方もいるので掃除は徹底しているらしい。

僕は最初、洗濯物の手伝いをした。風呂釜よりも大きな槽で大量の洗濯物を竹の棒でかき混ぜて洗う。シーツや枕カバー、服、ズボン、タオル。手が痛くなるまで絞り、すすぎの槽に投げ入れる。すすぎの槽でも棒でかき混ぜた後、脱水機に入れる。脱水機あるんやないかーい!

脱水した後は屋上に干す。取り込みやすいようにジャンル、色別に干す。インドの柑橘系の洗剤がいい香り。鼻に染み付いていた匂いまで洗い流されるよう。強力な洗剤なのか、手の油分は完全になくなっていた。

10:30休憩。ビスケット、バナナ、チャイが配られた。食べる前は感染症予防のために手をよく洗う。そんなにお腹が空いていなかったので、ビスケット2枚とチャイを頂く。すでに疲れた身体にチャイが沁み渡る。

10:50食料袋詰め。米袋より巨大な袋を担ぎ、中庭のようなところに移動。小袋に食料を小分けして縛る。配給するらしい。中身はよく分からないもの。米のような粒だけど、米ではないオレンジ色の半球の何か。あと豆。

12:00解散。午後も参加する人は15:00に再集合。今日は人手が過剰気味らしく、1日しか参加しない僕は午後はマザーハウスの見学してもいいよとのことだったので移動。

ボランティアの感想としては、日本でボランティアするのと感覚的には変わらなかった。基本的にはシスターが指示してくれるので困ることもなかった。ただ、英語が全く分からないと少し困るかもしれない。分からない時は分かるまで聞こう。

あと少し気になったのは、ボランティアに参加しながら真面目にせずお喋りばかりしている人が多かったこと。昨日のオリエンテーションでボランティア同士の会話は控えるように注意されたにもかかわらず、手を止めて会話ばかりしている人が多かった。

あと、写真禁止にもかかわらず、自分が活動している様子を他のボランティアに撮らせている人がいた。

参加する意思は素晴らしいが、活動を妨げるのはちょっと違うと思ったし、入所者からの視点で考えると、自分の家に知らない人が入ってきて知らない言語で騒いでたら嫌じゃない?

早起きかつ久々の肉体労働で疲れた僕はマザーハウス見学の後、宿に帰って寝てしまった。夢を見た。サラリーマン時代の夢だ。忙しくパソコンを叩いて社内を走り回っている。久々に仕事のような事をしたからだろうか。目がさめると夕方だった。

偉大なる我が姉は大のマザーテレサファンなのでマザーテレサグッズを買いに行った。マザーハウスの近くにマザーテレサ専門店がある。良心的な価格で、10ルピーからグッズが買える。

僕はマザーテレサカードとマザーテレサペンダントトップを買った。

明日は街を移動するので最後にもう一度サダルストリートに行った。

輩が来た。

「僕フセイン。ほら、あのフセイン。インド好き?」

僕は、インドは好きだけど悪いインド人は嫌いと言った。

「だから僕と話すのを怖がってるんだね。」

僕は、いや怖いとかじゃなくて悪いインド人が嫌いともう一度言った。

歩きながらある程度話したあと、彼はバツの悪そうな顔をしてマーケットに行くからと去っていった。彼が良いインド人なのか悪いインド人なのかは分からない。でも自分の身を守るためにも、変に甘い態度をとることは危険だ。

断れない人はインド旅行はやめといた方がいい。暴力や恐喝こそないものの、腕を掴んで離さなかったり、カバンを引っ張って連れていかれたりしたとき、僕は強く拒否したので事なきを得たが、強引さは日本の比ではない。とにかく旅行者からお金を引っ張ろうとする悪い人は確実に存在していて、積極的に関わってくる。のこのこ信じて付いていくのならば、何か被害を受ける可能性が否定できないことは確かだ。

マザーテレサは貧困で苦しむ人を救った。没後も彼女の作った施設、システムで救われている人がいる。それと同時に貧困で苦しむ人は新たに誕生し続けている。インドではカーストが未だ残っており、郊外の方が顕著らしい。

以前ムンバイの宿でスタッフから聞いたが、スラムに生まれたら抜け出すことはとても困難だという。セーフティーネットをマザーテレサがしっかり作ったのだから、その上で教育環境が整わないと貧困が連鎖する。

ビートたけしさんの母は「貧乏は教育で断つ」と宣言し、お金がない中、子供をトップタレントや大学教授に育て上げた。

勉強が全てではないけれど、勉強をあまりしてこなかった僕は勉強ができる人ばかりの大企業で皆についていけずに潰れた。

インドでは文字を書けなかったり、単純な引き算ができない人とザラに合う。それだけで貧困から抜け出す機会を失っているように思う。

マザーテレサもまずは街の子供に文字を教えることから始めたらしい。しかも地面に木の棒で書きながら。

ボランティアの中に、中国人の男の子がいた。彼はフランスに2年留学し、今はシンガポールの大学に通っているらしい。つまり彼は中国語、英語、フランス語の3ヶ国語が話せ、第二言語話者も含めると述べ約21億6千3百万人と会話することができるのだ。文字も書けない人と比べると機会の数が比べるまでもなく大きく違うことが分かる。これは単に教育の差が原因だ。

その点日本は各町に図書館がある。学ぼうとすれば学べる。義務教育は無料で高校も条件を満たせば無料、15歳以下の就労も基本的には禁止だ。多くの日本人には人生を楽しむチャンスがある。日本がつまらないとか言って海外に飛び出して受け身の刺激を永遠に求め続ける人はきっと不幸だ。自分のつまらない日常を日本のせいにしているダサい人にはならないようにしたい。僕らには楽しむチャンスがある。困っている人を救うチャンスもある。ええやん日本。

▽過去の投稿はこちら▽

http://senmasao.com

I attended the volunteer today. I went to Nirmal Hriday Mother Teresa’s Home for the Dying Destitutes. There a lot of elder people. I thought there is bad atmosphere. Actually, I met a energetic people. They enjoyed their life in the home. Some people just lying on the bed but some volunteer give a massage to them and talk to them. I felt good atmosphere. But some volunteer staff talk to other volunteer staff without volunteer. It’s so bad. How do you feel if some people enter to your home all of sudden and talk loud in your room. We have to respect each other when we attend the volunteer.

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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