朝起きるとインド人の彼も起きた。なぜ同時に起きる。
「お湯をご馳走しよう」
そう言ってお湯を沸かそうとしてくれたが、僕はそれどころじゃない。バスの時間が迫っている。
お湯はいらない、と伝え、高速で歯を磨き、インド人の彼に別れを告げて宿を出た。
ウィーンからバスで1時間少々。スロバキアの首都、ブラチスラヴァに到着。首都同士が近すぎる。
今日も晴れ。しかも少しだけ暖かい気がする。恐らく風が吹いていないからだろう。


ルンルンという言葉はこういう気持ちの時のためにあるんだろう。橋を渡り、ドナウ川沿いをルンルンで歩いていたら一句浮かんだ。
(( 水鳥が 流れていくよ ドナウ川 ))
うーん、ハイセンスだ。ドナウ川と付ければなんでもハイセンスになる気がする。

(( 花よりも 僕はやっぱり ドナウ川 ))
(( クリスマス 年末年始 ドナウ川 ))
(( あの日見た 川の名前は ドナウ川 ))
やはりそうだ。ドナウ川の持つイメージは強い。実際のドナウ川は茶色く濁って流れも早かったが、そんな事は俳句に影響を与えない。

「松島や~」の一句も、松島がどんなもんか知らないけど、「ああ、松島ね、松島、分かるわあ」という分かっていない大多数によって支えられているだろう。きっとそういうものだ。


ドナウ川沿いを延々と歩いていると、UFOと呼ばれる展望台に着いた。あえて登りはしないが、突如街中にUFOらしき奇抜な形の展望台が現れる。おもしろシティーだ。
再び橋を渡り、山に登ってみた。城があったからだ。この辺の国、すぐ小高い山の上に城を作る。あ、日本もそうか。
街が一望できるようなできないような微妙な高さだ。UFOは一望できる。

そしてドナウ川の上流の方はウィーンだ。きっとここからオーストリアの国土も見えているんだろう。本当に未だに陸路で国が変わる感覚が不思議だ。


No borderという言葉にピンと来ない日本人も少なくないだろう。少なくとも日本の陸地にボーダーはないからだ(米軍基地除く)。
いや、もしかすると逆により概念的に理解できている人が多いのかもしれない。とにかくここからはボーダーが見えるのだが見えないのだ。
(( 太陽が 沈んでいくよ ドナウ川))
さあ、街に戻ろう。







今夜もクリスマスマーケット。特に買うものはない。食べるものもない。
雰囲気を味わうだけ。
せんまさお
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