二段ベッドの上段から降りていたら階段が外れて尻餅をついた。スネもどこかにぶつけて擦りむいている。
階段が取れたとスタッフに伝えると、下の段を使っていいと言われた。そういうことが言いたいんじゃない。
街に出て信号待ちをしていると、散水車が水を撒きながらやってきた。そして僕の腰から下はびしょ濡れにされてしまった。
紅山公園というのがあるらしいので行ってみる。ただの公園なのに入り口でパスポートの提示を迫られる。やはりウイグル自治区は監視の目が厳しい。当然、金属探知機的なゲートも通るし荷物もスキャンされる。
なんてことはないただの高台にある公園だ。すぐに飽きて場所を変える。
ミイラが見れるらしい博物館に来た。こちらも同様のチェックを受ける。何かするたびに僕の行動が筒抜けになっているようで不安で不快だ。
ウイグル自治区も砂漠が広がっており、乾燥した気候によって、天然のミイラがいくつも見つかったようだ。
ガラスケースに納められたミイラが通路に沿って多数展示されている。
写真を撮っていてふと思った。
(これ死体だよな、写真とか撮るの不謹慎かな。)
他の人も写真を撮っているからまあいいんだろう。そもそも展示してるくらいだし不謹慎とかじゃないか、と無理矢理納得したが、人の死体は何年経つと展示物に変わるのか境界線が気になる。
博物館の後は、イスラム文化というか中央アジア文化の集まったバザールに行ってみた。思っていたよりも狭い範囲にハリボテ感あふれる街並みが広がっていた。
しかしながら、顔立ちが濃い方達が店を切り盛りしているので、ギリギリ雰囲気は保たれている。とはいえ、これから中央アジアに突入するのにわざわざ来る必要はなかった気もする。
とりあえず腹が減ったので、羊肉の串焼きを露店で注文した。
「シシカバブ?」
えっ、シシカバブ?シシカバブってあのシシカバブ?
僕はその瞬間までシシカバブはハクナマタタと同ジャンル的な存在の言葉だと思っていた。
どうやら羊肉の串焼きをシシカバブと言うようだ。まてよ、カバブってケバブのことか、だとしたらシシは串のことかな、と思い、後ほど宿に帰って調べてみるとその通りだった。頭いい。
シシカバブが遠火で焼かれて表面がパリパリになっていく。
渡されたシシカバブはずっしり重い。
羊肉はモンゴルで毎日のように食べていたが、こちらはスパイスを効かせているので臭みもほとんど気にならない。
シシカバブに満足し、明日の移動のために電車のチケットを買いに駅に向かった。次の目的地はカザフスタン。長かった中国旅はおしまいだ。
チケット売り場は大混雑。そもそも満員でチケット売り場に入ることができない。
10分ほど待ち、ようやく中に入ろうとするが、ここでも荷物チェックだ。なにが気になったのか、カバンを開けられる。そして財布の中身、なんならクレジットカードまで見られる。それは必要ないだろうと奪い返すと、ソーリーと言われた。つまり謝る必要があるような個人的な興味で見ていたんだろう。
1時間ほど列に並ぶが、ここでも列を抜かした抜かしてないだでおじさんとおばさんの間で喧嘩が発生。そんなことしてるから遅いんだよ。
ようやく僕の番になり、購入手続きをするが、もうパチンコ屋の中よりも騒がしいチケット売り場で、駅員さんとやりとりするのは難しい。隣の窓口で駅員さんと揉めているおじさんの声で全くあなたの声が聞こえないとジェスチャーすると、駅員さんも苦笑いしていた。
優しいかわいい駅員さんのお陰で無事にチケットを購入できたが、まさかの次の電車は明後日とのこと。週に2便しか出ていないようだ。
必要以上に疲れた。もう大声と喧嘩と列抜かすのやめようよ。さすがに馬鹿らしい。
ヘトヘトで宿に戻ると、べらぼうにかわいい宿のスタッフが桃をくれた。そういえば日本も今頃は桃の季節か。地元岡山県の桃、当分食べてないな。
せんまさお
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