なんか怖いところというイメージで避けていたフィリピンだが、バナナを食べたいという一心で空を飛び海を越えて参上。
そしてスペシャルな旅仲間として友人のビックボが参戦。
久しぶりの東南エイジア。飛行機を降りればどこかノスタルジックな香り。そう、ここはマニラ。
セクシーチックな宿に荷物を預けると、向かった先は水族館。
二人仲良くお魚さんをみていたところ、ビックボが言った。
「アリゲーターガーや!」
問題のアリゲーターガー
この水族館に説明看板などない。水槽の中を泳ぐ魚は綺麗でカッコイイけど名前なんか分からない。
でも彼は言った。「アリゲーターガーや!」と。
ビックボは博識だ。知識の幅がとても広い。
それは知っていたが、アリゲーターガーにまでアンテナを張っていたというのには心底驚いた。
水族館は思ったより広く、日本では見たことないような魚も色々といたけれど、一番印象に残っているのがこのアリゲーターガー事件なのでご紹介させて頂いた。
きれいな館内
水槽がでかいので魚もストレスフリー
かわいい魚たち
夜はご飯を食べるために場所を移し、ちょっとした都会らへんへ。
水族館から見える夕陽。上部中央に月。
遡ること6時間。僕らはお昼ご飯を食べていた。そう、ランチだ。
僕が食べたのはタロイモの葉っぱをすり潰してココナッツミルクで煮たやつ。ビックボが食べたのは汗の味がするスープだ。
タロイモの葉っぱをすり潰してココナッツミルクで煮たやつ
「美味しいものが食べたい。」
飽食の時代に生まれ、食べることに何不自由なく育ってきた我々の世代は舌が肥えているのである。
夜は美味しいものを食べよう。その一心で探したお店。
頼んだのはもちろんシシグ(フィリピンの伝統的な肉料理)だ。
問題のシシグ
ニンニクがすごい。塩がすごい。ハーブがすごい。口の中がシシグに染まっていく。油がすごい。量がすごい。身体がシシグで満たされていく。
そして僕らはシシグを残した。
オフィス街を歩く。夜でも暑い。
マニラは都会というだけあって、車通りも多い。広い道を歩いていた。
その時である。
少年が前に立ち塞がってきた。
物売りかと思い、何か言っているがスルーする。変に話を聞くとしつこいからだ。
僕の右腕に痛みが走った。
彼が僕の腕のお肉をつまんでいるのである。
思わずイテッと声が出た。日本語である。
彼の方を見て僕は驚いた。
僕に向けられているのはナイフ。そう、刃物だ。今度は声が出ない。
そりゃあそうだ、あからさまな犯罪の被害にあっているのだ。
Oh…と思考が停止していたが、タイミング良くパトカーのサイレンがどこかで鳴った。咄嗟に僕は手を挙げた。まるでナイフを持つ彼の背後に大勢の僕の仲間がいるかのようなイメージで。
彼に一瞬の隙ができた。僕は歩いて逃げた。
振り返ってみれば終始意味が分からない行動をとってしまった。
びっくりしすぎて放心状態になった。
シーシャバーでぼけーっとしていると気持ちも落ち着いてきた。逆に笑えてきた。
ビックボもびっくりしていた。
実は彼も隣にいたので同じく脅されていたのだが、通り過ぎる瞬間までナイフの存在に気づいていなかったのである。加えて彼にはつまむような無駄なお肉はない。
しかし通り過ぎた瞬間にナイフを見たようで、あまりにあからさまな犯罪にびっくりしていたのである。ビックボはびっくりしたのである。
夜も更けたので宿へ帰る。
刺されそうになったけど、夜はベッドで寝れる。幸せを感じた。

せんまさお

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