Rサコと合流し、前に会った旅人からおすすめされていたカルナック神殿へ向かう。ここはかつての王が増築に増築を重ねた巨大な神殿。
雨ざらしになっているにもかかわらず、ここにも王家の谷同様にまだ色が残っている壁画があった。
石で造られた巨大な柱を見ていると、明らかに手が届かない位置にアルファベットで書かれたサインが刻まれていた。サインに添えて、日付も刻まれている。そのほとんどが1800年代のものだった。
恐らく発見した人や発掘に携わった人たちのサインだろう。刻むことの是非は置いておいて、この遺跡が見つかって以降の歴史も感じる。
だだっ広い遺跡を歩いていると、大きな銃を持った警察が近づいてきた。
「こっちに見晴らしのいいところがある」
怪しみながらもついていくと、通常は閉ざされている階段を登れとのことだった。登ってみると、確かに遺跡を一望できる場所になっていた。
いくら増築を繰り返したといっても、それでもあまりに大きい。そしてすべて石で作られているということが信じられない。どうやって作ったのかすら想像がつかない。それほどのスケールなのだ。
そして予想通り、警察はチップを要求してきた。それをかわして再び遺跡を探索。
縁起がいいスカラベ(フンコロガシ)の石像があると聞いていたので行ってみた。反時計回りに3回周ると願い事がかなうらしい。
すでに何人もの観光客が周っていた。僕たちも順番に周る。願い事なんてないので、とりあえず旅の安全を願っておくことにした。
カルナック神殿を後にし、馬車の客引きを避けながら30分以上歩いて宿の近くへ。
「ハロー、ウイルス」
幼い女の子が僕たちの顔を見て言う。なんてかわいそうな子供なのだろうか。金銭的な貧しさこそは見て取れないものの、心が貧しいのだろう。子供の将来を思うと、しっかりとしたしつけをされていないだろう彼女が不憫で仕方がない。
「貧乏は連鎖する」と北野武の母は言ったが、心の貧しさも連鎖するのだろう。家庭のしつけというものは、親にその能力がなければ行うことは難しい。その女の子に罪はないと自分に言い聞かせ、ることにしたが、どうもモヤモヤする。
宿の近くに有名なコシャリ屋さんがあるということで行ってみた。確かに今まで食べていたコシャリとは違う。トマトのソースがさっぱりとしていて食べやすい。
ここでRサコと別れ、宿に戻ってゆっくりすることにした。
19時発の電車で向かったのはアスワン。夜遅くに到着してしまったが、駅の近くの宿に目星をつけていたのでまっすぐ向かう。
同じエジプトと言えど、ずいぶん南に来たので雰囲気も違う。カイロやルクソールと比べるとローカル感が強い。
夕飯に焼いたコンビーフを巻いたクレープを買い、宿で食べた。最近コシャリやパスタのようなものばかり食べていたので、少し違った味が嬉しい。
宿は少し汚いが、まあまあアフリカってこういうもんなんだろう。
明日はすこしゆっくりしよう。
せんまさお
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