昨晩午前1時頃、エジプト人が中庭でギターを弾き始めた。
ヨーロピアンのおばちゃんが激怒してエジプト人がアイムソーリーを10回くらい連呼して言って謝っていたが、おばちゃんの怒りは収まらず、スタッフもやってきてなだめるのかと思いきや、一緒になって怒り始めた。ほんと変な宿だ。安いからしゃーない。
朝も彼のギターの音で目が覚めた。もう宿に誰もいないと思っていたのか、眠たそうに彼の前を通り過ぎると、昨晩の件があったからか、アイムソーリーうるさかったね、と謝ってきたが、もう午前10時なので別にオッケーだろう。逆にいいかげん起こしてくれてありがとう。
昨日覚えておいたバスに乗り、シェアタクシー乗り場まで移動。昼飯を食べてから乗ろうと思っていると、あと1人で出発するタクシーが見つかり、更に日本人が一人乗っていたので、そのまま流れで乗ることにした。
今日はペンジケントというウズベキスタンとの国境の街へ向かう。この国境は昨年開いたばかりで、それまではドゥシャンベ近くの国境しか開いておらず、ウズベキスタンに入ってからも、大きな街へ行くには山を大回りするルートしかなかったらしい。そのため、移動費も馬鹿高かったようだが、今ならペンジケント経由で数百円で移動できてしまうらしい。
ホジェンドから来た道を半分ほど引き返すルートになるので、また美しい山脈を通る。
ペンジケントへ行く分岐の手前あたりで昼休憩になった。乗る前に食べていなくてよかった。
ラグマンを注文し、乗客でテーブルを囲む。東南アジアのバス移動でも昼食とか夕食とかの時間があったりするが、よくわからんシステムでよくわからんものをみんな食べているので、旅行者は蚊帳の外感があったが、中央アジアは一緒に食べようと招いてくれるのでありがたい。
再出発して分岐をペンジケント方面に進む。すぐに止まって再度謎の休憩。山水をペットボトルに補給したりタバコ吸ったりとみんなそれぞれ過ごしている。
山水で飲み物を冷やして売っている場所があったが、滴る水で余計に冷えて美味しそうに見える。
乗客のおじいさんは、道路脇の用水路を流れる山水で手持ちのペットボトルを冷やし始めた。僕も真似してペットボトルを投げ入れる。
数分後、確かに少し冷えた。山水は雪解け水らしいので、キンキンに冷たい。
出発から4時間半ほどでペンジケントに着いた。一緒に乗っていた日本人はこのまま国境を超えてウズベキスタンに戻るそうだ。国境付近の交通費の相場を教えてもらっておいた。
宿に着くと、小学校低学年くらいの女の子が出迎えてくれた。へい、お母さんかお父さん呼んでくれよな、と伝えると、流暢な英語で受付を進め始めた。僕の腰ほどまでしかないような子の後ろをついて部屋に案内してもらう。
「あっちかシャワールームで、こっちがキッチン。Wi-Fiパスワードはこれです。」
マルマルモリモリ時代の芦田愛菜ちゃんくらいしっかりしている。僕はへーこらペコペコするしかなかった。
この街には5世紀~8世紀にかけてソグド人によって作られた街の遺跡があるらしい。歩いていける距離のようなので行ってみた。
歩いていける距離ではあるが、やっぱり暑くてたまらない。舗装されていない道を進むが、車が通るたびに砂埃が舞うので、息を止めてやり過ごす。
30分ほどなだらかな道を登ると、遺跡の入り口についた。隣には博物館が建っている。博物館のスタッフのおじさんが、こっちおいでと手招きする。僕は遺跡を指差すと、自由に見て回れ的なジェスチャーを返してきた。
入り口の階段を登ると、一面に泥の塊が広がっている。風化しすぎて遺跡なのかただのデコボコの地面なのかよく分からないが、少しだけ発掘作業中の形跡がある。
畦道が遺跡内に伸びていたので、そこを通り遺跡を破壊しないように慎重に進む。奥まで進むと、市街を一望できる斜面に出た。標高が高いからか、風が強いからか、少しだけ涼しい。
市街を背に右に進むと、ゾロアスター教寺院の遺跡が見えてきた。少し補修しているようで、ここだけ綺麗に整っている。ここで火を拝んでいたんだろう。さすがにもう火は灯っていなかった。
遺跡からバザールまで歩く。田舎町らしく、のんびりした雰囲気が流れている。バザール近くて国境行きのタクシーの客引きに声をかけられた。どうやらここがシェアタクシー乗り場のようだ。10ソモニ(110円程度)で国境まで行けるらしいが、もう21ソモニ(231円程度)しか持っていない。
タクシー代10ソモニを残して、飲み物を買うと1ソモニ(11円程度)しか残らず、夕飯が食べられなくなってしまった。
宿に戻ると、キルギスで買っていた米を炊き
、レトルト味噌汁と0.8ソモニ(9円程度)で買った卵で雑炊を作った。
同じ部屋にはチャリダーが来ていた。ロンドンからチャリで来たらしい。頭おかしい。これからパミール高原に行って、長かった旅が終わるそうだ。
僕の旅の終わりはどこになるんだろう。何となくイメージはあるが、実際のところは分からない。旅だから。
せんまさお
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