スタッフはまだ寝ている。午前6時、カードキーをカウンターに置き、宿を出ようとするとカウンターの裏の床で寝ていたスタッフがムクッと起き上がった。
「デポジット返すから待って」
昨晩、チェックアウトが早いことを伝えたところ、デポジット無しにしてくれていたので、払ってないからいらないよと伝えると、「オーケー」と言って布団に倒れ、また夢の中へ戻っていった。
駅まで徒歩30分。街ではもう食堂から湯気が登り、老人たちが朝食をとっている。どこの国でもお年寄りは起きるのが早い。
僕は空港へ向かった。中国は一旦お休みしてモンゴルへ向かうことにした。モンゴルへは元から行く予定だったが、なにより気分を変えたかった。中国が広すぎてなかなか抜け出せないことにヤキモキしていたからだ。
ミアットモンゴルという航空会社での直行便。客室乗務員はいわゆる制服というよりは、典型的なバーテンダーのように黒のベストをピシッと着こなしていてかっこいい。
顔立ちも中国人とは少し異なる。男らしい顔つきだ。朝青龍を細くしてちょっとカッコ良くしたようなイメージで、男が憧れる男みたいなかんじ。
レガシーキャリアなだけあって、2時間少々のフライトでも機内食はあった。スパイスが効いたチキンをスライスしたもの、チキンのサラダ、パン。内陸な国だけあって肉をよく食べるのだろうか。
チンギスハーン空港は国際空港らしからぬこじんまりしたサイズ。モンゴルのお金を引き出し、空港からは近くのバス停から路線バスで市内に向かった。
宿で洗濯を済ませると寝てしまった。昨晩、モンゴルへ行けことに興奮して3時間しか寝られなかったからだ。
目が覚め、リビングへ向かうと、ひとりの日本人に出会った。
馬を買って2ヶ月の旅を計画していたが、ビザ延長が許可されず、通常通り1ヶ月しか滞在できないことから計画を練り直しているらしい。
馬はレンタルし、15日間の旅に出ることにしたそうだ。とんでもなく興奮する話ではないか。聞いているうちに話と馬に飛び乗りたくなってきた。そして気がつけば僕も行くことにしていた。
馬なんてハワイでよく躾けられたのにしか乗ったことがない。肛門がちょっと心配だがまあいいや。明日から準備しよう。
せんまさお
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