翌朝、ヤンゴンから一緒だったSさんは次の街へ向かった。
僕も昨日すでにバスチケットを買っていたが、お腹がズンドコ疼き到底動けないので一人で行っていただいた。
僕のお腹は狂ったメトロノームのように永遠とリズムを刻む。
水を飲んでは吐き、水のようなうんこをする無限ループに陥った僕の身体は水分を欲していた。
相変わらず「強」モード
何時間たっただろう、僕は死を覚悟した。
灼熱のバガンで体中から水分が抜けきって意識が朦朧としている。
死ぬ前に一枚写真を撮っておこう。
生前最後の予定だった写真。
生前最後の姿を写真に収めた僕は再び眠りに落ちた。
苦しさにうなされて目が覚める。
「もう限界だ」
僕はここピンサルパゲストハウスのオーナーのフミヤに言った。
「お腹痛いよ、お腹痛いよ」
するとフミヤはカウンターに向かい、紙に現地語で何かを書いてくれた。
「これをあのお店に持って行って見せなさい。薬くれるから。」
フミヤの男気に涙とうんこが溢れた。
肛門を引き締めて小走りでお店へ向かう。
「すいませーん!すいませーん!」
出てきたのは毛むくじゃらのおじちゃん。
メモを渡すと、無言で頷き、店の奥へ入って行った。
手渡されたのは緑と白の怪しいカプセルと塩。
塩はサービスだと言っておまけしてくれた。
「これを水に溶かして飲めば治る」
という毛むくじゃらの彼の言葉を信じて俺はペットボトルに塩を入れシェイクした。
右上の袋が塩
しょっぱさが心と体にしみた。
するとどうだろう、なんとなく身体が潤っていくのがわかった。
「これがミネラルの力…」
ミネラル (mineral) は、一般的な有機物に含まれる4元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外に、生体にとって欠かせない元素である。無機質、灰分(かいぶん)ともいう。糖質、脂質、蛋白質、ビタミンと並び五大栄養素の1つとして数えられる。
俺はミネラルの力で元気を取り戻していった。
あと薬も一応飲んだ。
あと宿で出会った日本人の方が日本の薬もくれたから飲んだ。
たぶん薬が効いたんだろうけど、ここはミネラルの力が効いたということにしておきたい。
無限ループから抜け出した僕は今日何度目か分からない眠りについた。

せんまさお

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