象使いの朝は早い。
森から象さんを連れてきてくれて、早速象使いのレッスンが始まる。
今日は川遊びである。
象さんは川遊びが大好きである。
象さんはキレイ好きなので、体の汚れを川で洗い流すのだ。
僕たちも象さんに乗ったまま、川へ入る。
ここで問題が発生する。
【【 僕は泳げないのである!!!】】
必死のお願いもあり、ライフジャケットを借りることに成功する。
案の定、水に落ちる。というか、象使い達が象さんに落とすように命令しているのだ。
ライフジャケットがあれば怖くない
本当かどうか知らないが、こうやって遊んで象さんに対する恐怖心を薄れさせているらしい。
何度か目に水に落ちたとき、僕は焦った。
象さんと象さんの間に落ちてしまったのだ。
迫り来る象さんと象さんの横腹。
「ダメだ、潰される」
必死に横腹を押す。
すると象さんがこちらを一瞥し、スッと身体を避けてくれた。
このとき、僕の中で、象さんの「さん」の意味合いが変わった。
親しみを込めた「さん」から、敬意を込めた「さん」に変わった。
何度も何度も、象さんのウンコが浮かぶ川に落とされ、鼻の穴からウンコ水が入ってはでて入っては出てを繰り返す。
でも大丈夫。一ヶ月以上東南アジアにいる僕の衛生観念は日本人のソレを大きく下回っているので大丈夫。
水から上がったらご飯の時間だ。
ウンコ水を洗い流し、手掴みでご飯を食べる。大丈夫。僕は大丈夫。
昼からはまた長い休憩の後、軽く象さんに乗って合宿は終了した。
僕はお猿さんとも仲良くなった。
村で飼われているお猿さんなのだが、長い長い休憩の時間で遊んでいる中で、僕はお猿さんを惚れさせてしまった。
そう、そいつはメス猿だったのだ。
メス猿
最初は僕に飛びついたり髪の毛を引っ張ったりと大暴れだったが、あまりにかわいいので愛でていたら懐いたのである。
僕らは仲良し
肩に乗って一生懸命に毛づくろいをしてくれるメス猿。指先は人間と瓜二つだ。
たまに毛を抜いて食べてくる。なんか美味しいのが付いているのだろうか。
毛づくろい中
毛づくろいは気持ちいい。僕はメス猿の気がすむまで毛づくろいをしてもらった。
真剣な眼差し
そんなメス猿ともお別れだ。
それが何より悲しい。もう会えないと思うと、あのクリクリした目がもう見れないと思うと胸がキュッとなる。
さようなら、メス猿。幸せになれよ。
そして僕は無事に象使いになった。
せんまさお
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