ベッグパッカーという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
僕は旅に出る前、友人からベッグパッカーのようなことだけはするなと念を押されました。
一体ベッグパッカーとは何者なんでしょうか。バックパッカーの仲間なんでしょうか?
今日はベッグパッカーの説明と、混同されがちなバスキングとの違い、世間の賛否意見、そして個人的な意見を書きます。
ベッグパッカーとは
物乞いを意味する「Beg」とバックパッカー「Backpacker」を合わせた造語です。つまり乞食旅行者です。
現地の方や他の旅行者から金銭を恵んでもらい、それを元手に旅をするスタイルです。つまり、行為自体は物乞いそのものです。
そもそも旅は娯楽であるにもかかわらず、「大変な旅をしているからサポートしてくれ」と、他人のお金で楽しもうとしているのです。
彼らの中には、「自分のお金を使わずどれだけ長く旅できたか」を、さも武勇伝かの如く、自慢気に語る人もいます。
主に裕福な西洋の国の旅人が貧しいアジア諸国でベッグパッカー行為をすることに対して反感が集まっています。
バスキングとの違い
バスキングは大道芸のショーで投げ銭を集める行為です。ベッグパッカーと異なるのは、お金の対価を演奏や一芸という形で提供している点です。
本来バスキングは就労行為にあたるため、就労ビザを取得せずにバスキングを行えば不法就労になります。しかしそれを除けば、バスキングは一つの商売であるため、物乞いとは全く異なります。※不法就労を容認する意図はありません。
賛成意見
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否定意見
・バカにされているように感じる
・本当に困っている人は毎日の食事を得るために施しを乞い、旅行の資金を得るためではない
・発展途上国で先進国の旅行者がお金を恵んで欲しいと懇願するのは筋が通らない
・甘えきっている
・飽きれる行為
など
個人的に思う事
バックパッカーとしての自分の意見としては否定的です。というのも、バックパッカーの旅は、伝統的な旅行のスタイル(ツアーやパック旅行)から抜け出し、自身の責任と自身の力で自由に世界を旅しようというものです。旅の中で親切心に頼ることはありますが、それをアテにしている訳ではなく、当たり前の施しだとは思っていません。
その観点から言えば、ベッグパッカースタイルの旅は自由の責任を他者に押し付けているように感じてしまいます。全ての責任は自分が負うべきであり、優しさは乞うものではありません。
また、ベッグパッカーが批判される一番の理由は、先進国の人間が途上国で物乞い行為をするからでしょう。仮に途上国の人間が先進国でベッグパッカースタイルをとっていると、褒められはしないにしろ、ここまで問題にはならなかったと思います。実際の裕福さは国家に依らず、個人の問題なので単純に判断することはできませんが、もしかすると西洋人に対するある種の差別なのかもしれません。
別の観点から言えば、お金をせびることのイメージの違いがこのようなスタイルの旅の批判を生んだのかと思います。
日本はお金を直接渡すことを不躾な行為だとしています。場合によっては侮辱と取られることすらあります。お祝いやお悔み等で、もしお金を渡す機会があるとしても、何か包に入れて渡します。一方でチップの文化がある国では、感謝の気持ちから渡すことは悪いことではなく、一部の国では渡さないことがマナー違反になることもあります。
このように、お金を渡すという行為に抱くイメージが国ごとに異なるため、国によってはペッグパッカーが極端に嫌悪され、反感を受けているのだと思います。恐らく、日本人はペッグパッカーの存在を善しと思わない傾向にあると思います。
仮に日本人がベッグパッカースタイルで旅をしていると聞くと、連帯意識の強い日本人の性格からすると「日本の評判を落とすな」と思われてしまうでしょう。
あまり旅のスタイルを否定したくはありませんが、個人的には良くないと思っているというのが正直な感想です。せっかくなら、誰から見てもやましくない旅の方が良いと思います。
あと、頑張って自力でお金を溜めて旅に出た自分から一言言わせてもらうと、「バーカバーカ!」というかんじです。

せんまさお

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