記憶に残っている客引きたち10名

客引きを断れない人は旅をするのに苦労すると思います。いかに上手く難なく断るか。

勝手に話しかけてきているんだから無視しても良い、しかし、話してみると面白いこともある。そしてそれもまた一興であります。

今回は記憶に残る客引きたち10名をご紹介します。良い意味でも、悪い意味でも、記憶に残っているだけすごい人たちです。



「葉っぱあるよ」(ネパール)


海外で耳にする日本語の「葉っぱ」といえば大麻のことです。日本人観光客に対して、現地の売人が声をかけてきます。

ネパールのカトマンズには売人が多数おり、特に一人で歩いていると頻繁に声をかけられます。

「葉っぱあるよ」と声が聞こえ、「僕は吸わないから」と答えると、「大麻じゃないよ!お茶のことだよ!」と笑いながらお茶屋さんに招き入れられました。

僕が勘違いすることを分かった上で、「葉っぱ」と言って気を引いてきたのはうまいなぁと思いました。


「今日は娘の誕生日なんだ」(ネパール)


「ヒマラヤトレッキングにのガイドをしようか?バスのチケットは?アクセサリーは?大麻は?」次々と何でも勧めてくる男。

どれも断っていると、「今日は娘の誕生日でプレゼント代を稼いでいるんだ」とのこと。

本当なのか嘘なのか分からないですが、どれも必要ないので断りました。本当に誕生日なら、プレゼントなんていらないから早く帰ってあげた方がいいと思います。


「裏ルートあるよ」(ネパール)


アンナプルナ山のトレッキング中に休憩で立ち寄った山小屋で、主人から「裏ルートがあるから紹介しようか」と言われました。

というのも、アンナプルナ山の登山には、ある一定の高度を超えると検問があり、入山料を支払う義務があるのです。

しかし、山を熟知している主人はそれを回避するルートを知っており、入山料よりも安い料金でそれを教えてくれるというのです。

そもそも僕はそんなに高くは登るつもりもなく、断りましたが、規制が新たなビジネスを生み出している現場を目撃することになったのでした。


「ミナレットに登れるよ」(ウズベキスタン)

ウズベキスタンのサマルカンドの観光の中心、レギスタン広場を歩いていると警備員に呼び止められました。

「日本人ですか?一人ですか?」

そうですと答えると、ミナレット(モスクに備え付けられている塔。礼拝の呼びかけとかに使われるらしい。)に50,000スム(600円程度)で登れるよ、とのこと。

通常は登れないので、正直ラッキーな話だと思いましたが、イスラム教徒ですらない僕が、裏ルートで登るのはどうかなと思って断ることにしました。どうやら警備員が小遣い稼ぎをしているようです。


「オフィスへ来ませんか?」(アゼルバイジャン)

アゼルバイジャンの首都バクーのオールドタウンを歩いていると、一人の女性が声をかけてきました。

「観光の予定は決まっていますか?もし決まっていなければご案内しますが。」

どうやらツアー会社の方のようです。僕はただ歩きたかったのでその旨を伝えました。

「私は情報を提供するだけなので、オフィスへ来ませんか?」

と聞かれたので、だからただ歩いているだけなので結構ですと断ると、「良い旅を!!!(怒)」とプンプンしながら去っていきました。

恐らく情報は無料で、ガイドを頼むと料金が別途かかるタイプだと思います。

ちなみに、後日その女性に再度遭遇したのですが、舌打ちされてしまいました。何か失礼なことをしてしまったのか未だに分かりませんが、女性が相手だったので、僕も特に丁寧に断ったつもりでした。


「ハローフレンド」(インド)

インドのブッダガヤという街は、かつて仏陀が悟りを開いた地ということで、現在でも多くの仏教徒が巡礼しています。

僕は菩提樹の実で作った数珠(実は菩提樹の実ではない)を探していたのですが、「ハローフレンド!」と声をかけられた店に入ってみることにしました。

なぜ僕が友達なの?と聞くと、出会ったらみんな友達になるのだそうです。インドの人は突然深そうな話を始める傾向にあります。

話している内にわかりましたが、彼はイスラム教徒だそうで、100%ビジネスで売っているそうです。

ビジネスなら安くしてよ、とお願いすると拒否されましたが、僕ら友達でしょ?と言うと、笑いながら安くしてくれました。


「じゃあ2ドルで」(ベトナム)

ベトナムの商業の中心地、ホーチミンにある大きな市場を歩いていたときのことです。ホーチミンは街の名前なのですが、元々はホーチミンさんというベトナム独立の父から名前をとったものです。

僕はホーチミンさんTシャツを買おうと値段を聞いてみたのですが、10ドル(当時880円程度)とのことです。

それならいらないや、と思い、去ろうとすると、腕を捕まれ、「じゃあ2ドル(当時176円程度)で」と突然の80%オフを提案されました。

それなら欲しい、と言うと、僕も君のiPhoneが欲しいと冗談で言われたので、それは断りましたが、ストレートなベトナムの方の性格が好きになったのはこの一件があったからです。ガッツを感じます。

「これはリアルストーンでできているから」(エジプト)


エジプトにおいて、スカラベとは糞転がしのことで、太陽を回すようにも見えることから、古代エジプトでは神としてあがめられていました。

そのスカラベの置物を探していたとき、一軒の専門店を見つけ入ってみることにしました。初めは450ポンド(3,150円程度)だったものが、店を一度出て戻ってくると150ポンド(1,050円程度)まで下げてくれました。

彼は「これはリアルストーンでできているから割れない」と言い、そのスカラベの置物を床に叩きつけました。そしてすぐさま「これはリアルストーンだから火であぶっても焼けない」と今度はライターで炙り始めました。

僕はそもそも買うつもりだったので全力で止め、無事にスカラベを救出して帰りました。


「のびーるのびーる」(トルコ)

奇岩が見られるカッパドキアで有名なギョレメという街を歩いていると、どこからともなく「のびーるのびーる」と聞こえてきました。

どこか日本語のように聞こえたので、そちらを向いてみると、トルコアイスの客引の少年がこちらを見ながら僕に向かって言っていたようでした。商売上手です。


「ここで作るものは本物だ」(ボスニア・ヘルツェゴビナ)

ボスニア・ヘルツェゴビナの首都のサラエボを歩いていると、銃弾(薬莢)を使って作った商品が並んでいる店を見つけました。

商品をいくらジロジロ見ていても客引きされないので、逆にこちらから声をかけて話を聞いてみました。

「ここで作るものは本物の銃弾を使って作っている」

とのことで、どうやら本物は真鍮で作っているから磁石にくっつかないらしく、偽者は鉄製がほとんどだからくっつくそうです。

目の前で今まさに作っている商品に磁石を近づけてみると、全くくっつかず、カウンターの横に置かれている明らかな偽物にはピタッとくっつきました。

創業当時は、内戦のせいで銃弾はゴロゴロあったから何かに使えないかと考えて作っていたそうです。

今売られているものは内戦当時の銃弾ではなく、軍などから譲り受けているものだそうです。

僕は薬莢で作ったボールペンを買うことにしました。内戦の歴史は知れば知るほど惨いものですが、今回は単に彼の職人技に惚れて買うことにしました。

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。