夜行バスでほぼ寝かけていたその時、急に車内が明るくなった。
一人の女性が乗ってきた。途中の経由地かな?と思っていると、その乗ってきた人が僕の顔を見て何か言っている。
よく見ると、警察官のようだ。
なんとなくパスポート見せろと言われてるような気がしたが、面倒なのでできる限りすっとぼけてみようと思った。
「ん?ん?ん?」
と3回くらいすっとぼけていると、英語で「パスポート持ってる?」と聞かれた。
これ以上すっとぼけても意味ないと思って、諦めてパスポートを見せた。
僕のパスポートはスタンプだらけなのでメキシコのスタンプを探すのは難しい。
もちろんどこに押されているか僕は知っているが、眠たいので知らないふりをして待っていた。
結局、見つかったのか見つかってないのか分からないが、パラパラとページをめくって「OK」と言って返してくれた。何がOKだったんだろうか。
僕の他にはボブマーリーみたいなヒッピーカップルしか見られていなかったので、地元民じゃなさそうな人だけ見られるのだろう。こういう時、日本のパスポートはなんやかんや強いのでなんやかんや適当なチェックでOKになるのがありがたい。
その後も2時間おきくらいに検問があり、パスポートをチェックされた。中にはパスポートの表紙の「JAPAN」だけチェックして返してくる警察までいた。なんかいい加減だが、おかげで安全な夜行バスライフが送れた。
そして朝、オアハカという街についた。バスターミナルから路線バスで宿に向かおうとしたが、何かのデモで道路が封鎖されていた。
しょうがないので適当な道まで歩き、適当なバスに乗ってみた。すると奇跡的に宿の前を通るバスだったようだ。ラッキー。
チェックインを済ませるや否や、再び街へ出て、バス会社へ向かった。夜行バスではしっかり寝られなかったので、なんだかフラフラする。
バス会社からは、モンテ・アルバン遺跡へバスが出ている。ツアーより格安で行くことができた。
ここではチケットは1枚のみ。なんでここは2枚じゃないのか謎だ。
モンテ・アルバン遺跡は広大だった。しかし、今まで訪れたメキシコの遺跡と違い、高地にあるため割と涼しい。
この遺跡は今まで訪れたようなマヤ文明の遺跡ではなく、サポテカ文明の遺跡らしい。マヤ文明より200年ほど古くから興った文明らしい。
広大な遺跡は未だに発掘の途中のようだ。新たな発掘を優先しているのか、既に発掘が終わっている遺跡からは草が生え放題で、また再び埋もれていっているような状態である。
オアハカは数年前に世界一の観光地に選ばれたそうで、モンテ・アルバン遺跡にもたくさんの観光客が訪れていた。ちょっと騒々しい。
貴重な経験のはずが、ちょっと遺跡に飽きてきたので、感動は薄かった。
再びバスに乗ってオアハカへ戻る。
何も食べていないので空腹の限界だった。地図を見ていると、「さくら食堂」という店を見つけた。
そろそろ日本食が食べたい。気がつけば全速力で向かっていた。
店に入ると「日本人ですか?」と日本語で聞かれた。日本人がいると思わなかったので、結構びっくりした。
どうやら、日本人が経営されているお店らしい。
店員さんに促され、他の日本人のお客さん、Tカコさんと一緒にご飯を食べた。
僕が注文したのはラーメン。唐揚げ丼と悩んだ究極の選択だった。
ラーメンは手打ちの麺らしい。というのも、麺を手に入れようと思ったら高額になるそうで、手打ちの方が安く提供できるからそうしているそうな。貧乏旅行者にはとても助かります。
「食堂」という名の通り、手頃においしい日本食を食べることができて、大満足だった。更にコーヒーまでいただいてしまった。
その後、Tカコさんに街を案内していただいた。モンテ・アルバン遺跡以外は何も予定していなかったので、ありがたかった。
Tカコさんはスペイン語が話せるので、市場でもお店の人と会話して僕まで色々と試食をさせてもらえた。地味に初めてバッタを食べたが、草の味がした。
ジュースまで奢っていただき、最後まで大大大感謝祭だった。
夕方には別れ、夜は一人で街を散歩した。メキシコの夜は危ないイメージがあったが、なんとなく大丈夫そうな場所を意識して歩けば、ちょっとくらい遅く出歩いても問題なさそうだ。
本当はもう一泊したかったが、急ぐ用事があるので、明日の朝には街を出る。唐揚げ丼、食べたかったのに悔しい。
せんまさお
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