ここの宿は楽しいが、移動せざるを得ない事情がある。
今、僕は仕事をしながら旅をしている。これは中断前の旅と大きく違う点だ。
実は旅を中断している間、再開することを見据えて、オンラインでできる仕事を始めていたのだ。旅する度に失業していたのでは、この歳ではシャレにならない。
オンラインでできるとはいえ、ネット環境や時差、使える時間の都合で、できないこともあるので、それは一緒に仕事をしている仲間にお願いして代行してもらっている。
キューバではネット環境が劣悪で、全く仕事ができなかったので、結構仕事が溜まっていた。
今朝まで泊まっていた宿は、仕事をするスペースがないし、自分のベッドにいても誰かが話しかけてきてくれるので仕事どころではない。
名残惜しみながらやってきたのはNomadsホステル。ノマドワーカーのためのホステルらしい。

チェックインまでの間、海に行ってみた。カンクンの海は美しいことで有名だ。ローカルバスに揺られながら、ビーチエリアを目指す。

バスを降りてビーチへ行ってみる。気温は32℃程度だが、湿度は75%。蒸し蒸しと暑い。
「日本は今、寒いの?暑いの?」
なぜかよく聞かれるのだが、ビーチサイドのお土産屋さんのおじさんも聞いてきた。やっぱり遠い国すぎて、全くどんな国なのか想像がついていないのだろう。逆も然りで、今メキシコが暑いのか寒いのか分からない日本人も多いだろう。
海はとても美しかったが、藻がたくさん流れ着いていた。その分、キューバのバラデロの方が美しかったと思う。というか、振り返ってみても、バラデロより美しい海を見たことがないレベルで美しかった。


暑すぎたので30分足らずで切り上げる。世界一贅沢なカンクンの海の過ごし方じゃないだろうか。
またバスで揺られながらダウンタウンへ戻る。ダウンタウンとビーチエリア(高級ホテルゾーン)は明確に分かれており、レストランの値段も激しく変わる。ビーチエリアは24時間警察が頻繁に巡回しているらしく、治安は良いらしい。逆にダウンタウンはひったくりとか強盗もあるらしく、ホームレスもよく見かける。
メキシコの治安は悪いと聞いていたが、カンクンではちょっと大通りを夜出歩くくらいなら今のところ大丈夫そうだ。
ようやくチェックインを終え、仕事に専念した。昨日のツアーの疲れも残っているので、ある意味で合理的な休息方法にもなった。
夕飯はカップヌードル。日清のカップヌードルがこちらでも売られているのだが、案の定ローカライズされていて不味い。なぜか海外のカップヌードルは激マズなのだ。あと、フォークで食べるためか、麺が短く、啜って食べるようなものでもない。日本のをそのまま売っても、海外の人たちは美味しく感じないのだろうか?不思議。

23時まで仕事をして、メキシコのお菓子を食べてから寝ることにした。

仕事をしながら旅するのは、正直言ってちょっと難しい。でも、この日のために作り上げてきた仕事なので、なんとか頑張りたい。明日は朝から街を移る。

せんまさお

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