宿で朝ごはんを食べ、海へ向かう。
今日も変わらず美しい海。
そして1時間歩き続け、やってきたのは郵便局。手紙をようやく差し出せた。1通150円ほどだった。やはり日本から離れれば離れるほど高くなる。アジアだと40円台の国もあった。
そして、その郵便局の近くには、観光客向けの店が集まっていた。そこで初めてフライドチキン屋さんを見つけ、気がついたら注文していた。
「1つください」
3つ出てきた。たぶん3つで1つなのだ。
とんでもなく美味い。たまらない美味しさ。世界で一番美味い。
「コーラください」
コーラはないらしい。なぜ!!
汗だくだくで死にそうである。意志朦朧としながらコーラを探していたら見つけた。
「250円です」
ぼったくられたが、缶コーラを手に入れた。その場で一気に飲み干した。脳みそがとろける。
帰り道も1時間歩く。まだまだ身体がカラカラで、途中で1.5Lの水を買ったが、宿に帰るまでに飲み干してしまった。
シャワーを浴びて宿でシエスタしていたが、またもや停電。暑すぎて耐えられず、思わず海へ向かった。
限りなく透き通った海へ入る。透明度はピカイチだか、波が結構ある。大の字で浮かんでいると、大きな顔面を波が襲う。
それでも構わず浮かび続ける。僕は4mしか泳げないので、浮かぶことしかできない。
真上をデカい鳥が飛んでいった。ビックリして立ち上がった。飛んでいった先を見ると、ペリカンだった!
「ペリカン!」
よくよく考えると変な名前だ。ペリカンを目で追っていると、ペリカンは海に飛び込んだ。きっと魚を見つけたのだ。すごいぞ!
他の人たちもペリカンを見ている。ペリカンは魚を捕まえたのか、海にプカプカ浮いている。
「おもしろい」
またペリカンが飛んでこないかワクワクしながら浮かんでいたら、今度は遠くの方で雷が鳴った。雨雲が近づいてきているようだ。
ボチボチ、海から上がって砂浜に座る。海に入る間、荷物が心配なので、全て宿に置いてきていた。
(ペリカンの写真撮りたかったな)
と、思ったが、なんか思考が侵されてるなとも思った。写真がなければ、きっと1年後には今見ている景色を思い出せなくなるだろう。ペリカンも、そして迫ってくる雨雲も。
写真を撮っても、この繰り返される波音を忘れるんだろう。ビデオを撮っても、この海風の心地よさを忘れるんだろう。だから、今しっかりと見て聞いて感じておこう。
稲妻が見える。そろそろ帰ろう。
宿に向かって歩く。今日はとにかくよく歩いた。しかし、なんかいい日だったなと思い耽っていると、道端の家の柵からピットブル(怖い犬)が顔面を突き出してきた。
「ピットブル!」
ピットブルは僕に向かって吠える。めっちゃ怖い。
すると、どこからともなく大量の犬が集まってきた。そして吠え合っている。
僕は犬よりも弱いので、ビビりながら宿に逃げ帰る。すると、宿の中にも犬がいる。そして吠えている。
「こら、スーシー!」
宿のおばあちゃんが犬を叱る。宿の犬はスーシーというらしい。日本人的に馴染みを感じる名前だ。シースーみたい。
(ザギンでチャンネーとシースー)
そんなことを考えながら、部屋に戻った。相変わらず停電しているので、暗い中シャワーを浴びた。
しばらく暑い中耐えていると、電気が戻った。すかさずお湯を沸かす。実はとっておきのカップ蕎麦を持っているのだ。
海で泳いだ後の蕎麦はたまらなく美味い。最近変なものばっかり食べていたが、今日は朝から晩まで贅沢だ。
たくさん汗をかいて失ったミネラル(主に塩)が身体に染み渡る。最高の気分だ。これこそが幸せだ。
満ち足りた世界では感じることのできない幸せ。たまらんなぁ、旅する日々が帰ってきたわ。
せんまさお
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