【世界一周#332】また旅に恋してる

13時間半も寝ていたという衝撃の事実。半年に一回くらいの頻度で驚くほど寝ることがある。旅中は移動なんかでよく寝るんだけど、そういう小刻みのではなくて、電池が切れたようにずっと寝続けることがあるのだ。病気じゃないよね。

飛行機に間に合う時間に起きてよかった。まさか昼寝気分の睡眠がこんなことになるとは思わず、目覚ましもセットしてなかったので寝過ごさなくてよかった。

やたらと腹が減っていたので、昨日買ったツナのサンドイッチを食べ、シャワーを浴びると宿を出た。辺りはまだ相当暗い。

本当はセビーリャを南下して、ジブラルタル海峡を船で渡って訪れるつもりだったモロッコ。調べてみるとバスで移動して一泊して船に乗って街までバスで移動するより飛行機でひとっ飛びした方が安いことが分かった。セビーリャに来る前にちゃんと調べておけばよかった。

まさかの来たばっかりのポルトガルのリスボン経由便。

まあ過ぎたことは仕方ない。空港のラウンジで、しこたま飯をかき込み、ゲートへ向かう。

搭乗開始時刻を過ぎても、スタッフは一人も現れない。おかしいなと思っていると、他の乗客もザワザワし始めた。

電光掲示板にも遅延の表示はない。その内、出発時刻を過ぎてしまった。ゲート変更の案内もないので乗り過ごした訳でもなさそうだ。

出発時刻から5分後、突如電光掲示板に2時間の遅延が表示された。

ここで問題なのが、乗り継ぎである。リスボンで2時間5分の乗り継ぎ時間があるはずの便だったが、これで乗り継ぎは不可となった。

しかしもうトラブルに鈍感になってしまっている僕は、空港内に喫煙所がないのでタバコが吸えない時間が伸びたなと落ち込んでいた。

遅延の場合の振替の保証が付いていることはなんとなく分かっていたので、うまくいけば明日の便に振り替えられて、今夜は航空会社が用意したちょっと良いホテルに泊まれるかもしれないという下心さえ見え隠れしていた。誠に腐った根性である。

エラく小さなプロペラ機で無事にリスボンに到着した僕は、降り口にいたスタッフに、乗り継ぎが間に合わないですと伝えた。

「もうゲートは閉まったから乗り継ぎは間に合いません」

知っています。と僕は言った。

「別の航空会社の便を予約していますから、そちらに乗ってください」

なんだ、ちょっと良いホテルには泊まれないのか。と少しガッカリしたが、目的はモロッコに行くことだったと思い出した。

航空会社が変わるから預け荷物を一度受け取る必要があるらしい。

ベルトコンベア前で待機していたが、僕のバックパックは流れてこなかった。

しかしトラブルに鈍感になっているので、ひとまず喫煙所で一服、いや二服し、バゲッジクレームへ向かった。

「僕のバックパックが出てきませんでした。本来は乗り継ぐ予定だったのですが、遅延で乗り継ぎに間に合いませんでした。振替便は航空会社が違うので一度ここでピックアップする必要があるそうです。」

調べてみます。と、パソコンで何やらカタカタ調べてくれている。

「ようやく見つかりました。あなた、航空会社が変わっていますよ。ここで一度ピックアップする必要があります。」

知っています。と僕は言った。

しばらくすると指定されたベルトコンベアから僕の鞄が出てきた。

再びチェックイン手続きを済ませ、ラウンジでこれでもかと飯をかき込み、ゲートへ向かった。

出国手続きだ。

「いつ来たんですか?」

ポルトガルへは今日着きました。ただの乗り継ぎです。と伝えると、無言でスタンプを押してくれた。パスポートを確認すれば分かることを聞いてくれるな。

さあ、いよいよモロッコへ向かうぞ。人生初のアフリカ大陸だ。

飛行機内はすでにアフリカンな雰囲気。なんか機内に流れている曲もアフリカン。

ジブラルタル海峡を空から越え、やってきましたアフリカ大陸。

日が沈む前に着きたくて予約した早めの便のはずが、もう日が落ちかけている。

電車に乗って街へ出る間に日は沈んだ。

「次の駅ですよ」

車掌さんがわざわざ席まで来て教えてくれた。親切な方だ。

駅から出るとタクシーの客引きが集まってきた。久しぶりのタクシーの客引き。嬉しいけど断る。

なんというのか、街の空気が感動的だ。

排気ガス、側溝のドブ、スパイスが混ざったような香りとジメッとした湿度。最高だ。ああ、旅ってこういうのだよな。

舗装が剥がれたデコボコの道を歩き、宿に到着。民族衣装のような服を着たスタッフが迎え入れてくれた。

近くのスーパーに行き、コーラを購入。宿の広々とした居心地のいい中庭で一服しながらゴクゴク飲む。

凍る直前までキンキンに冷やされたコーラ。ジメジメした夜。肌寒いと涼しいのちょうど間の気温。

最高。戻ってきたぜ。そうだよ、旅ってこういうのだよな。

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。