【世界一周#317】ハリー・ポッターの秘密のスタジオ

ハリー・ポッターは小学生の頃、やたらとみんな読んでいたので、僕も図書室で借りて読んでみた。当時は確か4巻が出たばかりだったように記憶している。

当時としてはボリュームがデカく感じた本。学校からの帰り道に歩きながら読んだ。それくらい1巻から引き込まれていった。好きなセリフは「うんざりだ」だ。

映画のDVDも友達から借りて10回以上は観た。今思えば早く返せよというかんじ。

2巻、3巻、4巻と借りて読んだあたりで5巻が出ることになった。早く読みたかった僕は隣町にある本屋(地元に本屋はない)で予約し、予約特典のブックカバーもゲットした。

その頃にはお小遣いで1、2、3、4巻も古本屋で買い揃えていた。確かもう中学生になっていたと思う。

そして6巻が出たあたりで確か僕は本を読む習慣が途絶えてしまった。6巻は読んだのだが、それ以外の本を全く読んだ記憶がない。その頃にはもう高校生になっていた。

そして受験生になった頃、最終巻の7巻が発売された。僕は今買えば受験に支障をきたす、とすぐには買わなかった。

そして無事に第一志望に合格し、卒業祝いで部活の後輩から頂いた図書カードを使って最終巻を買ったはいいものの、読書の習慣が消滅していた大学生活でそれは読まれることなく本棚に並べられていた。

何度か読もうと思ったことがある。そして数ページ読んで気づく。

あれ、前の話どんなだっけ。そして一作品前の映画版を観て満足して読み進められず。

そうこうする内に僕は29歳になっていた。読み始めたのが確か小学校4年生(10歳)の時なので、実に19年間完結していない物語と化していた。

イギリスといえばハリー・ポッターの舞台ということは分かっていた。そのため、到着するまでにKindleで最終巻を読もうと思っていたのだが、そのKindleを紛失(アテネの宿に忘れてきた)してからというもの、そのモチベーションも曖昧になっていた。

オランダに到着したあたりで、そろそろ読まないとな、と思い始めた矢先、フランスのストライキを知った。交通機関が無期限にストップする恐れがあるとのことだ。年金制度改革に端を発すストライキらしいが、大いに結構なことだ。しかし旅人からしたらピンチである。入ったはいいが、出られないというのは非常にまずい。

妥協案でブリュッセルからロンドンまで移動することにしたが、陸路で行くとなると、どこもフランスを経由するしかないのだ。リスクを回避するため、空路を選択。フランス系の航空会社も避けた結果、ギリシャ系の航空会社になり、結果として陸路より安く移動できることになった。

そして気がついた。これから本を読むとなると、イギリス到着までに時間が足りない。

仮に、情報を得るためだけに読むような速読みたいなことをすれば読めるのかもしれない。しかし、ここはじっくり話を味わいたい。急いて本の半分しか楽しめないのならば、いっその事こと映画を100%楽しんだ方がマシではないだろうか。

僕は最終巻購入から11年後、それを読まないという選択をした。

便利な時代だ。Amazonプライムビデオに映画はあった。199円で視聴できる。

オランダ、ベルギー滞在中の夜、僕はハリー・ポッターと死の秘宝を観ていたのだ。

そしてついに一昨日の晩、ロンドンに着く前日、最終巻の映画を見終わった。19年にも及ぶ恐らく僕史上3番目に長い(1位ドラえもん、2位クレヨンしんちゃん)物語が完結した。

とあるシーンで涙が止まらなかった。オーバーに言えば僕の人生を共に歩んできたある登場人物が亡くなったのだ。ドラえもん、クレヨンしんちゃんで登場人物が亡くなることはない。

悲しみに暮れるが、ラストシーンはファンに対する愛が伝わってくるような演出だった。完璧な終わり方だと思う。J.Kローリングさん始め、各スタッフさん達にお礼が言いたいです。

そして今観ているんですという話をベルギーの先輩方に話したところ、映画ハリー・ポッターを撮影したスタジオが見学できるらしいことを教えてくださった。

昨日、ヒースロー空港からTカヒロの家に向かう間、ハリー・ポッタースタジオについて調べていると、完全予約制らしく、超人気で1ヶ月先まで予約が取れないとのこと。

慌てて公式サイトを確認すると、奇跡的に明日の最終枠だけ1枚のチケットが残っていた。ちなみに次のチケットは約1ヶ月後の2020年1月7日。これはハリー・ポッターの神様に愛されているとしか思えない。すぐさま予約した。

入場可能なのは今日の16時から。最終入場枠なので遅刻したら終わりだ。

ビートルズでお馴染みの横断歩道、アビーロード、ハリー・ポッターの9 3/4番線があることで有名なキングスクロス駅を観光したのち、ハリー・ポッタースタジオへ向かう電車が出る駅へ向かった。

「ちょっとお兄さん」

後ろから声をかけられた。振り返ってみると宗教勧誘をしている人が立っていた。

「何しにロンドンへ?」

ハリー・ポッターのためだよ。と答えると、良いスマイルでイイねと言ってくれた。

「英語は読めるかな?」

ちょっとだけなら、と答えると、じゃあこれは読める?と本の表紙に書かれている文字を見せてきた。

《HAPPY》

はい、読めます、と答えると、じゃあコレをあげるよ、と本をくれそうになったが、ハリー・ポッターさえ読めない僕がこの宗教の本を読める自信はなく、ゴミ箱行きなのは明らかなので断った。捨てたら罰が当たりそうだけど、こっちの神様は罰当てるのかな。

電車でハリー・ポッタースタジオの最寄り駅まで移動してきた。ここからは専用のバスで向かう。

「20ポンド札使えますかね?」

バス停にいたバスのスタッフに聞いてみた。

「~フリー!」

えっ、無料なんですか?と聞くと、「ホープフリー」、つまり、そうだといいね的な意味だった。英語のネイティブなだけあって、何言ってるのか本当に聞き取りづらい。

ヨーロッパ人の英語は所詮僕らと同じような第二言語であって、そんなに難しい英語をバシバシ使ってくることはない(特に僕みたいな英語が下手な人相手だと)が、ネイティブはよく分からない表現とか崩しまくった英語を使ってくるので分からない。しかもイギリスは結構東アジア系の移民も多いようで、普通にスーパーに行っても外国人扱いされないからそれはそれで困っちゃう。

フリーではなかったが、クレジットカードで支払いができた。往復3ポンド(420円程度)。

15分ほどでスタジオへ到着。やったぜ。

まだ入場まで時間があるので、お土産を見て時間を潰した。たくさん買いたいけど、そんなに持ち運べないのが悲しいところ。

日本語のオーディオガイドを借り、入場ゲートへ向かった。まだまだ早かったようで列の先頭だ。

しばらくしてから入場。軽い説明の後、ショートムービーを鑑賞。

そしてホグワーツの扉が開かれたのだ。入った先はホグワーツの食堂。たまらん!

順路には撮影で使われた衣装、セット、特殊メイク、機械などが展示されていた。記憶と繋がる度に大興奮の雨嵐。何枚シャッターを切っても収めきれない生々しさ。

ハリーが住んでいた階段下の物置部屋、ハリーの家、グリフィンドールの談話室、ハグリッドの小屋、噛みつく本、ダンブルドアの部屋、ニンバス2000、3階建てのバス、空飛ぶ車、ヒッポグリフ、スニッチ、どれも撮影で使われた実物だというんだからたまらない。

そしてバタービール。小学生の頃、正確なタイトルは忘れたが、図書館で借りたハリー・ポッターのレシピブックみたいなやつに作り方が書いてあった。借りて帰り、その通りに作ってできたものは、泡立ったミルクセーキだった。

今、リアルバタービールが飲める時。お土産用のカップに入れてくる。

一人で来ている客なんていない。アウェーな軽食エリアで独りバタービールを飲む。感動だ。心に染み渡る。さっぱりとした炭酸のジュースにバター風味の生クリームを乗せている。もちろんリアルバタービールなんて存在しないので、これが最も正解に近いんだろう。感動を飲み干し、水で濯いだカップをポケットにしまった。

屋外展示に出てみると、突然雪が降ってきた。すごく凝った演出だな、と思ったが、どうやら本物の雪のようだ。やっぱりハリー・ポッターの神様は僕に味方してくれている。

新しくできた禁じられた森などの展示スペースを観た後、全ての展示が終了した。約2時間かかった。

お土産にはハリーの杖と杖置き、スニッチのキーホルダーとグリフィンドールのワッペンとポストカードを買った。

杖はUSJでも買えるらしいが、杖の買い時なんてそう頻繁に訪れるもんでもない。

Tカヒロに杖を見せびらかしたら、何に使うん、という反応。アバダケダブラ!!!僕が満足すればそれでいいの。そんな夜。

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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