猫が僕から離れない。朝早いので同室の人に迷惑になるからと僕は外でパッキングしていた。
野良猫が僕の足に擦り寄ってくる。ちょっと急いでいるので相手しなかったが、僕が動いても後ろをついてきて離れない。
歯を磨くために部屋に入ると猫も入ってくる。持ち上げて外へ連れて行き、足でブロックしながら挟まないようにそろそろとドアを閉める。
外のバックパックから着替えを取り出し、部屋に入って着替えようとすると、また猫も一緒に入ってくる。また持ち上げて連れ出す。
何回か繰り返し、チェックアウトをして部屋の前まで戻ると部屋の網戸から猫が部屋の中にいるのが見えた。ドアの前には欧米人の男が困った顔をして立っている。
「猫が部屋に入ったんだ」
僕はまた猫を持ち上げて外に出しておいた。そんな猫が愛くるしくてしょうがないけど、他の人が寝ているベッドに猫が突入してはまずい。こいつは野生の猫なのでたぶんそんなに清潔ではない。大人しくじっとして運ばれる猫はその最中何を思っているんだろうか。
雨が降る中、30分歩いてバスターミナルに着いた。出発まで少し時間があるので近くの商店でミルクティーを飲んだ。
「バスが来たら教えてあげるから安心して飲みなさい」
やはりこの時期のポカラは朝はとても冷え込む。温かいミルクティーはホッとする。
やがてバスが来た。
「ジャパニーズ!あの白いバスだ!」
せっかく黄昏ているのに大声で言わないで欲しい。少し湿っているバックパックをトランクに詰め込みバスに乗った。
今日はブッダ生誕の地、ルンビニという街へ向かう。山道を抜けて8時間かかる予定だ。当然舗装されていないのでとんでもなく揺れる、そして跳ねる。
寝ていようがお構いなく僕のワガママボディーは宙に浮く。こんなことを続けていては、いつか身体がおかしくなりそうだ。少なくとも脳細胞が死にまくっている気がする。
やたらと多い途中休憩を挟み午後4時半にルンビニに着いた。宿はバスターミナルの近くですぐに見つかった。立地もよく、すぐ隣が例のブッダ生誕の地だ。
観光は明日にして晩御飯を食べることにしたが、朝ごはんはミルクティー、昼ごはんは昨日買っておいたパン2だけだったので腹ペコだ。無性にフライドチキンが食べたくなり、町中を探してようやく見つけた。
ケンタッキー的なものを想像していたが、やはりブツ切りの味無しフライだった。カリーソースを付けて食べる。僕はカリーを憎んでいる。
ルンビニはインドとの国境にある町で、僕の宿から国境までは10kmしかない。文化もインド寄りのようで、カリーはインドテイストだ。
僕がフライドチキンとチョウメンを食べていると物乞いがやってきた。カトマンズやポカラではあまりアグレッシブな物乞いに会っていなかったので、これもインド寄りだ。
基本的にはお金を渡さないので、断ってフライドチキンを食べていたが、諦めてくれない。物乞いの前でフライドチキンなんて食べるもんじゃない。気まずさで味なんて分からない。
ようやく諦めてくれたが、お金を渡すか渡さないかは本当に心が揺れるが、インドのマザーハウスで教えてもらった「与えないことも与えることになる」という言葉を信じることにした。
宿に戻ったが、一日中シェイクされた身体が早く寝ろと僕に囁いているので早めに寝る。移動って本当に大変。
I moved from Pokhara to Lumbini that Buddha was born in this city. The bus shake my bash for 8 hours. I really tired also today. Lumbini is next to India so this city has similar culture to India maybe. I will sightsee tomorrow.
せんまさお
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