【世界一周#30】コルカタの輩、日本のロボット

朝起きると10時半だった。インドに来て1ヶ月が経った。昨晩は同室のYouTuberが生配信をしていてなかなか寝られなかった。ロシアから来た彼はこれから貨物列車にこっそり乗り込んで南へ向かうらしい。YouTubeで見つけた貨物列車タダ乗りの動画を僕に見せ、ワクワクを抑えられないようだった。

インドへの憧れは沢木耕太郎の深夜特急を読んでからで、コルカタ(旧カルカッタ)の話が強烈に印象に残っていたからだ。

大変失礼な話だが、かつてコルカタは「宇宙一汚い街」と言われていたらしい。

今日街を歩いてみたかんじでは、噂で聞いていたほどではない、他のインド並みの感じだった。浮浪者も溢れかえるほど見たわけではなく、ちょっと多いかなくらいだった。ただ、歩き出したばかりだろうまだまだ赤ちゃんが一人汚れて破れたTシャツだけの姿で街を彷徨っていたのはなかなかショックだった。

方やパリッと糊の乗ったシャツ姿の女子高生も多く見かけた。おそらく近くに女子校でもあるんだろう。どこの国でも女子高生は集まると騒がしい。

差別用語を避けたいのでなんと言えばいいのか分からないけど、女装をした方4名に通りすがりに身体を触られたりしながら公園へ行ったが、まあ大層綺麗に整備されていた。

かつてのコルカタはもうそこにはなく、探せば高級な店も多くある。旅人のエゴだけで言えば変わることは残念だが、一人の人間として考えれば、最悪の環境が改善傾向にあるというのはとても素晴らしいことだ。貧しく不衛生な環境の中では、健康で教養を身につけて育つことは難しい。

とはいえこの街は人が溢れかえっている。歩道は露店で埋まり、そこで買ったカリーを食べる人が車道にはみ出ている。車を避けながら、沢木耕太郎がかつて泊まったという伝説の宿、ホテルパラゴンを目指して歩いていた。

ホテルパラゴンはコルカタの安宿街、サダルストリートというところにある。ザダルストリートは旅行者を狙った輩が多くたむろしているらしい。

輩とチャイを飲みながら、輩と連絡先を交換し、輩と再開する約束をし、僕は永遠の別れをした。向かった先はマーケット。

立派なレンガ造りの建物の中に個人店が隙間なく並んでいる。僕は美味しそうなドライフルーツパウンドケーキを買い、買いもしない雑貨を見ていた。

また声をかけて来た人がいた。僕は驚いた。

ムンバイで見た映画の主人公そっくりの人だったのである。彼は言った。

「Where are you from?」

僕は爆笑してしまった。映画の主人公みたいにかっこいい彼が、ここインドに来て何度聞いたか分からないほど怪しいフレーズを口にしたからだ。

なんで笑ってるのか彼が聞いてきた。僕は謝り、みんなが聞いてくるからだ、なんでみんな知りたいのか、と逆に聞いてみた。彼は、「こうやって声をかけてくるやつは怪しいやつだから気をつけな」と笑いながらアドバイスしてくれた。

エムという名前の彼はそこでクリスマスグッズを売っていた。ずっとここに店を構えている訳ではなく、インド各地を転々としている行商人で、ブッダガヤ出身らしい。

「できればクリスマスグッズを君に売りたいけど、多分君は買わないから友達の店に連れて行くよ。大丈夫、買わないことは分かってるよ。」

僕はなぜか彼が信用できた。のこのこと付いて行くと、彼の友達というがっしりした男が置物のお店を構えていた。

友達は大阪でインド料理レストランを10年経営していたらしく、普通に日本語が話せる。店はたたんで、現在はインドの置物を日本に輸出しているらしい。

また3人でチャイを飲みながら話す。僕は先に置物は買わない旨を伝えた。彼は納得してもらった上で買ってもらうのがいいから、押し売りはしないよ、と言った。チャイも飲み終えたので店を出ようとすると、

「なんでインドに来てまでそんなに急ぐの。日本に帰ったらまたロボットみたいに働くんでしょ。インドにいる間はそんな犬みたいな生活しなくていいんだよ。」と日本語で言ってきた。

もっともだ。もう少しここでダラダラしよう。彼は日本で彼女20人と付き合い、同時に3人と付き合っていた時期もあったそうだ。そりゃ日本語うまいよ。それインド的にありなの?と聞いたら、結婚してないんだから大丈夫とのこと。やっぱりインド人はよく分からん。

2人とも大阪に住んでいたこともあり、話は盛り上がり、2時間近く話し込んでいた。帰り際、またお土産買いたくなったら来てね、と一言。さすがやり手のビジネスマンは日本人の心が分かっている。

街の中心から離れているあまり人気ではなさそうな宿なので、YouTuberが去り一人かと思っていたが、宿に帰ると同室に韓国人の女性が来ていた。どうやら2ヶ月滞在予定で今日インドに到着したとのこと。日が沈んだころに外に出たら怖くて5分で宿に戻ってきたらしい。空気も悪いしもう韓国に帰りたいと言いつつも、旅のプランを二人で練った。

確かに女の子ならインドで一人はちょっと怖いかもしれない。というか、1ヶ月前は自分も確かにビビっていた。北から移動し、チルアウトの南インドでリハビリしてからまた北に戻ってきたので、街の見え方が違う。今は変に怯えることなく輩とも楽しめる。もちろん節度ある範囲内で。

明日は①タージマハル、②インド映画、③インド最南端に次ぐ、インド4つ目の楽しみの申し込みへ行く。

I read the book “Shinnya Tokyu” that was written by Sawaki Kotaro who is Japanese famous author. He traveled in Kolkata about 40 years ago. He said Kolkata is most dirty city in the space. Actually, here is not too dirty now. This city was changed. When I walk to the park, I saw a child who ware only dirty and old T-shirts and he is alone. There is still poor environment until now. After that I met a man who looks like movie star that I saw the Indian movie in Mumbai. He asked me “Where are you from?” Usually I ignore this question because a man who asked me this question tell a lie to me. I asked him “Why do you ask this question?” He said “ Be careful, a man who ask this question wants to get money from you” We laughed together. I believed him. He took me his friend’s shop. His friend lived in Osaka Japan for 10 years to manage his Indian restaurant so he can speak Japanese well. We drank Chai that is traditional drink in India. We talk about our history for 2 hours. Finally, he said “Maybe you don’t buy my products but if you want to buy some souvenirs to your friends or family, please come back to my shop” I met 2 kind Indian today.

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。