【世界一周#67】憧れの地カトマンズ

ネパールへの入国にあたって、ふと出国用のチケットが必要なんじゃないかと思い、調べてみたが分からない。念のためダミーチケットを用意していたら寝るのが遅くなってしまった。

なぜ急に心配になったかというと、ネパールもビザが必要だと知ったのが一昨日のことで、ビザなしで飛行機に乗る場合、国によってはチェックイン時に出国用のチケットの提示を求められるケースがあるからだ。

そんなもの旅の予定なんて考えていないんだから持っていない。ダミーチケットは正規チケットを取ってから後ほどキャンセルしたり、それっぽい予約途中の画面をスクリーンショットしておいたりして作るんだけど、それで免れることができるって入国管理がザルすぎやしませんか?

というわけで、ありがたいことに朝早くにもかかわらず宿メンツに見送って頂き、ダミーチケットを忍ばせて空港へ向かったのだが、案の定道が混みすぎていて進めない。予定より20分も遅れて空港へ到着した。入ろうとすると、一度荷物チェックがあるらしく長蛇の列が。

すでにチェックインが開始している時刻なので早く入りたい。

「May I help you?」

怪しい男が来た。助けてもらわなくて大丈夫だけどあまり時間がない、と伝えると、列の先頭へ誘導してくれた。抜かしているのでなんか気まずいなと思っていると、空港に入る直前に、「お金か何かちょうだい」と言われた。スタッフか何かと一瞬信じようとしたが、やっぱり怪しい男だったようなのでサンキューベリーマッチと言って僕は空港へ入った。抜かした皆さんごめんなさい。

チェックインカウンターは何故か一つしかなく、当然長蛇の列が。日本みたいにスルスル列も進まないので、搭乗1時間前にようやく僕の番が来た。

ダミーチケットのことなんか忘れてしまうくらい寝不足と長い待ち時間でとにかくイライラしており、すぐさまパスポートを渡し荷物をズドンと台に乗せた。

荷物は規定マイナス0.6kgとギリギリ。なぜかミャンマーで重量が増したが、たぶん秤のセットを買ったから重りの分がそれ。

約10秒後、今まで経験したことのない速度で僕のチケットは発券された。ダミーチケットはおろか、ハロー以外の会話すらなかった。

イミグレーションへ向かい出国スタンプを貰う際、なぜか今後の予定を聞かれた。

「ネパールの次はどこへ行くの?」

僕は全く決めきれていないので、適当にインドと言っておいた。審査官は無言でスタンプを押してくれた。

約1000円分ほどバングラデシュの通貨が余っていたので両替所へ走った。待てども待てども僕の番は来ない。スタッフにあと何分くらい待つ必要があるか聞いたら、「みんな並んでるんだから待っていなさい」と言われ、僕の狭すぎる器は溢れ、怒りのボルテージは頂点に達し、堪忍袋の尾は切れ、視界に入るもの全てを壊せるもんなら壊したい気持ちになった。

搭乗時刻が迫っているので何分くらいか聞いてるだけなのにクレーム客扱いされたからだ。とにかく何分くらいなのかだけ教えてくれと伝え続けたが、無視されたり嫌な顔をされたりしたので、僕の狭すぎる器は割れ、怒りのボルテージは空高く突き抜け、堪忍袋は袋ごと引き裂け、視界に入るもの全てを粉々にできるもんなら粉々にしたい気持ちになった。

僕は声を荒げて何分くらいかかるのか聞き続けた。側から見れば完全にイッている。彼は「15分だ」と目も合わせずボソッと言った。

15分ならなんとか間に合うぞと、大人しく待っていると、約2分後に僕の番が来た。僕の狭すぎる器は粉末状に砕け散り、怒りのボルテージは宇宙(コスモ)まで達し、堪忍袋は元が袋であったことが想像もできないほどまでに崩壊し、視界に入るもの全てを無に還せるもんなら還したい気持ちになった。

僕は900タカくらいをスッと差し出した。パスポートもサッと渡した。パスポートが投げるように返される。彼は「9ドル」と言った。僕はオッケーと返した。彼は9ドルをテーブルに置き、計算書をまた投げるように渡してきた。

無言のままなので完了か聞いたら終わりとのことだ。僕はムスッとしたまんま9ドルを握りしめてウンコをし、ゲートへ向かった。

ゲートの手前でようやく荷物チェックである。コーラを飲み干しボトルを捨てた。当然問題なくクリアし、飛行機を待つ。

ここでようやく落ち着きを取り戻してきた。なぜ自分は9ドルであんなにムキになっていたんだろうか。

日本円で約1000円。大人なら大した金額ではない。ただバングラデシュにいたらすごく大金のような気持ちになり、これを無駄にするなんてできない、と必死になっていたのだ。

そしてなぜか分からないがバングラデシュで初めて雑な対応を受けた。最後の最後でこういう人に会いたくなかった。

いやそんなことはもうどうでもいい、忘れよう。僕は憧れの地、ネパールの首都カトマンズへ到着した。

静かな国かと思ったら空港は結構騒がしい。次々襲い来る客引きを跳ね除け、見つけ出した弱々しい男の車に乗り込み僕は街へ出た。

カトマンズといえば安くてクオリティの高い日本食が食べられると聞いていたので、宿に荷物を置いた後すぐに向かった。

朝から何も食べていなかったのでハングリーでアングリーだったのだ。このフレーズをタクシーの中で思いついた時は心の中でガッツポーズをした。

路地裏にひっそりと店を構える日本食料理屋で生姜焼き丼を注文した。肘をついてスマホをいじるお姉さんとさっきまで客と雑談していたおじさんしかおらず、とても美味しい料理が食べられるとは思えない。

味噌汁と漬物がセットで290円程度だったが、とんでもなくクオリティが高い。なんなら日本の中途半端な店より美味しい。僕の狭すぎる器は元の形を思い出し、堪忍袋は緒と繋がり、怒りのボルテージは宇宙(コスモ)から地上への帰還を果たし、視界に入るもの全てから愛されるよりも愛したいマジでと思うようになった。

食べ終わるとホッとして、街をゆっくり歩き、宿に帰るとスッと寝てしまった。日が暮れた頃に目が覚め、晩御飯を求めて街へ繰り出した。もう食べてしかいない。

パンを2つ買ってフラフラしていると、あちこちから麻薬のプッシャーが寄ってくる。暇だったので少し話してみた。

その男はヒマラヤトレッキングのガイド兼、旅行会社の営業兼、アクセサリー職人兼、麻薬のプッシャーをしているハイパーネパール人だった。ハイパーネパール人からトレッキングやらバスやらネックレスやら麻薬やら次々に勧められ、なんかおもしろい。

聞いてみたらカトマンズは標高1100mもあるらしい。通りで寒いわけだ。

ハイパーネパール人いわく、今日は娘の誕生日らしい。麻薬売ってないで早く帰った方がいいよと伝えると、「プレゼントを買うお金を稼いでるんだ」と彼は言った。

嘘か真か分からないけど、絵本みたいなストーリーに僕はセンチメンタルな気持ちになった。いちいち同情していたらもうキリがないくらい悲惨な光景を見てきたし、これからも見続けるだろうから、僕は彼と握手をし、売買はせず、バイバイした。

I moved from Bangladesh to Nepal. I thought Nepal is quiet country but actually here is also noisy to me. When I arrived in airport, a lot of taxi driver came to me.

I was so hungry, so after arriving in a hotel, I went to a Japanese restaurant. Kathmandu in Nepal is famous for cheap and high quality Japanese restaurant among Japanese travelers. I was so happy to eat it.

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。